ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
キャロウェイの『ELYTE MAX FAST ドライバー』は、2025年2月7日発売。『ELYTE MAX FAST ドライバー』は、『ELYTE ドライバー』、『ELYTE Xドライバー』、『ELYTE ◆◆◆(トリプルダイヤモンド) ドライバー』というラインアップの1本で、フェアウェイウッドのシリーズも、ハイブリッドのシリーズも、アイアンシリーズも揃ったフルラインアップの同時発売です。
『ELYTE MAX FAST ドライバー』のコピーは“アジア人のスイングデータのみをAI設計に活用 軽量ヘッドでありながら、アジャスタブルホーゼルも初装備”です。新しいAI設計のこと、軽量であること、ホーゼルも一新されたこと。簡素であっりながら『MAX FAST ドライバー』の特徴を漏らさずに紹介しているコピーです。
何と言っても、『ELYTE』という新しいブランドは革新性に注目です。
「Ai10Xフェース」は、AIの設計の微細な部分まで製品に反映できるようになり、弾道補正の調整ポイントを前モデルの10倍にが増やしました。チタン製パーツを作ることが可能な3Dプリンターの採用によって90倍の早さでプロトタイプを製作できるようになり、約75回の試作を繰り返して、安心感ある見た目や空気抵抗の削減にまで注意を払ったヘッド形状を実現したそうです。さらに、航空宇宙分野で使用されている「サーモフォージドカーボン」を採用して、より薄くて軽く、強度も高くなり、重心配分の最適化だけでなく、心地良い打球音までも実現するようです。
『ELYTE MAX FAST ドライバー』独自のテクノロジーは、アジア人のスイングデータのみをAIにインプットして、主に日本のゴルファーにフィットし、軽量化したモデルになりました。アジャスタブルホーゼルを初めて採用したことも興味が湧きます。
『ELYTE X ドライバー』と同じように、ヘッド後端のヒール側と中央に2カ所のウェイトポートを設置。ドロー、ニュートラルというポジションとなっており、約13gのウェイトの装着場所を変更することでボールのつかまり度合いを調整することが可能になっています。
至れり尽くせりという感じの『ELYTE MAX FAST ドライバー』に期待は高まります。試打した日は、快晴で、気温は-6℃~6℃。微風でした。打ち慣れていてクラブの影響だけに集中出来るので『TOUR B X』を使用しました。
【打感・打ち応え】
『ELYTE MAX FAST ドライバー』の打音ですが、音量はやや大きめです。音質は濡れた鞭系と硬質系のミックスで気持ちが上がる良い音です。打ち応えは、軽めです。手応えはやや鈍感ですが、芯の広さがわかります。
【弾道・球筋・スピン性能】
『ELYTE MAX FAST ドライバー』の弾道は、高弾道で、伸びがあるボールが出ます。球筋は、普通に打つと軽いドローに飛び、フェードも打つことが出来ます。オートマチックにドローを打ちたい人にドンピシャです。
【距離性能】
『ELYTE MAX FAST ドライバー』の試打ラウンドの平均飛距離は235ヤードでした。最高飛距離のホールは245ヤード。トップレベルに飛びます。ミスヒットしても飛距離が落ちない機能は、ハッキリとわかります。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『ELYTE MAX FAST ドライバー』は、自然と整うドライバーでした。4種類の『ELYTE シリーズ ドライバー』の中では、『ELYTE MAX FAST ドライバー』が最も飛ぶと感じました。その最大の理由は、40m/sに合わせてあるからだと感じました。また、アジアのゴルファーのデータで作られた新しいAiフェースとヘッドが機能しているのだとも推測しました。
つかまったドローボールが飛ぶのは教科書通りのセオリーですが、『ELYTE MAX FAST ドライバー』を打った感触とかは、教科書通りではないのです。どこに当たっても飛ぶし、曲がらないというコピーはよく耳にしますが、それが実際になると、こうなるのか? と戸惑いました。
真芯に当たって、狙い通りに行って、最高飛距離、という感じではなく、ちょっとミスったけど、ハイドローでやや左に行きすぎたと感じたのに、狙いより10ヤード左に曲がっただけのハイドローで、セカンド地点で確認してみたら、そのラウンドの最長飛距離だったのです。
途中でフェードを打ったり、色々と試したりせずに、オートマチックにハイドローだけを打ち続けていたら、平均飛距離はもっと伸びたはずですし、最高飛距離との差はほとんどなかったと感じました。凄いことですけど、同時に微かな恐怖を感じました。
こんなにやさしくて良いのか? と何度も思いました。『ELYTE MAX FAST ドライバー』で、ゴルフが変わるゴルファーが続出する未来を想像しました。弾道調整のウェイトは、ニュートラルポジションで試打をしましたが、もっととらえて打ちたいゴルファーはドローポジションにすれば良いと思います。
『ELYTE MAX FAST ドライバー』は、新しいブランドの『ELYTE』の特注で作ったドライバーのようです。パワー不足で、ミート率にも自信がなくて、スライスで損をしていて、というようなたくさんいるゴルファーのために作ったら、というドライバーに仕上がっています。飛距離性能とミスヒットの許容性能は、過去に経験したことがないレベルです。
『ELYTE MAX FAST ドライバー』は、自分を新しいステージに引き上げてくれるドライバーです。コースで試打することを強くオススメします。数発で実感できます。
【試打ギアスペック】
『ELYTE MAX FAST ドライバー』
ヘッド素材 チタン + カーボン(クラウン)
フェース素材 Ai10X フェース
ロフト 10.5度 (9.0度、12度もあり)
体積 460cc
長さ 45.75インチ
ライ角 59.5度
シャフト LIN-Q GREEN 40 for Callaway(S)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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