古江彩佳の独特過ぎる打法‼ 短く持ったトゥアップアドレスに合わせた愛用ヘッド&中調子シャフトを公開
圧倒的な高いフェアウェイキープ率を武器に、「アムンディ・エビアン選手権」で初のメジャー優勝を果たした古江彩佳。ドライバーは独特な打法を支えるために、変わったスペックで仕上げられているという。そのエースドライバーの詳細をレポートしたい。
配信日時:2024年7月25日 01時00分
圧倒的な高いフェアウェイキープ率を武器に、「アムンディ・エビアン選手権」で初のメジャー優勝を果たした古江彩佳。ドライバーは独特な打法を支えるために、変わったスペックで仕上げられているという。そのエースドライバーの詳細をレポートしたい。
ドライバーは『ブリヂストン B3 MAX(9.5度)』ヘッドに、『スピーダーNXグリーン 50S』シャフトを組み合わせている。本人はどこを気に入っているのだろうか。
「前作だとちょっと弾道が高くなっていました。ややアッパーに当ててヘッドスピードも上がったことで打ち出しが高くなっていたのです。スピンも増えていたので球が上がり過ぎてアゲインストだと風に影響されていました。それを解消してくれたのが『B3 MAX』。試打してすぐに使いました。ランが多くなって飛距離も出ましたし、ミスヒットに強いので、直進性が高いのも気に入っています」(古江)
古江のクラブを担当するブリヂストンスポーツのツアーレップに確認すると、『B3 MAX』に変更したことで、3000回転を超えていたスピン量が2500回転まで収まり、ランが出て直進性が高まったという。元々重心角が大きくつかまりがいいうえに、ウェイトをやや前に設定しているので、低スピンのライナー弾道で打てるのだ。
また、古江の独特なスイングに合わせて、ドライバースペックをほかのゴルファーでは見られない設定に合わせているというから面白い。
「古江プロは、ハンドダウンで構えて打つ癖がありますが、トゥ側が上がった『顔』が見慣れているのでしょう。だから、小柄な身長に対して、ライ角が60度と多めで設定しています。その方が球がつかまってドローが打ちやすいようです。フラットなライ角だとフェースが開いてつかまりにくいのだと思います」(ツアーレップ)
また、彼女は極端に短く持つので、余計にハンドダウンに構えやすい。身長の割には45.25インチと長めなのは、そのためでもあるという。長いクラブを短く持って構えるのが古江流なのだ。
「私はドライバーでもハンドファーストに構えて昔から打っています。だから、フェースが開いている顔は球が滑るイメージがあるので、オープンフェースのヘッドは苦手ですね」と古江は語る。ハンドファーストだとフェースは開きやすい特性がある。通常ツアープロは1~2度のオープンフェースを使用しているが、彼女はスクエアフェースを使用している。
長くフジクラのシャフトを愛用する古江だが、なぜ『スピーダーNXグリーン 50S』シャフトを使用しているのかを、フジクラ広報部に聞いてみた。
「『スピーダーNXグリーン』はしっかり感もありながらもヘッドがある程度走りやすい。中調子だけど先端剛性が高いため、引っかけが出にくいのも特徴です。古江プロは、米国に行ってヘッドスピードが上がったそうです。より振れるようになった今のスイングに新シャフトは合うのでしょう。球が上がり過ぎずスピン量も抑えられたのだと思います」。古江自身も「スイングで球をつかまえるので、シャフトはつかまり過ぎないモデルがいいですね」と評価している。
古江は米国女子ツアーで、フェアウェイキープ率83.4%の3位につけている。ドライバーでは確実にフェアウェイに置いて、セカンドでピンを確実に狙うのが彼女のスコアメイクの生命線ともいえる。古江のスイングに合わせたドライバーこそ、彼女のスコアを支えてくれる力強い相棒だといえるだろう。
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●アプローチはスコアメイクの肝と言える。ウェッジ選びに困る人は、関連記事【フェースを開いて激スピンで止める? ザックリを防いでミスなく寄せる? 最新ウェッジ30機種を完全解剖】を読めば、アナタのベストウェッジが分かる。