“楽しんで”攻める岩井姉妹の『EZONE GT』ドライバーは我々アマにこそ武器になる?
取材協力・YONEX FITTING STUDIO TOKYO 画像・上山敬太、GettyImages
配信日時:2024年6月22日 09時22分
今年も強い!観るものを魅了する姉妹のゴルフ
昨年に続き、今年も絶好調の岩井明愛・千怜の岩井ツインズ。シーズン前半の1/3を終えたばかりだが、2勝ずつして2人で早くも通算10勝に到達。どのツアー選手よりも“直ドラ”を多用するなど、常に笑顔で“ゴルフを楽しむ”プレースタイルは、ギャラリーや視聴者を魅了し続ける。
そんな2人に今年新たな“カラーリング”が加わったことは既にお気づきだろう。2人のラッキーカラーの明愛の“ターコイズブルー”、千怜の“マゼンタ”と、専用カラーリングが施されたヨネックスの最新モデル『EZONE GT TYPE-S』ドライバーも、ファンを楽しませてくれている。
全米女子オープンを経験し「ティショットの重要性に気づいた」と明愛が話し、今週の「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でも奮闘を見せているが、気になるのは「我々アマチュアにも『EZONE GT』の恩恵があるのかどうか?」。記者も試すべく、東京・新橋の「YONEX FITTING STUDIO TOKYO」を訪れることに。
飛ばし屋は『EZONE GT』のヤバさをとっくに知っている
是が非でも『EZONE GT』を打ちたい理由があった。記者の友人でゴルフショップ経営の“ガチ”ゴルファーと先日回った際、「ヨネックスのドラコン用ヘッドがヤバいから打ってみて!」と、友人のエースを打ってしまったから。超ディープで小ぶりな見た目に最初は気圧されたが、打つとやや逆光もあってボールを見失った。
当たりは芯付近の心地よい手応えだが、初速が速すぎて見失い、恐る恐るフェアウェイへ向かうと自分の距離の270~280yd付近に球が見当たらない……。「右の池に入ったか~」と思ったら、遥か先の300yd付近のフェアウェイで発見。したり顔の友人は「だから言ったでしょ!」。
この衝撃と岩井姉妹の活躍から「ヨネックスを試さずにられない!」となった。前置きが長くなったが、フィッティングで応対してくれた池田一耶プロもドラコンプロとして活躍し、その飛距離性能をよく知る1人で、改めてドラコン界の実状を話し出す。
曲げたくないドラコン選手に超人気!
「私を含めて、ヨネックス『EZONE GT』のドラコン用の7°のヘッドを使うのは、もう当たり前というか、半数までいかなくても、選手には常識です。ドラコン競技にも色々あって、幅広いフィールドで6発中最も飛ばす従来のモノから、私がメインで参加する幅30ydで3発打つのを4セット重ねて合計距離を競うものなど色々です。
3発ファールすると0ydで勝てなくなってしまうため、ファールせず飛ばせるヘッドをみな選手が選ぶ結果、『EZONE GT』の人気が出るのも自然なことかなと。ディープで締まって振りやすく、超低スピンでロスなく飛ばせる上に、フェースにタテ溝も入っているので、枠に入れられるのが何より大きいです」(池田プロ)
そう、記者の友人も「飛ぶのに曲がらない」点を最も気に入っており、業界1、2を争うインパクトの荒れ方を誇る記者でも、曲がらず飛ばせたのが最も驚いた点。ただ、今回の主題は「岩井姉妹」のドライバーをチェックすること。改めて最新の『EZONE GT TYPE-S』の試打を希望する。
千怜モデル『レクシスカイザL』は?
あいにくターコイズブルーとマゼンタの姉妹限定カラーは打てなかったが、ノーマルの『EZONE GT TYPE-S』(9°)で、岩井千怜と同じ『レクシスカイザL』(5S)で試打を開始。すると、意外にもシャキッと締まったフィールにビックリ。2球目にかなりトウに外したにも関わらず、トータル288.6ydのライナードローがトラックマンに表示されて驚く。
「ヨネックスでは、シャフトの手元部分に注目したフィッティングを特徴としていて、お客様にはまず手元の硬さのフィールが合うか?を感じていただきます。千怜プロの『L』は手元が硬く先端に動きのある先調子で、ヘッドの開閉や動きを感じたいゴルファーの方に人気のシャフトですね」(池田プロ)
記者のエースはグラファイトデザイン『TOUR AD UB-6S』という中調子のため、同じ『TYPE-S』の9°で今度は明愛と同じ『レクシスカイザM』(5S)に入れ替えて打つと、タイミングが取りやすくて驚く。池田プロも「先調子のLよりも中調子で先端が硬めのMの方が叩けるというか、操作性が良いと感じる方が多いです」。
明愛の『M』に『TYPE-D』がベスト!
が、日頃の不摂生か『TYPE-S』ではつかまえ切れないことが多いため、池田プロは「寛容性が高くややつかまる『TYPE-D』の9°も試してみてはいかがですか?」と薦めてくれる。内心「姉妹と同じがいい…」と思いつつも『TYPE-D』を打つと、コレがビンゴで、明らかにインパクトが間に合ってハイドローに。
「お客様にも姉妹と同じ『TYPE-S』が良い!という方はかなり多いですが、『TYPE-D』もすごく似た見た目をしていて、バックウェイト位置が微妙に異なる程度です。『TYPE-D』も直進性が高く高MOIなので自分で球筋操作したいというより、クラブに任せて安定させたい方に『TYPE-D』は相性が良いですね」(池田プロ)
まさに仰る通り。加えて記者は岩井明愛の好みを同社ツアー担当から「3度フックに設定してドローを打つ」と聞いていたため、その通りやや被せて打つと、右抜けせず打ち出した方向からドローで戻る素直な球が打ちやすかった。使い方・打ち方もやはり姉妹の言う通り。逆球が出ない1Wだから、あれだけ大胆にコースを攻められるのか…と、妙に納得した。
フィッティングの中身も興味深い!
また、池田プロは「ヨネックスのフィッティングには特徴があって、パンチャータイプかスインガータイプかを、お客様の構えの重心のかけ方から判断し、最適シャフトを推奨できます」と言う。カカト側に重心のかかるパンチャーが意外に女子プロには多いと言い、そんなこぼれ話もアマチュア心をくすぐる。
「ヨネックスはカーボン成形技術を生かした自社製シャフトを多種揃えていまして、『レクシスカイザ』シリーズも、1Wだけでなくアイアンから揃えたいという要望も多いです。その際は、『レクシスカイザHP』を中心に、アイアンからドライバーまで振り感を揃えて結果を出せる方も多いので、ぜひ、一度フィッティングを体感いただきたいですね」(池田プロ)
そう、同社はカーボンシャフトメーカーでもあり、ゴルファーの悩みに総合的に応えられるのも強み。唯一の難点は取扱店が少ないことだが、フィッティングで結果の出る人はかなり多そうに感じる。ちなみに『TYPE-S』と『TYPE-D』のアマ人気は半々で、ターコイズブルーとマゼンタの専用カラーは「ややマゼンタが人気」だとか。ドラコン用か『TYPE-D』か、記者の悩みは深い……。(編集部M・K)
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