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    ドライバーの形状が変わった!</br>主流は投影面積が大きな深低重心ヘッド!

    text by Kazuhiro Koyama

    配信日時:2018年11月30日 07時00分

    • ギア

    伝統から逸脱して、性能を手にしたクラブ

    ナイキ『サスクワッチ SUMO2 5900』。最大の慣性モーメントをもった四角形ドライバー

    ナイキ『サスクワッチ SUMO2 5900』。最大の慣性モーメントをもった四角形ドライバー

    我々ゴルファーは、ヘッドに備え付けられたウェイトやその他のテクノロジーに目が奪われがちだが、ヘッド形状が性能に及ぼす影響はそれに劣らず大きい。ゴルフクラブの最も重要な機能は、“顔”だという識者もいるくらいだ。形状が変われば、すなわちヘッドの機能も大きく変わることになる。

    ご存知のように、伝統的な形状でないものも過去にはあった。代表的なのは、誰もが驚いた四角形ヘッドのナイキ『サスクワッチ SUMO2』だ。慣性モーメントを大きくして曲がりにくくするには、伝統的な形状よりも四角形のほうが適している。そんな自由な発想から生まれたモデルだ。

    その二代目となる『サスクワッチ SUMO2 5900』は、ヘッド左右の慣性モーメントがルール最大の5900g・cm2。このモデルの登場は、R&Aが慣性モーメントを制限するルールを作る引き金となった。
    もう一つ紹介しよう。キャロウェイの『ビッグバーサ ディアブロ ドロー』だ。驚くほどのフックフェースに加え、ヘッド後方はヒール側に大きくボリュームを付けている。いかにもヘッドが返りそうなデザインで、実際にもフックボールしか出ないほどのドローバイアスになっている。スライスに悩むゴルファーにはうってつけのクラブだが、構えたときの違和感は小さくないだろう。
    キャロウェイ『ディアブロドロー』。ボールのつかまりに特化した異形のヘッド

    キャロウェイ『ディアブロドロー』。ボールのつかまりに特化した異形のヘッド

    ヘッド後方を低くしたシャローバックのヘッドを、現代風と表現してきたが、実は以前から試みられてきた形状でもある。93年にプロギアから発売された『DATA REVERSE』は、ヘッドを上下逆転した形状を採用して、重心位置を下げることに成功し、その後の『銀チタン』、『赤パワー』などのヒット作につなげた。改めて見てみると、ヘッド後方が低く丸くなっていて、その先見性に驚かされる。

    多くのメーカーが、シャローバックの形状を採用することで、これまで以上に各モデルに大きな違いがなくなっていく可能性もあるだろう。形状は近くなり、クラウンにはカーボンを採用し、ヘッド後方にはウェイトを搭載するなど、その構造も似てきていて、メーカーは新たな違いを生み出すことに今後も腐心するだろう。

    反発性能やヘッド体積などがルールで制限された現在、機能を大きく変える方法として、形状を変えることは今でも有効な方法だ。かつての『サスクワッチSUMO2』や『ディアブロドロー』が、伝統的な形状から逸脱することで、劇的な性能の変化を可能にしたように、少し先の未来では、また異端的な形状を持ったヘッドが現われるかもしれない。

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