澄んだ水のように、濁りがない透明感がある音と手応えを満喫できる『MX FORGED PRO』
ベストスコア「67」、ホームコースのハンディキャップ「0」を誇る、貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2024年5月29日 08時15分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
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【注目ポイント】
ミズノの『MX FORGED PRO』は、2024年2月20日に直営店限定(公式オンラインショップ含む)で発売されます。
『MX-I FORGED』と同時に発売されるこのアイアンは、ミズノの軟鉄鍛造技術を求めるファンに注目されています。コピーは「軟鉄鍛造の打感を求めるゴルファーへ。コンパクトサイズで操作性を追求。」です。
ミズノの軟鉄鍛造アイアンは特別で、工業的な計測では人間には検知できない微妙な振動の差をトッププロや敏感なアマチュアが感じ取ることができます。その独特のクリア感は唯一無二です。
高性能マイクで録音すれば、試打動画でも素材と製法の違いが明確に出ます。打感や打音はボールの飛び方に直接関係しないという意見もありますが、ゴルファーにとって重要なメンタル面に大きく影響します。
近年は軟鉄ではなくクロムモリブデン鋼などの新素材をフェースに使用したアイアンが増えています。飛距離性能の向上に貢献しているため、これはトレンドでもあります。しかし、新素材の打感や打音に不満を持つゴルファーもいます。『MX FORGED PRO』は、そうした悩みを解決するために開発されました。
『MX FORGED PRO』は、ミズノの伝統的なフォルムとバックフェースを持つセミキャビティアイアンです。その仕上げも含めて、バックフェースを見ただけで購入を決めるゴルファーもいるでしょう。名称の通り、ツアープロが好む要素が詰まっています。
7番アイアンのロフトは32度で、クラシックなロフトのアイアンよりも0.5番手アップの飛距離を保証します。クラシックなロフト設定を採用するアイアンが多い中、『MX FORGED PRO』は少し立っているロフトです。パワー不足で距離に悩むゴルファーを助けるためだと考えられますが、飛距離性能と狙い通りに止められる技術を持つアイアンとして挑戦的な評価もできます。
多様性の時代ですが、「男は黙って『MX FORGED PRO』」という表現が適しています。余計な説明よりも、打ってみることが一番のアプローチです。試打した日は快晴、気温は7℃~23℃、微風。ボールは使い慣れている『TOUR B X』で、クラブの影響だけに集中しました。『MX FORGED PRO』はヘッドスピード40m/sでも使えるか、楽しみながら打ってみました。
【打感・打ち応え】
『MX FORGED PRO』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさ。音質は、究極の濡れた鞭系で、残響は最小限です。打ち応えは軽めで、手応えは芯感がクリアで敏感。濁りなきクリア感はお見事だと思います。
【弾道・球筋・スピン性能】
『MX FORGED PRO』の弾道は、高弾道。伸びすぎない安定した球筋ですが、高低、左右の打ち分けには敏感に反応します。ミスヒットを助けてくれる機能は最小限です。スピン性能は強烈で、戻ろうとするかかり具合でした。
【飛距離性能】
『MX FORGED PRO』は、通常のクラシックなロフトのアイアンよりほぼ1番手飛びます。半番手アップのロフトより少し飛距離が出ると思いました。距離感が合いやすく、3ホール目からはピンハイに止まるショットを連発しました。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『MX FORGED PRO』は、素晴らしい完成度のアイアンですが、打つ人を選ぶアイアンでもあるというのが第一印象でした。
過去のアイアン作りの実績と最先端のアイアンのテクノロジーを『MX FORGED PRO アイアン』は、惜しみなく融合させています。最先端のアイアンの飛距離性能は、軟鉄鍛造では実現できないというセオリーが間違っていることを試打ラウンドで徹底して教えられました。
まず、小さめのヘッドが好きなゴルファーのドンピシャに作られています。これより1ミリでも小さいと小さすぎるし、逆に1ミリ大きければ大きいと感じると思います。構えやすさも抜群です。自然に合わせて、アドレスの不安感を減らしてくれます。結果として、狙い通りの弾道で、狙った距離にキャリーして、狙い通りに止まってくれるのです。『MX FORGED PRO』は、ハイレベルにスコアアップという宿命を背負っているアイアンです。
前面に打ち出された打感と打音ですが、これも言うことなしで最高に気分良く打てました。澄んだ水のように、濁りがない透明感がある音と手応えに酔いしれるショットは最高です。
プロモデルとして完成度が高いアイアンを使いたいゴルファーに『MX FORGED PRO』をオススメします。打感と打音も機能になることを実感できます。テクニックを活かして、スコアにつなげたいゴルファーが『MX FORGED PRO』を使えば、鬼に金棒となることは間違いありません。
ヘッドスピード40m/sでも、芯をとらえる技術と、ボールをコントロールする技術があれば、難なく『MX FORGED PRO』を使いことが可能です。試打ラウンド中に、何度も、このアイアンを使い熟している自分の未来を想像してしまったほどです。僕には少しだけシャフトが重くてハードでした。それがなければ、本当に購入すると決断したと思います。
『MX FORGED PRO』を打って、軟鉄鍛造のアイアンは、やはり良いものだなぁ、としみじみ感じました。そして、さり気なく最新のテクノロジーで作ると、こういう出来になるのだと感心しました。軟鉄鍛造のアイアンのファンではなく、打感とか打音にこだわりがなくとも、自らの腕前に自信があるなら『MX FORGED PRO アイアン』は打ってみるべきアイアンです。
【試打ギアスペック】
『MX FORGED PRO アイアン』
ヘッド素材 マイルドスチール(S25CM)
ロフト #5/25度、#6/28度、#7/32度、#8/36度、#9/41度、PW/46度
シャフト Dynamic Gold HT (S200)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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