“小ぶりヘッドドライバー5機種”の実力を試打検証〜EZONE GT 425編【試打の鉄人】
最新クラブや注目クラブを「試打の鉄人」が徹底チェック。トーナメント中継などで使われる「トラックマンシステム」を使い、リアルタイムに弾道を追跡・表示するなど、クラブの真の性能に迫ります。
配信日時:2023年9月18日 08時30分
市原建彦が弾道データをもとに“自分に合うか?”という目線で試打検証
今回は、450cc以下の小ぶりなヘッドのドライバー5機種を市原建彦が試打。キャロウェイ『パラダイム トリプルダイヤモンド』、ピン『G430 LST』、ヨネックス『EZONE GT425』、ブリヂストンゴルフ『B-Limited 415』、テーラーメイド『BRNR Miniドライバー』を、計測データをもとにそれぞれ検証していく。
★『キャロウェイ パラダイム トリプルダイヤモンド』編の記事を見る
★『PING G430 LST』編の記事を見る
ヨネックス『EZONE GT 425ドライバー』の特徴は?
ヨネックスと言えば、カーボン素材を巧みに使った精密な構造のドライバーを作り続けてきたメーカーだ。『EZONE GT425ドライバー』にも随所に細かな工夫が見られる。
最も大きな特徴は、ヘッドの後方に壁を作る「サイドウォール」という新しい構造だ。この壁があることで、インパクト時のヘッドのブレを軽減し、あたり負けずにボールを押し込んでいけるという。つまり、安定して“ぶ厚いインパクト”が作れるドライバーになっているのだ。
それ以外にも、フェースの溝を楕円形にした「インコアグルーブ」テクノロジーやカーボンシートよりも軽量で軟質耐衝撃性に優れた「微結晶性ポリアミド」と言う素材を複合するなど、独自のテクノロジーがふんだんに盛り込まれている。結果、425ccと言うかなり小ぶりなヘッドでも、ミスに強く、やさしく飛ばせるドライバーに仕上がっている。
長年トーナメントで戦ってきて、ギアに厳しい目を持つ市原建彦は、『EZONE GT425』をどのように評価するのか?
【試打レビュー】「初心者から上級者まで使えて、インパクトゾーンが長くなってくれますね」
今回の試打ではロフト10.5度、57グラムで先中調子の純正シャフト『RK-03GT』のSフレックスが装着された『EZONE GT425』を使用。試打前にヘッドをチェックした市原は、「構えたときの第一印象は、“つかまりそう”と言うことでした。フェースのヒールが低く、トゥが高く設計されていて、アップライトに見えるからです。実際はアップライトではないのですが、視覚的な安心感がありますね。425ccですが、多少小さく見えるだけで、460ccのモデルとの差はかなり小さいです」と話した。
試打をおこなった市原が感じたのは、ヘッドの直進性の高さ。特に強い押し感のあるぶ厚いインパクトが特徴的だったと語る。
「ヘッド後方の“サイドウォール”と言う構造が効いている気がしますね。強い押し感があって、インパクトが1コマ長いように感じます。球筋はほぼストレート。打感の良さもあるので、すごく気持ち良く打てます」
市原が打った3球の弾道データは、ほぼ同じ方向の真っすぐに近い弾道で、安定したキャリーが出ていた。
「見た目通りのつかまりやすさが備わっていて、全然曲がりません。それでいて操作性も高くなっています。ドローヒッターにも、フェードヒッターにも向いていますし、初級者から上級者まで使えるモデルだと思います。ヘッドがものすごく完成度が高いので、自分に合ったシャフト選びが重要になりそうです」
『EZONE GT425』と言えば、女子プロの岩井千怜が愛用するモデルだ。思い出されるのは、国内女子ツアー「RKB×三井松島レディス」で姉・明愛と山下美夢有とのプレーオフで見せた直ドラだ。今回のテストでは、市原に直ドラでの試打もしてもらった。
「ティアップしているのと同じくらい打ち出し高さが出ました。直ドラでこれだけ上がるなら、岩井プロが時折打つのも頷けます。ティアップで考えても、下めにヒットしても上がってくれるということですから、心強い武器になりますね」
【試打映像】弾道計測データ&市原建彦の評価は…?
試打の鉄人 プロフィール|市原建彦(いちはら たつひこ)1978 年生まれ、神奈川県出身。ツアー通算1 勝。アマチュア時代の96 年に「世界ジュニア」を制覇。プロ転向後は、06 年「アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン」で優勝を果たしている。187cm の長身から放つ豪快なショットが持ち味。自身でトラックマンを保有し、ギアへの造詣も深い。