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    鹿又芳典の今年ベスト候補。「2023年作のド真ん中はパラダイムのこの2つ」

    今年の新作を総チェックする鹿又芳典に「ベストドライバー候補は?」と尋ねると、キャロウェイ『パラダイム』と話す。そこで、改めてHS41m/sのフェードヒッターに新作をテスト検証して貰うと、納得の結果が!

    配信日時:2023年2月22日 00時20分

    • ギア
    • 今年のPGAツアー7戦中、なんと『パラダイム』シリーズドライバーが5勝!(GettyImages)
    • ボディ部分がぐるっと360°カーボンになると、何がいい?
    • 特に『パラダイム X』で、左右ブレが減り、弾道安定性が高いとか
    • つかまりを調整したいなら『パラダイム』(左)、ストレートドローで安定させたいなら『パラダイム X』(右)
    • 『サブゼロ』も『LS』もなくなったが『◆◆◆』は最初から選べる形に!
    この記事の写真 9 枚を見る

    AIフェースを本当に活かせて【飛んで曲がらない】

    今年のPGAツアー7戦中、なんと『パラダイム』シリーズドライバーが5勝!(GettyImages)

    今年のPGAツアー7戦中、なんと『パラダイム』シリーズドライバーが5勝!(GettyImages)

    契約外の使用も含めて、今年のPGAツアーでなんと7戦5勝。世界最高峰のツアーで今年7割超もの勝率を誇るキャロウェイの新作『パラダイム』シリーズ。なぜ、鹿又は「今年のベストドライバー候補」とまで言うのだろうか?
     
    「キャロウェイはずっとAIフェースやジェイルブレイク構造を採用してきたけど、高初速フェースを最大限に活かせる構造を【ついに360°カーボンシャーシで手に入れた】形ですよね。『初速は出るけどチーピンする』『芯なら飛ぶけど外すと飛ばない』といった過去作の弱点を一気に解消して【飛んで曲がらない】を実現した印象が強いです。
     
    しかも、全4機種ともソフトで強く押せる打感なのに、ボール初速が速く出るし、全機種が低スピン。ボクの経験でも打点がブレたのに全機種【ミート率1.5以下が出ないのは初めて】で、トラックマン数値で1.52とかバンバン出るんですよ。今年の新作の中でもぶっちぎりの出来と言うしかないでしょう」(鹿又)
     
    360°カーボンシャーシでMOIアップ!

    ボディ部分がぐるっと360°カーボンになると、何がいい?

    ボディ部分がぐるっと360°カーボンになると、何がいい?

    業界初で特許申請中という【360°カーボンシャーシ】をおさらいすると、ボディもソールもぐるっと一周カーボンになったが、クラウンにはこれまでと同じ【トライアクシャル・カーボン】を配置。そして、複雑な形状を肉厚変化して成形しなくてはならないボディ下部には、同社しか使えない【フォージド・カーボン】を採用した。
     
    これまでチタンだったソール部も大幅に軽くでき、44%の軽量化で一気にMOIアップし、ミスヒットの許容性を引き上げた。そして、このフルモデルチェンジと言える大幅な進化を機に、同社は本来なら『EPIC』の年である2023年モデルを“パラダイム・シフト”になぞらえ、『パラダイム』と名付けている。

    特に『パラダイム X』で、左右ブレが減り、弾道安定性が高いとか

    特に『パラダイム X』で、左右ブレが減り、弾道安定性が高いとか

    加えて、ヘッド内部のジェイルブレイクを1本にして前作より25%軽量化。AI設計フェースも今作から初速の落ち込みを防ぐだけでなく、飛びの3要素に加えて着弾地点の範囲を小さくする新しいアルゴリズムでAIが設計開発し、同社のテストでは打点がズレても前作比較で15%着弾地点が狭まる結果が出たとか。
     
    これらが鹿又の実感した『パラダイム』の進化の中身で、「今回のヘッドがボール初速を出せるフェースを、今までで一番活かせる構造になった」という本音の背景には、実にさまざまな新テクノロジーの恩恵が隠されていた。
     
    6割の人に合う、ド真ん中は『パラダイム X』

    ただし、そのモデル名のせいで「ド真ん中のモデルを間違えやすい」と、注意を促す鹿又
     
    「HS39~44m/sくらいの人にド真ん中は『パラダイム』と『パラダイム X』の2つですが、調整可能な『パラダイム』より『パラダイム X』の方が今のゴルファーが求めるド真ん中と言えます。高MOIかつややドローバイアスで、普通に打てば高いストレートドローで何球も同じ球を揃えられ、実はこちらが本当のド真ん中。迷わず『X』から試打すべきです!
     
    ラクにつかまるだけでなく、ミスヒット許容性も一番感じるのだとか。
     
    <<39m/s~43m/sの人に幅広く合う>>
    パラダイム X
    「名前は『X』が付いちゃってるけれど、本当にコレをスタンダードと呼びたいくらい(笑)つかまり具合が絶妙のド真ん中な性能で、ゴルファー全体でも約6割の人が『パラダイム X』にハマるはず。ミスしても曲がらないし、フェードが持ち球のボクが中・高弾道ストレートドローになります」

    つかまりを調整したいなら『パラダイム』(左)、ストレートドローで安定させたいなら『パラダイム X』(右)

    つかまりを調整したいなら『パラダイム』(左)、ストレートドローで安定させたいなら『パラダイム X』(右)

    鹿又が「2代前まであった『サブゼロ』的な低スピン」と言う『パラダイム』は、スピンが少なめの人には手強い面もあるとか。
     
    <<42m/s~45m/sでつかまり調整可>>
    パラダイム
    「ヘッドの後方外周を動かせるペリメータウェイトが付いた『パラダイム』は、左右につかまりを調整できますが、今回は『スタンダード』モデルとは思えないほど低スピン。アスリート向けの『パラダイム ◆◆◆』も用意される中、『パラダイム』でも十分低スピンというか、『サブゼロ』的な一発の飛びに優れたモデルなので、スピン量が少ない人はロフト多めを選ぶといいかも」
     
    『◆◆◆』『MAX FAST』は必要に応じて

    『サブゼロ』も『LS』もなくなったが『◆◆◆』は最初から選べる形に!

    『サブゼロ』も『LS』もなくなったが『◆◆◆』は最初から選べる形に!

    鹿又の言う図式「パラダイムでも十分低スピン」ならば、現在PGAツアーで勝ちまくりの『パラダイム ◆◆◆』(CALLAWAY SELECTED STORE限定製品)はどんな人が選ぶべきなのだろうか?
     
    <<45m/s以上で超低スピン。操作性◎>>
    パラダイム ◆◆◆
    「とにかく低スピンで小ぶりで操作性に優れていて、ハードヒッターや上級者など選ばれし人向きです(笑)純正シャフトの設定が他のモデルよりも遥かにしっかりなので、基本的にHSが速くスピン量の多い人向けですね。ちょっとボクのHS(41m/s前後)では球が浮いてくれない。ジョン・ラーム選手やザンダー・シャウフェレ選手など、パワフルなPGAツアーの猛者たちでもスピン量が減ったようですし」

    軽量モデル『MAX FAST』は、速く振りたい人に◎で、シリーズで下までラインナップされている

    軽量モデル『MAX FAST』は、速く振りたい人に◎で、シリーズで下までラインナップされている

    最後に打ったのは、「パラダイム Xでもう少し速く振りたい人向け」というのが、『パラダイム MAX FAST』だ。
     
    <<39m/s以下で、とにかく速く振れる>>
    パラダイム MAX FAST
    「純正シャフトのSで総重量280gと軽くてしなるシャフトが仕事をしてくれて、パワーのない人でも速く振れるけど、軟派な感じはしない。実は顔もよくて実戦的なドライバーという印象で、競技志向の人も幅広く使えると思う。今回のシリーズは前作までと違って、『MAX FAST』でもスピン過多になりづらく、初速が出てすごく距離が出しやすい」
     
    HS41m/sの鹿又が全機種250y超!

    試打スペックは、基本ロフト9°で純正シャフトS。ナイスショット3球を平均したデータだが、鹿又は全機種で高初速・低スピンで250y超を記録

    試打スペックは、基本ロフト9°で純正シャフトS。ナイスショット3球を平均したデータだが、鹿又は全機種で高初速・低スピンで250y超を記録

    さて、ここまで『パラダイム』シリーズドライバー4機種が誰に合うのか?を探ってきたが、トラックマン計測のデータをおさらいしつつ、性能を整理してもらおう。
     
    「とにかく、ミスヒットしても初速が出て、全機種が低スピン。コースでエネルギーロスせずに飛ばせるということに尽きますね。けっこうヒールやトウに打点を外したのに、トラックマンのミート率1.5を切れない。(笑)こんなこと経験が無いし、どのモデルでも初速が出ることの証明ですよね。その上、低スピンで前に飛ばせるし、合うモデルを見つかれば、必ず武器になると思います。HS41m/s前後で、どの機種も平均250ヤード以上打てるシリーズは、中々お目にかかれないと思いますよ」
     
    ドライバー以外のFW、UT、アイアンについては続報でお届けする。
     
    ●撮影・山代厚男、GettyImages
    ●取材協力・千葉カントリークラブ川間コース

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