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    『G400』は【曲がらない】だけじゃない件。2018年のツアーギアを総括すると?

    2017年の秋に発売されたPING『G400』シリーズ。去年の今頃は宮里優作、鈴木愛のW賞金王が使っていたクラブだと総括しましたが、1年が経ち、2018年の結果はどうだったのか? 改めて今年のツアーを総括すると?

    配信日時:2018年12月10日 08時37分

    • ギア

    PGAツアーの若手の飛ばし屋はみんな『G400MAX』

    2018年のドライビングディスタンスの2位、3位、4位が全員『G400MAX』!(GettyImages)

    2018年のドライビングディスタンスの2位、3位、4位が全員『G400MAX』!(GettyImages)

    筒 「長岡さん、さっきから『G400LST』の話しばかりですが、『G400MAX』にも目を向けるべきだと思いますけどね」

    筆者 「ん? じゃあ、海外ツアーの『G400MAX』の状況も振り返りますか。筒さんご指摘のとおり、2018年のPGAツアーの飛ばし屋のうち、なんと2〜4位が『G400MAX』ユーザーでした。ちょっとドライビングディスタンスの上位10傑を下に整理しますね。

    1位 ローリー・マキロイ 319.7y ◎M3 460
    2位 トレイ・マリナックス 318.3y ●G400MAX
    3位 トム・ラブレディ 315.9y ●G400MAX
    4位 トニー・フィナウ 315.1y ●G400MAX
    5位 ルーク・リスト 314.6y ◎M4
    6位 ダスティン・ジョンソン 314y ◎M3 460
    7位 ゲーリー・ウッドランド 313.5y ◎M4 440
    8位 ブルックス・ケプカ 313.4y ◎M3 460
    9位 バッバ・ワトソン313.1y ●G400LST
    10位 キース・ミッチェル 312.6y ◎M1 460

    見てくださいよ。1位のマキロイ含め、6人がテーラーメイド、4人がPINGです、こんなに色んなメーカーがあるのに……。でもって、モデル別で言うと『M3 460』と『G400MAX』が最多の3人ずつです。8位のバッバは日本ツアーで使用者の多い『G400LST』ですが、その他の若手プロ3人は、みんな最大サイズの『G400MAX』というのが面白いですよね〜。筒さん、この理由は何だと思いますか?(ニヤリ)」

    筒 「ひとつ浮かぶのは、アメリカ人は考え方が極めて合理的なこと。寛容性が高い方がミスに強くて飛距離を失いづらい。寛容性が高くて曲がらないから、思い切り振れることもありますよね(それにしても、PINGとテーラーばっかりだなぁ…)」

    ⇒PGAツアーの飛ばし屋10傑は何を使ってる?一番人気ドライバーは、なんと3人が被る結果に!
    ⇒PGAツアー屈指のロングヒッター3人が語る、「PING『G400MAX』を使って良かったこと」
    現存モデルでも「最も重心距離が長いレベル」とP編

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    P編 「我々PCMラボは、ヘッドの内部重心から詳細にヘッドを測っているじゃない。そこで言うと、『G400LST』も『G400MAX』もすごく重心距離が長いんだよ。もちろん、テーラーメイドの『M4』も。最近、重心距離の短いドライバーを宮里優作プロや石川遼プロが必要とするニュースがあったけど、アメリカ人は体の回転を止めずにハンドファーストで打ち抜くから、フェース開閉に頼るスイングを元々していない。

    それは、動作解析の『GEARS』でも明らかで、我々はPGAツアープロを中心に2500人以上のアメリカ人のスイングデータを持っているけど、明らかにスイング中のフェース開閉が少ない。それに、若手プロほど460ccの大型チタンヘッドでゴルフを始めた人が多いから、軸線深度が深くて慣性モーメントの大きいものを選ぶのは当たり前の話だろう?


    筒 「まぁ、石川遼プロや宮里優作プロだけじゃなく、日本人は年配者を中心に、未だに重心距離が短めの小ぶりが好きな人は一定数いる印象もありますけど…」

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    飛ばし王、キャメロン・チャンプも『G400MAX』で平均343.7y!

    彗星の如く表れた、異次元の【曲げない飛ばし屋】。その名もチャンプ!

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    筆者 「(筒を無視して)ウェブドットコムツアーから上がってきて、いきなりPGAツアーで勝って大活躍しているキャメロン・チャンプも『G400MAX』ですよね。今年ウェブドットコムツアーのドライビングディスタンスが343.7ヤードという途轍もない飛ばし屋ですが、彼も【この数字は『G400MAX』のおかげだ】と語ってますよ、筒さん」

    P編 「飛ばし屋が曲がるのは古今東西当たり前のはずなんだが、チャンプ選手は343.7ヤード平均で飛ばして、FWキープ率も70%近いんだろう? 普通はトッププロでも50%台が当たり前のはずなのに……。競技ゴルフの歴史を変えつつあるよね、彼……」

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    筒 「飛んで曲がらないなんて、ズル過ぎます……(グスンッ)」

    筆者 「でも、今年の3人だけじゃなく、来年の飛ばし王がほぼ確定しているキャメロン・チャンプがPGAツアープロたちの考え方を動かす可能性大ですよ? テーラーメイドや他のメーカーからPINGに移行する選手が増えるかも。ほら、PGAツアーでもクラブ契約フリーが激増しているので」

    P編 「でもさぁ、チャンプ選手はバケモノ過ぎて参考にならないよ。それで言うと、PGAツアーの飛ばし屋3人も我々アマチュアからすると、十分バケモノだよね。だって、何使っても飛ぶだろ?ってみんな思うのが普通だと思うよ?なんか親しみを持てる例はないの?

    なぜ、プロにもアマにも結果が出るのか?

    嘉数光倫、片岡大育がPING!?

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    筆者 「直近で日本の男子プロたちも『G400MAX』に移行する人たちが増えつつあります……。しかも、キャップがBマークの2人、嘉数光倫と片岡大育が終盤戦は『G400MAX』に移行してました…

    ⇒勇太、片山、片岡、嘉数。「一発カシオで…」を狙う男子プロの【意外過ぎる1W】まとめ

    P編&筒 「えっ!(コメントしづらくて言葉を失う)」

    筆者 「ちなみに、嘉数はチャレンジからの見事なシード獲得でトータルドライビングが今季5位。2人とも今季はクラブ契約フリーで、片岡は今季キャロウェイ『ROGUE』を中心に戦っていたので、ちょっと驚きでしたね。でも、不思議なのは『G400』シリーズはヘッドスピードの速い人から遅い人まで、ほぼ全領域で結果を出しちゃうところなんですよ。昔だったら、ヘッドスピードの速い人は小ぶりでディープで叩けるもの。遅い人は扁平シャローと分かれていたのが普通なのに…
    キャメロン・チャンプのスイング。フェースが空を向くとおり、開かずに使うのは欧米では当たり前

    キャメロン・チャンプのスイング。フェースが空を向くとおり、開かずに使うのは欧米では当たり前

    筒 「答えの一つは、さっき村田さんが言ったフェース開閉の変化だと思います。時代がPINGに追いついてきました。【ギリギリまでタメて、インパクト直前で開放する】という昔のスイングだと、小ぶりな開閉できるタイプが使いやすかったけれど、最新のスイング潮流は真逆にシフトしてます。フェースを開かずに使って、体を鍛え、回転スピードを上げてシンプルに曲がりを抑えて再現性を高める。

    トラックマンや『GEARS』など、インパクトを分析できるツールが進化したことで、プロでもPINGのような慣性モーメントが大きく、長い重心距離、深い重心深度のヘッドが求めるのは当然ですよ。ましてや、アマチュアの場合は元々タメがほどけやすく、タメられない人がほとんどなので、元々PINGのヘッドで曲がらなくなるのは当然のことです


    P編 「そうだね。でも、曲がりが抑えられるのはいいけど、問題は飛距離なんだよなぁ…。体を鍛えているプロは良くても、非力なアマチュアはどうなっちゃうの?って、みんな疑問を抱くはずだよ」

    筆者 「大丈夫です。反発性能がめちゃ高なんで!」

    筆者 「大丈夫に決まってるじゃないですか。非力な人でも飛びます!(キリッ)」

    P編 「なんで言い切るんだよ!君はぶんぶん丸でヘッドスピードも速いじゃない。世界一曲がるけど」

    筆者 「(全力でスルーして)これ、言っていいのかなぁ……。まぁ、いっか。編集者の役得でもあるのですが、つい先日、PINGではない、某大手メーカーの開発の方から他社製品の反発性能(CT値、COR値)をテストしたデータを見せてもらいました。

    それで言うと、『G400』も『G400MAX』もむちゃくちゃ反発性能が高かったんです。驚くほどに。全メーカー含めてトップ級でしたので、そりゃあ飛ぶのは当たり前ですよね。
    ボク、このデータを見て、PGAツアーの飛ばし屋がこぞって『G400MAX』を使うのに、めちゃ納得しましたもん!」

    P編 「ぐぬぬぬ……」

    筒 「………。(ぐ、ぐぅの音も出ねぇ…、『G400MAX』買おうっと)」

    Text/Mikiro Nagaoka

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