衝撃作! 『AXEL GF』に搭載された国産メーカー初“カーボンフェース”の実力とは?
つるやゴルフは軽量プレミアムモデルの最新作として『AXEL GF』を発表。驚きだったのは、ドライバーに“カーボンフェース”が採用されていたことだ。開発期間5年、50以上の試作を繰り返して完成されたという“国産メーカー初”のカーボンフェースはどんなものに仕上がっているのだろう。
配信日時:2023年3月17日 09時30分
高い反発性能を持った独自のカーボンフェースを搭載
つるやゴルフは軽量プレミアムモデルの最新作として『AXEL GF』を3月9日に発売した。注目は何といっても“カーボンフェース”が採用されたドライバーだ。
『AXEL』シリーズは、30年以上に渡ってゴルファーの支持を集めてきた、つるやゴルフの人気ブランドだ。HS40m/s前後のゴルファーを“史上最高の飛距離に導く”ことをコンセプトに製品開発を続けており、歴代モデルはいずれも高い評価を受けている。そんな中で、“カーボンフェース”を搭載した最新『AXEL GF』シリーズとはどんな製品に仕上がっているのか、クラブコーディネーターの鹿又芳典氏にテストしてもらった。
「これまで歴代の『AXEL』シリーズのクラブを打ってきましたが、どれも曲がりが少なく、安定して飛距離が出るクラブでした。たとえば“ノンフレームカーボンボディ”というチタンのフレームがない構造を取ることで、慣性モーメントを高めて、オフセンターヒットへの強さを出しています。実際、打ってみるとフェースがネジれず、ヘッドが真っすぐ動いてくれるんです。この画期的な構造が2005年から採用されているのはすごいことですよ」
そんな曲がらないヘッド構造に、“カーボンフェース”が採用されたことには、鹿又氏も驚きを隠せない。
「金属に比べて比重の軽いカーボンは、クラブの性能を高めるためにさまざまな形で使用されています。そんな中で『AXEL GF』のカーボンフェースは、中心部が非常に薄く、偏肉構造となっていることが特徴です。簡単に言うと、打点がどこにズレてもボール初速が出るように調整されているわけです。曲がらず、打ち出しが高くなるボディに、初速が出るフェースが組み合わさったわけですから、まさに飛んで曲がらない夢のクラブが完成したと言ってよいでしょう」
芯を外しても飛距離が全く落ちない衝撃のやさしさ
ここからは、鹿又氏に『AXEL GF』シリーズのクラブを試打してもらい、詳細なインプレッションを聞いていこう。最初にテストしたのはカーボンフェースを搭載したドライバーだ。
「すごく構えやすいヘッド形状です。ターゲットに対して真っすぐ構えやすく、全体のシルエットもやさしく、当てやすそうな印象がありますね。カーボンフェースの落ち着いた色味も構えやすさにつながっています」
素材の質感を生かし、マットに仕上げられた『AXEL GF』のカーボンフェースは、見た目にも大きく影響しているようだ。そして、気になる飛距離性能についても驚きの数値が飛び出した。
「このクラブ、本当に飛んで曲がらないですよ。この打ち出し角とスピン量の比率が出せるクラブは正直、他にありません。気持ちよく打てますし、すごく球持ちが良いので、ボールを前に出す感じもすごくあります。フェースで飛ばすフィーリングがすごくありますね。しかも、芯を外しても曲がらないし、飛距離の落ちも小さいです。どこに当たっても大丈夫と思えるから、安心して振っていけます」
鹿又氏が話すように、何度かテストでボールを打つ中で芯を外すこともあったが、曲がりが小さく抑えられ、飛距離もほとんど落ちていなかった。
「芯を外しても240ヤード以下にならないのは驚きですよ。フェースのどこに当たっても全然ボールがネジレないですし、初速も速い。そして、ミスした時でも打感などのフィーリングがすごくいいんですよ。下めに外してもすごくしっとりした打感ですし、打音も高くて気持ちのいい音でした。練習場では結果が出るけどコースではダメなクラブって結構ありますけど、『AXEL GF』は全く逆ですね。コースで一番結果が出せるクラブですよ」
チタンフェースのドライバーと性能比較
今回のテストでは、カーボンフェースの効果をより詳細に分析するため、とある実験を行った。それは、『AXEL GF』と同じ「ノンフレームカーボンボディ」のヘッドで、フェース部分だけチタンで作れた試作品のドライバーとの打ち比べを行ったのだ。結果は以下の通り。
「この実験は本当にやってみたかったことなので、すごく興味深かったですね。もしかしたらチタンフェースの方が、結果が出るかも…と考えたりもしましたが、打ち比べると違いは歴然です。ヘッド構造が同じなのでスイングするフィーリングは似ていますが、弾道が全然違いました。打ち出しは高くなりますし、前に伸びるので平均して7〜8ヤードは飛距離差が出ています」
特に顕著だったのは、ミスヒット時の飛距離差だ。
「チタンフェースは芯を外すと飛ばなくなりますね。下めに当たったら、打ち出しが低くなって、キャリーが落ちました。まあ、これが普通なんですけどね。ボディがいいからミート率はそこまで落ちていませんが、トータル飛距離は約10ヤード落ちました。カーボンフェースでは、同じくらい打点がズレても240ヤード以下にならなかったので、寛容性という意味でものすごい差がありますよ」
「改めて、カーボンフェースとチタンフェースだと構えた感じもフィーリングも全然違います。カーボンフェースはヘッドのシルエットがキレイに見えて、すごく構えやすいですし、
打感も落ち着いています。その上でちょっと締まった高めの打球音で、ボールがフェースに乗ってくれます。やっぱりすごいですよ、カーボンフェース」