2月1日に発表されたキャロウェイの新ボール「CHROME シリーズ」。「CHROME TOUR」、「CHROME TOUR X」、「CHROME SOFT」の3モデルが展開されているが、プロを含む上級者が満足できるパフォーマンスが発揮できるという。
これらはすべて3月上旬の発売予定だが、早速試打してきた。
試打してくれたのは、谷原秀人らを指導する吉田直樹プロコーチ。まずはスタジオにて基本性能をチェックした。3つのモデルをそれぞれ8番アイアンとドライバーで10球程度ずつ打ってくれた。
「CHROME SOFTは、ヘッドスピードが速めの人だと、少し頼りない感じがするほど打感が柔らかい。逆に言えば『とにかく打感は柔らかいのが1番!』という人にはお勧めです。CHROME TOURはスピン量が少なめで打ち出し角のコントロールが重要ですが、それができれば抜群に飛びますし、アイアンの安定度も高いです。CHROME TOUR Xはちょうど中間のイメージですね。トータルバランスが優れているので、プロを含む上級者も満足なレベルに仕上がっています」(吉田)
基本性能は、かなりのハイレベルのようだが、これが実際のゴルフ場でどのようなパフォーマンスとなるのか? それを実証するために、強風吹き荒れるコースに移動して、実際のコースでも打ち比べてもらったところ、
「ドライバーはどのボールでもアゲインストに負けずに通常どおり280ヤード前後の飛距離が出ました。通常ティを低くしてアゲインスト対策をしますが、このボールならそれも不要で、『アゲているから』と言って通常と違うスイングをするとミスの原因になりやすい。それをしなくてすむメリットはかなり大きいですよ」と話す。
アイアンショットについても「風が舞っている状況で、風に乗って飛び過ぎてしまったり、アゲインストで戻されることもない。また、ヨコ風で流されることがなくて、きれいにボールの落ち場所が揃っていました。ドライバー同様にスイングで特別なことをしたわけではないので、まさに『風に強い』ボールと言えます」と絶賛。
さらにアプローチに関しても「ショートゲームのスピン性能もボール選びの重要な要素になります。花道やラフから、それぞれのボールで弾道の高低を含めていろいろなアプローチを試しましたが、プロが試合で使っても満足できるレベルでしたよ」と話す吉田。スタジオでの試打を含めると100球以上も打った吉田だったが、疲れた様子も見せず、満足げだった。
最後に「3つともプロを含む上級者や競技志向が強い中級者向けのボールでした。特にCHROME TOURおよびCHROME TOUR Xはかなりの高性能で、コースで試すと『風の強さ』をより実感できました。スイング等で風対策はできなくはないですが、このボールを使えば、余計なことをしなくて済みます。1打でもスコアを良くしたい競技者は試す価値があると思いますね」と、吉田は締めくくってくれた。キャロウェイの新ボール「CHROME シリーズ」は上級者や上昇志向の高い中級者は1度試すべきボールのようだ。要チェック!
「CHROME TOUR 」
CHROME SOFT X LSの後継モデルで、前作以上にロングショットでの余計なスピン量を抑え、反発力を生み出している。打感の柔らかさはCHROME TOUR XやCHROME SOFTの中間となっており、プロを含めた上級者が満足のクオリティとなっている。
「CHROME TOUR X」
CHROME SOFT Xの後継モデルで、ソフトなフィーリングの中、芯を感じるしっかり目の打感となっている。飛距離性能とグリーン周りでのスピン性能を高い次元で両立し、プロや上級者が使うことでより高いパフォーマンスが期待できる。
「CHROME SOFT」
大人気モデルの昨年のCHROME SOFTがアップグレードされたもの。今回の3モデルでは打感が一番柔らかく、ロングショットでは低スピンで適正な打ち出し角をもたらし、飛距離性能が高い。神谷そらが使用するなど、ショートゲームでのスピン性能も抜群。
テスター 吉田直樹(よしだ・なおき)
最先端のゴルフスイング理論を追求しているゴルフスイング研究者。片山晋呉や小祝さくららのコーチを務め、現在は谷原秀人や高木萌衣を指導する
撮影/佐々木啓 撮影協力/ゴルフ ラ キンタ(兵庫県芦屋市)、千刈カンツリー倶楽部(兵庫県三田市)