優秀なクラブフィッターや店員は「アナタにはこれが合います」とは言わない!【奥深いシャフト選びの世界】
「自分はこういうタイプだから、こういうシャフトが合う」。クラブ好きには、思い込みが激しい人も多いようだが、それがシャフト選びの失敗になることも。
配信日時:2024年3月28日 09時30分
シャフトには、硬いか軟らかいか、重いか軽いか、全体しなりか部分しなりか、先調子か手元調子かなど、選ぶためのポイントがいくつもあり、その中から自分に合ったものを選ぶ必要があります。ただ、その要素が多すぎて、どのように選んでいいか分からないという人も多いのではないでしょうか。
しかし、その答えは意外と簡単です。なぜなら、「自分の感覚で選ぶ」というのが最も重要になってくるからです。私のスタジオにいらっしゃるゴルファーにも、最初に、「自分の感覚が絶対に正しいので、それを信じてください」とお伝えしています。
もし、フィッター任せにしたり、数値のみを重視して選んでしまうと、本人の振り心地という大事な要素が欠落してしまうので、「結果はいいんだけど、何となくしっくりこない」ということになってしまいます。
しかもそういうクラブの場合、自分では予想していなかった大きなミスが一度出てしまうと、“振り心地が悪い”うえに“安心できない”となって、使っているゴルファーは迷子になってしまいます。ツアープロでもそういう状況に陥ることがあって、そうなると頭の中はパニック状態。その瞬間にゲームオーバーとなってしまうのです。
そいうことにならないように、アマチュアゴルファーにも、“感覚”を大事にしましょうとお伝えしているのです。
具体的な方法としては、できるだけたくさんのモデルを打つことをオススメしています。
シャフトのことにあまり詳しくなかったり、自分がススメたいモデルがある店員さんだと、「アナタにはこれが合いますよ」と言ってくる場合がありますが、あまり信用しないことです。きちんとしたフィッターやお客様本位の店員は、「これが合う」というようなワードを使うことはほとんどありません。本人にはまっさらな状態で打ってもらい、「気持ち良く振れているな」と感じたら、「これも打ってみますか?」という形で、それと同じようなモデルを出すはずです。
しかも、同じモデルを何球も打ってもらうようなことはしません。“良い感触”というのはひと振りで分かるもの。1、2球目は良くなかったけど、3球目からは良くなったというのは、そのクラブに合わせて打っているだけで、決して感覚が合っているわけではないのです。だから試打は、せいぜい2球にしておきましょう。
また、訪れたショップの店員さんが信用できないと思ったら、アドバイスに耳を傾けないで、できるだけ多くのモデルを打つようにしましょう。
なお、中古モデルを買う場合は、練習場に付帯しているショップをオススメします。そのほうが気兼ねなく何本も打てますからね。もちろんこの場合も、1本につき2球までという鉄則を守ってください。
■吉田 智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て、現在は渋谷にある「プレミアム ゴルフスタジオ」でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている
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