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真っ直ぐにしかストロークできない? アダム・スコットのハート型パターを打ってみた!

真っ直ぐにしかストロークできない? アダム・スコットのハート型パターを打ってみた!

text by Kazuhiro Koyama

配信日時:2019年4月8日 04時00分

今季、新たなパターを投入したアダム・スコット(Photo by GettyImages)
今季、新たなパターを投入したアダム・スコット(Photo by GettyImages)

アダム・スコットが使用するハート型のパターとは?

2月のホンダクラシックから、アダム・スコットが使ったパターが、ギアマニアのあいだで密かな話題になっている。『Directed Force 2.1』というこのパターは、ヘッド後方がハート型にも見える独特の形状を持つ大型マレットだ。長年、スコッティ・キャメロンを愛用し続けるスコットが他社のパターを使用したこともあり、ただならぬ雰囲気を持ったこのパターに注目が集まっているのだ。

このパターを作っているのは、「L.A.B. GOLF」というアメリカの新興パターメーカーで、「L.A.B」とは、ライ・アングル・バランスという同社独自のアイディアの略だ。ひょっとしたら、“LOVE”と読ませてハート型のヘッド形状とかけているのかもしれない。

ライ・アングル・バランスとは、ストローク中にフェース面の向きが変わらず、一定方向になるテクノロジーだ。実際にストロークしてみると、たしかにパターはフェースの向きが変わらず、真っ直ぐに動こうとする。

一般的なパターであれば、フェースがライ角に沿って、ワイパーのように緩やかに開閉する。ヘッドを真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出しやすいと言われるフェースバランスのパターであっても、その度合いは小さくとも開閉は起きている。
ヘッド後方がハート型の『Directed Force 2.1』パター。自然と真っ直ぐにストローク出来る。

ヘッド後方がハート型の『Directed Force 2.1』パター。自然と真っ直ぐにストローク出来る。

『Directed Force 2.1』に近いアイディアに、オデッセイの『バックストライク』や『トゥアップ』、そしてイーデルゴルフの「トルクバランス」がある。これらはどれも机のような水平の台に置いたときに、トゥが上を向くパターだ。ストローク中にフェースの開閉が起こりにくく、スクエアにヒットしやすいというコンセプトだ。

『Directed Force 2.1』も机に置くとトゥが上を向くパターで、垂直ではなく右上方を向く。重量感のある大型マレットということもあり、フェース向きの変わらなさは上記のパターよりも一段上だと感じる。実はこのパター、グリップが斜めに入っているのだが、不思議に違和感はなく、スムーズにストロークが出来る。

イップスを長患いする、あるゴルファーがこのパターを試したところ、「こんなにスムーズにテークバックできたのは10数年ぶりだ」と驚いたという。テークバックでスムーズに上がったら、後は重力に任せてヘッドが落ちるだけ。フェースの向きは変わらない。パターとしては特異な形状だが、物理的には自然な動きをするという印象だ。

これは長尺パターと同じような動きと言っていい。実際にストロークをしてみると、初めてマスターズを長尺パターで制したスコットがすぐに使用を開始したのもわかった気がした。

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