青木瀬令奈はなぜ6Iだけでなく7Iを抜いて、6U・7Uを入れているのか?
女子プロの青木瀬令奈のセッティングを見ると、6Iだけでなく7Iまで抜いて7UからUTを入れているなぜなのだろうか?その理由を調べてみた。
配信日時:2024年9月16日 02時00分
女子プロの青木瀬令奈のセッティングを見ると、6Iだけでなく7Iまで抜いて7UからUTを入れているなぜなのだろうか?その理由を調べてみた。
青木は5・6Iの代わりに、5・6Uで『スリクソン Z H65』(25・28度)を採用。7Uには『スリクソン ZX』(30.5度、28度を寝かせている)を使用している。「彼女は女子ツアーのセッティングにコンプレックスを持っています。硬いグリーンでセカンドショットが止まらないことですね。だから、ボールを上から落として止めるために、ロングアイアンは一切に使わず3~9W、5~7Uを多用しています。非常に賢い選手だと思います」(クラブフィッター吉田智)。パワー不足を徹底してクラブで補って打ち出し角を確保しているといえる。
また、「アマチュアは6I代わりの26度以上のUTをもっと使うべきです」と語るのは、ギアに詳しいティーチングプロ石井良介。実際にドライバーのHS40m/s相当でロフト27度のUTと6Iで弾道を比較してみると、UTは落下角度が4度多く、ランが約8ヤード減少。HS40m/sでも十分ボールが止まる結果となった。落下角度が大きくなり、グリーンに止められる高弾道に打つことができるのだ。
UTがアイアンに比べてグリーンに乗せやすいのは、ボールが止まりやすいだけでなくミスヒットに強いのも大きな理由だ。その差は打点をズラして弾道を計測してみると一目瞭然だった。
「最近はアイアンも進化していて、大型のキャビティや中空アイアンにはミスヒットに強いモデルが多いです。しかし、ロフト27度の6Uと6Iで試打比較すると、結果が全然変わりました。UTはアイアンよりもさらに打点のズレに強く、打点がトゥ側、ヒール側と下側に1センチくらいズレても、キャリーのロスは5ヤード以内に収まっています。左右への曲がり幅も15ヤード以内と、多少ミスヒットをしてもグリーン内に打つことができます」(石井)
UTはアイアンだと飛距離が落ちやすいフェースの上側に当たっても、それほど飛距離が落ちないので、ラフに浮いたボールを打ったときにテンプラのミスが出にくいのも特長だ。
アイアンのキャリー不足で、グリーンオンできないという人は、見栄を捨ててロフト26度のUTを6番アイアンの代わりに入れてはどうだろうか。
■試打/解説:石井良介
いしい・りょうすけ/1981年生まれ。トラックマンを利用した理論的な指導が人気のティーチングプロ。最新ギアに精通し、YouTube番組「しだるTV」でのクラブ評価にも定評がある
■解説/吉田 智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている
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片山晋呉は7番アイアンを抜いて7Uを入れた。アマチュアこそ6番アイアンを抜いて、6Uを入れるべきだという。関連記事【片山晋呉は7Iを抜いて7Uを入れたけどアナタは!? 160Yを狙う6Iの代わりにロフト26度以上のUTを‼】を読めば、自分にピッタリの6Uが見つかる。