今季のPGAツアーの“ドライバー”を振り返り マキロイがカーボンフェースで最長記録も、最多勝はどのブランド?
今季を終えたPGAツアーの“ドライバー”レポートを振り返り。
配信日時:2023年9月1日 02時13分
PGAツアーの2022-23シーズンは、PING契約のビクトル・ホブランの年間王者で幕を閉じた。トータルドライビングが今季5位と、曲げずに飛ばすティショットも印象的なホブランは『G425 LST』ドライバーで今季4勝。PINGのドライバーは『G425 LST』が7勝、『G430 LST』が6勝の計13勝。タイトリストの13勝と並んで最多勝を分け合った。
飛距離を見ると、ドライビングディスタンス1位がテーラーメイド契約のローリー・マキロイだ。20-21のブライソン・デシャンボーによる歴代最長の323.7ydを越え、平均326.3ydをカーボンフェースで記録したマキロイ。序盤は『ステルスプラス』で、途中から『ステルス2プラス』を44㌅に短くしても距離が落ちず、テーラーメイドの1Wは今季7勝だった。
ただ、今年復活優勝したリッキー・ファウラーに使用ドライバーについて細かく聞くと、飛距離に関しては行き着いた感があり、もっと大事なことがあるとか。
「正直なところ、いま出ているどのドライバーも飛距離に関してはもう限界値まで来てしまったと思っています。飛距離よりも、よりタイトにターゲットを狙えるか、ミスの幅が少ないかという面の強みが大きいですね。ヘッドスピードの数値を見ても、ここしばらくはほとんど極限値に達して大きな変化はないですけども(今使っている『エアロジェット LS』は)ショットの安定感、ミスした際の許容値が大きいことがありがたい」(ファウラー)
たしかに、マキロイは過去最長をマークしたものの、ツアー全体では昨季の299.8ydから今季299.9ydと不変。そして、ツアー全体のFWキープ率は5年前が62.33%なのに対し、今季58.57%で年々ダウン基調になっており、正確なティショットのスコッティ・シェフラーやホブランが優位を作る状況と関連して見える。
なお、モデル別の最多勝は、ジョン・ラームが4勝と牽引した、キャロウェイ『パラダイム◆◆◆』の7勝に、PING『G425 LST』の7勝が並んだ。次点の6勝は、タイトリスト『TSi3』とPING『G430 LST』とテーラーメイド『ステルス2プラス』が並ぶ。ドライバーシャフトの勝数はフジクラが20勝で1位だが、三菱&アルディラのグループも計17勝と、意外に僅差で今季を終えた。