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「赤蜘蛛」がツアープロに選ばれる理由

「赤蜘蛛」がツアープロに選ばれる理由

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年5月31日 23時00分

プロが選ぶ『スパイダー ツアー レッド』の特徴とは?

 この『スパイダー ツアー レッド』(※ブラック含む)が、これだけツアープロに好まれる理由はなんだろうか。

 ダスティン・ジョンソンジェイソン・デイ、そしてガルシアと強くてカリスマ性のあるトップ選手が使用していることもあるだろうが、一番の要因はズバリ、このモデル最大の特徴である、ショートスラントネックだ。

 大型マレットといえば、フェースバランスになるものが一般的だ。念のためにフェースバランスをおさらいしておくと、パターを机などの水平な台に置くと、フェースが上を向くパターのこと。フェースバランスになると、真っ直ぐにテークバックして、そのまま真っ直ぐストロークしやすいと言われている。
ショートスラントネックの『スパイダー ツアー レッド&ブラック』は、大型マレットながらフェースバランスではない

ショートスラントネックの『スパイダー ツアー レッド&ブラック』は、大型マレットながらフェースバランスではない

 しかし、ヘッドに短いネックがつくことで、パターはフェースバランスにならず、写真のように斜め上を向いた状態になる。こうなるとパターは、まっすぐなストロークではなく、少しフェースが開閉するような動きをしやすくなる。

 L字型のパターを好むプレーヤーが、そのメリットを「ショットと同じ感覚で打てる」と表現することがある。L字型は、フェースが開閉するので他のクラブと同じようなイメージで打つことが出来るというわけだ。『スパイダー ツアーレッド』は、大型マレットでありながら、フェースを開閉して弧を描くような、よりL字型に近いストロークになりやすい。つまり…

 "L字型では敏感すぎるが、フェースを真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出すのではなく、あくまでも少し開閉しながら弧を描くストロークで打ちたい。それでいて、直進性が高く、ショートパットに強い"
大型マレットでありながら、フェースを開閉して弧を描くようなストロークを作りやすいので、大型マレットにありがちなストレートなアライメントは廃されている

大型マレットでありながら、フェースを開閉して弧を描くようなストロークを作りやすいので、大型マレットにありがちなストレートなアライメントは廃されている

 そんなニーズを満たした、大型マレットの良さを持ちながら、プレーヤーの感性を生かせるパターなのだ。

 それを裏付けるように、『レッド』や『ブラック』と同時に発売された『スパイダー ツアープラチナム』はネックのないフェースバランスのパターで、ストレートなサイトラインが入っている。つまり、真っ直ぐストロークしやすくなっているのだ。一方、ショートスラントネックの『レッド』と『ブラック』には、ラインが入っていない。弧を描くストロークには、ストレートなラインは邪魔になるためだ。

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