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    年間王者を狙う松山英樹さん、高校から『ツアーAD DI』シャフトを使い続ける理由は『細さ』ってホントですか?

    米国男子ツアーのプレーオフシリーズ初戦を制した松山英樹。自身初の年間王者獲得に向けて大事なプレーオフシリーズ初優勝、節目となる米ツアー10勝目を飾った。年間王者を狙う松山が絶対的に信頼するドライバーシャフトについてレポートしたい。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2024年8月27日 02時00分

    • ギア
    • 松山英樹
    • ドライバー
    • シャフト
    ドライバーは『スリクソン ZX5 Mk II LS』(9.5度)に、長年愛用するグラファイトデザインのシャフト『ツアー AD DI 8TX』を採用
    ドライバーは『スリクソン ZX5 Mk II LS』(9.5度)に、長年愛用するグラファイトデザインのシャフト『ツアー AD DI 8TX』を採用
    • 1W:スリクソン ZX5 Mk II LS(9.5度、ツアーAD DI-8TX)(2023年撮影)
    • 『ツアーAD DI-8TX』シャフト。直径が細いため、切り返しでしなってくれて遅れてヘッドが出てくる(2023年撮影)
    • 5W:コブラ ラッドスピードツアー(17.5度、ツアーAD DI-10TX)(2023年撮影)
    • 『ツアーAD DI-10TX』シャフト。5Wとしてもかなり重い部類に入るシャフトだろう(2023年撮影)
    • 3W:SIM2(15度、ツアーAD DI-9TX)2023年まで使用していた3W。現在は『Qi10』を使っている(2023年撮影)
    • 『ツアーAD DI-9TX』。現在でも3Wシャフトはこのモデルを使用。重いクラブを好んで使っている(2023年撮影)
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    米国男子ツアーのプレーオフシリーズ初戦を制した松山英樹。自身初の年間王者獲得に向けて大事なプレーオフシリーズ初優勝、節目となる米ツアー10勝目を飾った。年間王者を狙う松山が絶対的に信頼するドライバーシャフトについてレポートしたい。

    松山は切り返しで細いシャフトを一瞬、逆にしならせてから振り下ろしていた【写真】

    ドライバーは『スリクソン ZX5 Mk II LS』(9.5度)に、長年愛用するグラファイトデザインのシャフト『ツアー AD DI 8TX』を採用している。高校生の頃から使用しているという『ツアー AD DI』シャフト。ギアのこだわりを人一倍持っている彼がなぜこのモデルを使用し続けるのか。松山のクラブを担当するダンロップの宮野敏一氏にじっくり話を聞いた。

    「『ツアー AD DI』は一番信頼を置いているモデル。信頼を置けるから自信を持って振っていけるんです。新製品も打つことはあります。例えば、『ベンタス』『ディアマナ』など。『DI』よりも飛ぶモデルもあります。でも、最終的に使うには至らない。そのブレない姿勢がまたいい選手の要素だと思います。例えば、他のシャフトをずっと打っていると他のシャフトに対応したスイングに変わってしまう。その危険性もあるんです」

    では、『ツアー AD DI』のどんな点を信頼して使用し続けるのか?

    「『DI』はツアーで使われているシャフトの中で一番細いんです。切り返しのしやすさが大いに変わってくきます。タイミングの取り方が変わるんです。太いシャフトは、スイング中はしならない。例えば、細い木の棒を振るとしなりますが、太い木の棒はしならないですよね。細いシャフトの方が、ダウンでしなって遅れるんです。シャフト性能もありますが、太さが違うだけで違うシャフトになるんです」

    昔はトップで止まってから切り返していた松山。現在は止まる動きはなくなったが、現在でもトップでのシャフトのしなりは大切だという。

    「松山プロはトップでシャフトのしなりを感じないと打てないタイプです。例えば『ベンタス』系は『DI』とは真逆のタイプ。『ベンタス』系は、いかに振り遅れを発生させないかというシャフトで、切り返し始めたら前に前にヘッドが行くモデルです。トルクで生まれるシャフトのネジリも含めてヘッドを戻す動きもします。一方、『DI』は切り返しから、シャフトがしなって自然な振り遅れが出ます。トルクによってネジリ遅れも出てくる。切り返しからしなった方がタイミングが取れるんだと思います」

    また、『ツアー AD DI』は、手元が軟らかくて先が硬いモデルと言われる。手元が軟らかい方が、切り返しでシャフトがしなってタイミングが取りやすいのだろう。

    一方で気になるが、『8TX』というシャフトの重さと硬さだ。現在PGAプロでも『6S』を使用するプロが増えている中で、重すぎないだろうか?

    「『ツアーAD DI 8TX』は意外としなるんです。普通に考えたらめちゃくちゃ重いんですが、『8TX』というスペックのイメージよりはしなりがあります。(他のモデルの)『6X』の方が硬いくらいです。『ツアーAD DI』は、細さの要素も含めてけっこうしなるシャフトなのだと思います。シニアプロが使用する『4X』などの方が硬さを感じると思います。『8TX』は重いシャフトなのは間違いないですが、松山プロは重さのある方がスピードが出るタイプなんです」

    松山は『6S』で打ってみたが、不思議と軽い『6S』の方がスピードは出なかったという。彼は、クラブの重さとしなりを感じて振りたいタイプなのだ。アイアンも同じように重めシャフトを使用するのもそれが理由だろう。

    一番信頼するシャフトを使い続けるからこそ、いろいろなヘッドを試せるというもの。絶対的な『軸』を持っている点も松山の強さの秘密といえるだろう。

    ◇ ◇ ◇

    ●松山英樹のドライバー選びで、一番重要なのは顔のイメージだった。ドライバー選びに迷む人は関連記事【マジか!? 2位発進の松山英樹が、ドライバーでこだわる『球体と直線で構えられる』顔って一体なんだ?】を読んで、選び方のヒントにしよう。大切なのはつかまり度合です。

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