New タイトリスト プロV1・プロV1x、ゴルフボール“聖地巡礼”。圧倒的使用率の背景を探る旅
タイトリスト『プロV1』『プロV1x』の新作がいよいよ発売されます。プロトタイプの段階から世界中のツアープロが多数の勝利を重ねてきたこのボール、なぜNo.1なのか? ALBA本誌取材班がこの謎を探る旅に出ました。
配信日時:2019年2月13日 21時43分
【第2章】ゴルフボールは、“特許”でできている。最高の一球を最高の1000万ダースにするために。
メリー・ルー・ボーンのインタビューを終え、いよいよニュー『プロV1・プロV1x』が生み出された開発部門(R&D)に足を踏み入れた。ここには博士号を取得したエンジニア、研究員が70名近く在籍。全世界で流通しているあらゆるゴルフボールが集められ、構造から製法に至るまで事細かに分析をする一室があった。
――タイトリストと同じ性能のボールを作れるのは、タイトリストだけ――
世界中のゴルフボールを分析する目的は、他社の技術をヒントにするためではない。狙いはその逆、タイトリストの技術が模倣されていないかをチェックしているのだ。それほどゴルフボールの製造には長年にわたる技術の積み上げが必要で、その多くの特許をタイトリストが保有しているのだという。もちろん、その技術はショートゲームでのスピンコントロール性能、心地よいフィーリング、そしてロングゲームでの安定した大きな飛距離の実現にも大きく関わってくる。
「ゴルフの世界では飛距離に大きな注目が集まりますが、実際のラウンドではドライバーだけでなく、アイアン、ウェッジ、そしてパターと様々なクラブを使って、同じボールを打っていきますよね。我々が『プロV1・プロV1x』の開発において、すべての番手で求められる最高の性能、つまりトータルパフォーマンスを重要視しているのはこのためです。
もし仮に、ドライバーの飛距離アップだけを望むゴルファーに相談を受けたなら、私はドライバーのフィッティングをしっかりやってください、とアドバイスするでしょう。そして、ボールはあくまでもトータルパフォーマンスで選んでくださいと伝えます。それだけ何か一つの特徴にフォーカスしてボールを作ることはありませんし、ただ遠くに飛ばすより、総合力に優れたボールを作ることのほうが難しいことなのです。
また、一度量産となれば、1億球以上同じシステムで、精密に均一に作り続けなくてはいけません。それを可能にするためにタイトリストは生産技術、素材開発、構造設計などそのすべてにおいて独自のアイデアを盛り込み、80年以上の歳月をかけて数え切れないほどの特許技術を取得してきたのです。我々と同じことをしなければ、同等のパフォーマンスをもったゴルフボールを生産することはできないのです。それが積み重ねた歴史の重み。高いパフォーマンスの証明なのです」(ゴルフボール研究開発副社長、マイク・サリバン)
ゴルフクラブメーカーの数に比べ、ゴルフボールメーカーの数が極端に少ないところからも、その専門性をうかがい知ることができる。
――タイトリストと同じ性能のボールを作れるのは、タイトリストだけ――
世界中のゴルフボールを分析する目的は、他社の技術をヒントにするためではない。狙いはその逆、タイトリストの技術が模倣されていないかをチェックしているのだ。それほどゴルフボールの製造には長年にわたる技術の積み上げが必要で、その多くの特許をタイトリストが保有しているのだという。もちろん、その技術はショートゲームでのスピンコントロール性能、心地よいフィーリング、そしてロングゲームでの安定した大きな飛距離の実現にも大きく関わってくる。
「ゴルフの世界では飛距離に大きな注目が集まりますが、実際のラウンドではドライバーだけでなく、アイアン、ウェッジ、そしてパターと様々なクラブを使って、同じボールを打っていきますよね。我々が『プロV1・プロV1x』の開発において、すべての番手で求められる最高の性能、つまりトータルパフォーマンスを重要視しているのはこのためです。
もし仮に、ドライバーの飛距離アップだけを望むゴルファーに相談を受けたなら、私はドライバーのフィッティングをしっかりやってください、とアドバイスするでしょう。そして、ボールはあくまでもトータルパフォーマンスで選んでくださいと伝えます。それだけ何か一つの特徴にフォーカスしてボールを作ることはありませんし、ただ遠くに飛ばすより、総合力に優れたボールを作ることのほうが難しいことなのです。
また、一度量産となれば、1億球以上同じシステムで、精密に均一に作り続けなくてはいけません。それを可能にするためにタイトリストは生産技術、素材開発、構造設計などそのすべてにおいて独自のアイデアを盛り込み、80年以上の歳月をかけて数え切れないほどの特許技術を取得してきたのです。我々と同じことをしなければ、同等のパフォーマンスをもったゴルフボールを生産することはできないのです。それが積み重ねた歴史の重み。高いパフォーマンスの証明なのです」(ゴルフボール研究開発副社長、マイク・サリバン)
ゴルフクラブメーカーの数に比べ、ゴルフボールメーカーの数が極端に少ないところからも、その専門性をうかがい知ることができる。
性能をキープするためにも、ニュー『プロV1・プロV1x』ではすべてを見直す必要があった
2018年の秋から世界のツアーに投入され始めたニュー『プロV1・プロV1x』は、プロトタイプ段階から従来モデルと比べ飛距離性能が高いと噂されていた。そのあたりの秘密はどこにあるのだろうか?
「確かに、19年モデルでは『プロV1・プロV1x』ともにボール初速が飛躍的に向上しています。その秘密は従来品よりも約17%薄くなったウレタンカバーにあります。材料を流し込む金型の精度を高めたことで製造精度が高まっただけでなく、薄肉化にも成功。このぶん反発性能に寄与する中間レイヤーを厚くすることができたのです。また、新配合のコアが、硬度のバラツキを抑制し、均一性をさらに高めることで高速化を実現。この部分でも大きな飛距離につなげています」(マイク・サリバン)
「確かに、19年モデルでは『プロV1・プロV1x』ともにボール初速が飛躍的に向上しています。その秘密は従来品よりも約17%薄くなったウレタンカバーにあります。材料を流し込む金型の精度を高めたことで製造精度が高まっただけでなく、薄肉化にも成功。このぶん反発性能に寄与する中間レイヤーを厚くすることができたのです。また、新配合のコアが、硬度のバラツキを抑制し、均一性をさらに高めることで高速化を実現。この部分でも大きな飛距離につなげています」(マイク・サリバン)
何か一つの要素を変えれば、他のすべての要素を見直す必要がある。それはフィーリングやスピンコントロール性能、弾道イメージなど、現ユーザーに高く評価されている『プロV1・プロV1x』ならではの特徴をキープする必要があるからだ。
「『プロV1・プロV1x』は、世界中のツアーで高い評価を得ており、変えてはいけない部分のほうが多いくらいです。しかし、今回はその良さを完全に残しながら、ロングゲームでの飛距離性能を打ったプレーヤーがすぐに実感できるほどに引き上げることができたのです。ぜひ、飛距離追求型ボールを愛用している日本のゴルファーにも試していただきたいですね」(マイク・サリバン)
トータルパフォーマンスを超えた、プレミアム・パフォーマンスボール。ついに『プロV1・プロV1x』は、そのレベルにまで到達した、とマイクは胸を張った。
「『プロV1・プロV1x』は、世界中のツアーで高い評価を得ており、変えてはいけない部分のほうが多いくらいです。しかし、今回はその良さを完全に残しながら、ロングゲームでの飛距離性能を打ったプレーヤーがすぐに実感できるほどに引き上げることができたのです。ぜひ、飛距離追求型ボールを愛用している日本のゴルファーにも試していただきたいですね」(マイク・サリバン)
トータルパフォーマンスを超えた、プレミアム・パフォーマンスボール。ついに『プロV1・プロV1x』は、そのレベルにまで到達した、とマイクは胸を張った。
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