『CHROME TOUR X』はパワー不足でも飛んで止まる! 『CHROME TOUR』との差は?
貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2024年3月13日 09時09分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか?元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
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【注目ポイント】
キャロウェイは、『CHROME TOUR X』を2024年3月1日に発売しました。『CHROME TOUR』、『CHROME TOUR X』、『CHROME SOFT』の三種類の同時発売です。
『CHROME TOUR』は、新しいブランド名ですが、『CHROME SOFT X ボール』の後継機種として開発されたそうです。キャロウェイのツアーボールは『CHROME SOFT』だったのですが、イマイチ、わかりづらいと言われてきました。『CHROME TOUR』という名称になったことで、ツアーボールであることが明確になると推測されます。
『CHROME TOUR X』のコピーは“飛び、スピン、フィーリング―― より万能性を高めて、新たな名称に”です。姉妹ボールの『CHROME TOUR』は、名前が短いのに『LS』系の低スピンを前面に打ち出しています。『X』がついているのに、ベースになるツアーボールは『CHROME TOUR X』のようだとわかるコピーになっています。この部分は、逆に考えやすいので注意が必要です。
テクノロジーとしては、生産管理体制を一新して、カバーの均一性を向上し、エラーボールが市場に出ないようにして精度を上げたことから始まって、配合を新しくした「ハイパー・ファストソフト・コア」に注目です。ボールのコアは、飛距離性能にも、スピン性能にも大きく影響します。特に反発力の向上による初速アップに貢献しているそうです。次に変わったのが、「シームレス・ツアー・エアロ」と「ヘックス・エアロネックワーク・パターン」というディンプルです。キャロウェイといえば、6角形のディンプルですが、ディンプルの深さを一つ一つ変更して、更に、円形のディンプルが混じっているのです。落ち際に風の影響を受けにくくなり、キャリーがひと伸びするようになるそうです。
『CHROME TOUR X ボール』は、万能球として高いレベルなのか?ツアーボールとして使用できるのか?わくわくしながら試打ラウンドに突入しました。試打した日は、快晴で、気温は-8℃~6℃。微風。グリーンは9.5フィートの速さでした。
【打感・打ち応え】
『CHROME TOUR X』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさで、音質は硬質な音と濡れた鞭系の音ミックス音です。ショートゲームになるほど硬質感が出てくるところはお見事です。打ち応えは、やわらかい中にカチッとした感触があります。手応えはやや敏感です。
【弾道・球筋・スピン】
『CHROME TOUR X』の弾道は高弾道です。全体として伸びがある美しい弾道になります。曲げるのには敏感に反応しますが、基本はストレートに飛ぼうとします。スピン性能は、ツアーボールとしては強い目です。
【飛距離性能】
『CHROME TOUR X』は、トップレベルに飛びます。キャリーで攻めるのが得意なボールです。余計に転がらない所が特徴。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『CHROME TOUR X』は、ツアーボールとしての総合力が高いという印象でした。つまり、コピーの万能性が高いという文字通りでした。
『CHROME TOUR X』は、飛距離が出るボールですが、それが突出しているわけではなく、点で攻めていきたいゴルファー用に、見事にチューニングされています。感心したのは、ハードヒッターだけではなく、ヘッドスピード40m/sでも我慢することなく使用できるところです。
機能とは直接関係はないですが、ポケットの中の『CHROME TOUR X』に手が触れたときに、強いぬめり感があります。これはツアーボールの特徴でもあるので、違和感がなく、好印象でした。
前モデルよりも明らかにツアーボールとして、進化しているのを感じました。個人的に好きだと感じたのは、パットのときの硬質感が小気味良く、タッチが合いやすいところです。もう一つ、ボールにアドレスしたときにボールに集中しやすくなったとも感じました。これはディンプルが新しくなった効果だと思われます。
僕は赤いボールナンバーのボールが好きなこともあって『CHROME TOUR X』は、本当に使いたくなるボールでした。ツアーボールとして万能という感じを味わいたいゴルファーに『CHROME TOUR X』をオススメします。
ちょっと気になったのは、姉妹ボールの『CHROME TOUR ボール』とあまり差がないことです。普通の人は、目隠しテストしたら、どちらかわからないと思います。わかりやすい点は、『CHROME TOUR X ボール』はキャリーで攻めやすいのと、ショートゲームの硬質感の感触が良いぐらいだと思います。ただこれはマイナスではなく、どちらでも好きなほうを使える、ということなのです。ツアーボールは究極まで進化すると、姉妹ボールが似てしまうのが宿命です。この注意点は、完成度が高いという証明でもあります。
個人的に強く思ったのは、ヘッドスピードが遅くとも、『CHROME TOUR X ボール』は、ツアーボールの良さをゴルファーに教えてくれるボールだということでした。
【試打クラブスペック】
『CHROME TOUR X』
構造 4ピース
コア ハイパー・ファストソフト・コア
ミッド デュアル・ハイスピードマントル
カバー ハイ・パフォーマンス・ツアーウレタンソフトカバー
ディンプル シームレス・ツアーエアロ
カラー ホワイト (他にトリプル・トラック、イエロー)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員
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