極上の打感でピンを狙い打ち! 国産の『軟鉄鍛造』はスコアアップできるアイアン
上達やスコアアップを目指すなら“ギアの選び方”がとても重要になる。例えば、セカンドでグリーンを捉える確率を上げたいなら国産の『軟鉄鍛造アイアン』を使うのがおすすめだ。心地良い打感で、しかも高くてスピンの効いたグリーンに止まる球が打てるようになるぞ。
配信日時:2024年4月25日 05時54分
ゴルフの本当の楽しさを教えてくれる
アイアンはラウンドでの使用頻度が多く、スコアメイクに直結するクラブだ。それだけにこだわりを持って良いモノを選びたいが、ゴルフクラブアドバイザーの阿部利成さんは、「軟鉄鍛造アイアンが絶対おすすめ」と話す。
「コースで使う機会の多いクラブだからこそ、打ったときに心地良いと感じるかどうかは大切なポイントです。軟鉄鍛造のアイアンはどれも打感が非常にソフトで、芯を喰ったときの心地良い感触は他に変え難い魅力となっています。しかも、フェースのどこに当たったのか感じ取りやすく、“もっと上手くなりたい”という気持ちにもさせてくれます。練習意欲が湧いて、上達につながるクラブでもあるのです」
フィーリングの良さだけでなく、軟鉄鍛造アイアンならではの“弾道”もコースを攻略する上で大きな武器になるという。
「軟鉄鍛造のモデルはフェースのロフト角が適度に付いていて、しっかり打ち出し高さが出てくれます。同時にスピンもしっかり効きますので、グリーンに止まる球を打つことができるのです。コース攻略を考える上で、この弾道は大きなメリットです。また、軟鉄鍛造アイアンはどれも“キレイな顔”に仕上げられていて、構えたときに打ち出す弾道が明確にイメージできます。コースで結果を出す上で、必要な性能が詰まっているわけです」
軟鉄鍛造と聞くと、“難しい”、“上級者向け”というイメージを持っているかもしれない。しかし、阿部さんは最新モデルでは寛容性を高めたモノも増えているので、幅広いゴルファーが選びやすくなっていると語る。
「ヘッド内部にタングステンを内蔵して重心位置を調整したり、フェースだけ弾きの良い素材を使って芯を広げたりと、最新モデルには寛容性や飛距離性能を高める工夫がされています。実は、初心者から上級者まで幅広いゴルファーが使えるアイアンなのです。グリーンオンする確率を高めてスコアアップにつながりながら、フェースの芯でボールを捉えるというゴルフの本当の楽しさも実感できますので、ぜひ軟鉄鍛造アイアンを試してほしいです」
最新の軟鉄鍛造アイアンは、レベルに関係なくスコアアップにつながる“上達ギア”なのだ。以下に阿部さんがおすすめする軟鉄鍛造アイアン6機種を紹介するので、ぜひモデル選びの参考にしてほしい。
ヨネックス『EZONE CB901 フォージド』
フェースの裏面に軽量かつ高反発なカーボンパーツを一体化。ヘッドの低重進化とフェースの薄肉化によって、強い反発力と高い打ち出し角を実現している。国内女子ツアーで活躍する岩井明愛、千怜や契約フリーの選手が使用するなど、プロ・上級者から高い評価を受けているアイアンだ。
「バックフェースに振動を抑えるカーボンが入っていて、打感が非常にソフトになっています。同時にスイートエリアも広くなっていて、弾道が安定します。気持ち良く打てて、見た目以上のやさしさも備えた結果の出るおすすめモデルとなっています」(阿部さん)
ヨネックス『EZONE CB702 フォージド』
フェース部分に強度の高い「マイティマレージング鋼」を採用。圧倒的なボール初速によって高い飛距離性能を実現している。軟鉄鍛造のヘッドにカーボンを複合するヨネックス独自の構造によって、ソフトな打感が備わっていることも特徴だ。
「反発力のある素材を使うことで、フェースの弾きがかなり強いです。ソールを厚めにしてダフリへの強さを出しながら、適度な削りを入れることで抜けの良さが備わっているなど、爽快に振り抜いていくことができます。軟鉄鍛造を使いたいけど、飛距離も欲しい人に最適です」(阿部さん)
本間ゴルフ『TW757Vx』
ヘッド内部に比重の重いタングステンのウェイトを内蔵することで、操作性と寛容性を両立させる重心位置に調整されたモデル。ミスヒットでもヘッドがブレにくく、安定した飛距離を出すことができる。国内に工場を持つ本間ゴルフならではのクォリティの高さもイチ推ししたいポイントだ。
「ツアー系モデルらしい打感の良さとそれに反するやさしさを持ったアイアンです。トゥ側に重いタングステンが入っていて、重心位置が最適化され、打点ブレにも強くなっています。直進性が高く、性能バランスが抜群ですよ」(阿部さん)
ダンロップ『スリクソンZX5 MKⅡ』
フェースに「クロムバナジウム鋼」という強靭な素材を採用。周辺部に「スピードグルーブ」という溝をつけることで、フェースが大きくたわみ、圧倒的なボール初速でキャリーを伸ばすことができる。軟鉄鍛造らしいソフトなフィーリングに弾きの爽快感がプラスされていることが特徴となっている。
「ヘッド自体にすごくパワーのあるモデルで、フェースの弾きが非常に強くなっています。しっかり弾道の高さを出しながら、楽に飛距離も出てくれるので、スコアメイクを楽にしていくれるアイアンです」(阿部さん)
PRGR『PRGR02』
フェースに弾きの強い「ニッケルクロムモリブデン鋼」を採用し、ヘッドのトゥ側にタングステンウェイトを内蔵したモデル。ストレートネックで、トップラインもシャープなモデルで、一見すると難しそうに見えるかもしれないが、心地良い弾きと高い寛容性で安定してグリーンオンすることができる。
「シャープで構えやすいヘッドですが、タングステンを内蔵することで芯が広く、ミスにも強くなっています。番手ごとのタテ距離がしっかり安定してくれるアイアンですので、グリーンオンする確率が上がってくれます」(阿部さん)
ミズノ『ミズノプロ245』
ミズノは軟鉄鍛造の技術に定評があるメーカーで、ゴルファーから絶大な支持を受けている。「グレインフォージド」という独自の製法を取っており、心地良い打感と長く響く打球音で気持ち良くボールを打つことができる。その上で、『ミズノプロ245』は、中空構造を取ることでフェースの反発力と寛容性を高めている。飛びに特化したモデルなので、パワーのないゴルファーにもおすすめだ。
「マッスルバックのようなデザインで難しそうに見えますが、実は中空構造で飛び系に近い性能のモデルです。ミズノらしい打感の良さがありつつ、強・高弾道で飛ばすことができます」(阿部さん)
取材協力/Victoria Golf 御茶ノ水店 撮影/近澤幸司 構成/田辺直喜