河本結や尾関彩美悠ら女子プロたちは鉛でヘッドの特性を調整していた!
鉛を貼るのは過去の話ではなく、現代の女子プロもクラブ調整に活用している。ショットの名手ほど、クラブに対する細か過ぎるこだわりを持っていた。
配信日時:2024年12月12日 02時00分
鉛を貼るのは過去の話ではなく、現代の女子プロもクラブ調整に活用している。ショットの名手ほど、クラブに対する細か過ぎるこだわりを持っていた。
河本結は、5・6番に『APEX PRO 2021』を、7番~PWに『APEX TCB 2021』を採用している。5・6番のバックフェース下部にヨコ長に鉛を貼っている。左右のミスヒットにも強くなる効果がある。また、芯付近に当たりやすい7番~PWまではバックフェースの中央に鉛を貼る工夫を施している。クラブフィッターの吉川仁氏に、鉛をそこに貼る意味について聞いた。
「フェードを持ち球にする選手で、上から打ち込み過ぎるのをクラブ調整で抑えています。アイアンは鉛で重心を下げることでレベルブローに打ちやすくなっています」
一方、ショットメーカーの尾関彩美悠は3U~6Uの『スリクソン ZX Mkll』のヒールに鉛を貼っている。
「重心距離を短くするなど、つかまりを調整しているのでしょう。鉛で弾道を微調整するのはおすすめの手法です。当然トゥ側に貼るとつかまり過ぎを抑える効果があります」
鉛の活用ではないが、『スリクソン Z H65』と『スリクソン ZX』という6Uを2本入れて飛距離差を作っている青木瀬令奈の面白いセッティング例も紹介したい。
「彼女のセッティングで面白いのは6Uを2本使うこと。ロフト28度の『スリクソンZX』を30度に寝かしていますが、同じ6Uでも特性の違いで飛び系や狙い系で分けて飛距離差を出すのは有効な手です」
クラブの工夫はヘッド選びだけではない。重さのある鉛を貼ることでヘッドの特性を微調整し、振り感を変えるのは昔からある方法だといえる。「河本プロは、番手毎に貼り方を変えていますが、重心の高さや重心距離を調整したクラブは自分の手と一体化する感覚で、弾道をコントロールできるはず。自分で振ってみて、違和感がある場合は、いろいろな箇所に貼って心地いい振り感に調整するのもオススメです」。
特定の番手で、つかまり過ぎやつかまらないなどのミスに悩む人は、まずはトゥやヒールに鉛を貼ることから始めてはどうだろうか?
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