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クラブの軽量化をどう考えるか【QPのギアマニュアル】

クラブの軽量化をどう考えるか【QPのギアマニュアル】

クラブフィッターとしてアマチュアゴルファーと向き合っている、QPことプロゴルファー関雅史が最新のギアマニュアルを紹介する。今回はクラブの軽量化のお話。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2023年11月16日 13時48分

適正なシャフト重量の目安は、実は合ってないようなものというQP。「ヘッドスピード38m/sの方は40~50グラム台がいいと言われますが、60グラム台にはRもあるので、大きくゆったり振る方には、60グラム台のRの方が、慣性モーメントも上がるし、飛距離アップにもつながります」と、重さとフレックス、スイングタイプによって適正は変わってくるという。ボールが上がらないと感じてもロフト角や重心位置が理由の場合もある。ボールが上がらなくなったからといって、一概に軽くするのは微妙
適正なシャフト重量の目安は、実は合ってないようなものというQP。「ヘッドスピード38m/sの方は40~50グラム台がいいと言われますが、60グラム台にはRもあるので、大きくゆったり振る方には、60グラム台のRの方が、慣性モーメントも上がるし、飛距離アップにもつながります」と、重さとフレックス、スイングタイプによって適正は変わってくるという。ボールが上がらないと感じてもロフト角や重心位置が理由の場合もある。ボールが上がらなくなったからといって、一概に軽くするのは微妙

ここで何度もお話ししていますが、各メーカーの技術の進歩が素晴らしく、クラブの進化が目覚ましいです。その一つが、軽量化です。シャフトでいえば、「軽い=弱い」で、頼りない感じがありましたが、最近は、軽くて強いモノがつくれるようになっています。30グラム台のシャフトも増えてきたぐらいですから。体力的に衰えを感じても、ビュンビュン振りたい人にはピッタリな軽量化ですよね。お店にくるお客さんも、「年を取ってきたから軽くしようと思って」と、加齢とともに軽くしたがる方が多いですから、メーカーとゴルファーの需要と供給が合っていて、軽いモノがいいみたいな風潮になっています。
 
ただ、ただですよ、私はドライバーもアイアンも、この軽量化にはちょっと疑問を感じている点がいくつかあります。まず軽量化をすると、当たり前ですがクラブの総重量も軽くなります。つまり、クラブの慣性モーメントが小さくなって、ミスヒットした時にブレやすくなります。総重量があって、ある程度早く振れる方が、当然、安定感は出ます。
 
2つ目は、クラブの総重量が軽くなると、スイング中の体の可動域も狭くなるのです。クラブが重ければ、ストレッチ効果があり、トップスイングでもう一押しがあって体の回りが深くなります。アンダースペック症候群という言葉もありますが、軽いクラブだと、ストレッチ効果がなく、トップスイングの捻転が浅くなってしまうもの。例えば、30代のサラリーマンの方が上司にクラブをもらうと、急にクラブが軽くなり、今までよりもトップスイングが上がらなくなります。小さいトップから振り切ろうとすると、どうしてもヘッドの助走距離が短く、パワーの出力が小さくなってしまいます。軽くするとヘッドスピードは上がりますが、クラブが生み出すエネルギーが小さくなって結果的に飛距離は落ちてしまうのです。

3つ目は、自分の体でパワーを出さなければいけなくなります。ゴルフの動きはスイングと呼びます。アタックとかヒットとはないですよね。スイングとは振り子の動きです。総重量が重ければ、ダウンスイングでの加速が大きくなって下りてきますが、軽いクラブだと加速しきらずに下りてきてしまいます。その不足したパワーをどう補うかというと、自分のスイングでやらないといけないのです。加齢により体力が衰えてきた方には、逆に酷な話ですよね。
 
ある程度、重さが合ったほうがスイングの安定感、飛距離アップにはつながるものです。ちまたのクラブフィッティングでは、自分が使っているものより軽いモノを試打させると、「ヘッドスピードが上がった」と、あたかも飛距離アップにつながるような話をすると聞いたことがあります。しかし、長い目でみると、上記3つの理由で、飛距離は落ち、曲がることにつながりかねません。実際、クラブを軽くして調子を落とし、さらに軽くして、浮上のきっかけをつかめないという話も聞きます。
 
男子プロがアイアンのシャフトを105グラムのモノを使っているということがあります。しかし、これはシャフトを長くして、ヘッドバランスを出すなどの狙いがあってのことです。ヘッドバランスが重ければ、重いクラブと同じ感覚なので単純な軽量化にはつながりません。軽量化をしてCバランスになるようだと注意が必要です。
 
ヘッドスピード30 m/s も出なくなったような方には30グラム台のシャフトを推奨します。しかし、50歳になったから50グラムにしようとか安易な考えはもったいないです。重いモノを使い続けることのメリットも確実にあるのです。
 
関雅史(せき・まさし)/1974年生まれ、東京都出身。PGA公認A級ティーチングプロの資格を持ち、クラブフィッティングも行う。東京・駒込のゴルフスタジオ「ゴルフフィールズ」で活動。

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