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    スピンで止めるか、高さで止めるか? ボールの違いはアプローチで分かる ブリヂストンボールフィッティング (3)

    text by Kazuhiro Koyama/photo by Yasufumi Sakagami

    配信日時:2019年4月26日 01時10分

    • ギア

    アプローチでは、ボールの性能差が顕著に表れる

    ボールフィッティングに参加したアマチュアゴルファーは、ツアープロのようにスピンを自在にコントロールできるわけではない。しかし、技術のレベルを問わず、ボールによる弾道の違いははっきりと表れるものだ。

    7番アイアンを用いた試打では、ドライバーと同様にトラックマンを使って、飛距離はもちろんのこと、「ボール初速」、「スピン量」、「打ち出し角」を測定する。スピン系ボールと比べると、ディスタンス系のほうがスピン量は少なくなるというのが常識だが、こと7番アイアンの場合だとスピン系ボールの方がスピンレスになることもある。カバーが薄く、硬い中間層が働くためだという。
    『TOUR B X』の内部構造。フルショット時の低スピンを追求している(画像:ブリヂストンゴルフHPより)

    『TOUR B X』の内部構造。フルショット時の低スピンを追求している(画像:ブリヂストンゴルフHPより)

    今回の参加者は、スピン系とディスタンス系、どちらのボールでも十分な高さとスピン量が出せている人が多かった。ボールの違いによって、約6ヤード飛距離が伸びたケースもあったが、飛距離に大差がない人も少なくなかった。

    この程度であれば、実際のラウンドでも結果に大きな差は出ないだろう。難しいコンディションで、グリーンが硬く傾斜も強い場合などでは、ボールの止まりかたに違いが出ることもありそうだ。普段よく行くコースのコンディションを考慮してボールを選んでみるのも面白い。

    そして、ドライバー、アイアン、パッティングなど他の領域と比較して、アマチュアにとってボールの違いが最もよく分かるのがアプローチだ。「正直、ドライバーではどれを打っても違いがわからない」という人であっても、短い距離のアプローチであれば、打感の違いや球の高さが変わるのをはっきりと感じることが出来る。
    今回のボールフィッティングでも、参加者のほぼ全員が、打ち出しの高さやスピンのかかり方の差、打感や打音の違いを実際のアプローチ試打で感じることが出来た。違いが分かれば、自分はどのボールがプレーしやすいかという好みもはっきりしてくる。ボール選びはまずアプローチで打ってみるのが、おすすめだ。

    スピン系の『TOUR B X』、『TOUR B XS』であれば、グリーン上でキュキュっとスピンがかかりやすい。出玉が低くなれば、スピンがより強くかかる。ディスタンス系の『TOUR B JGR』や『PHYZ』であれば、出玉が高くなり、スピンはそれほどかからず、トロトロと転がりやすい。
    一般的にはスピン系はアプローチに優れ、ディスタンス系が飛距離に優れていると思われがちだが、プロのように強いスピンをかけて止める人は、アマチュアでは少数派だ。参加者の中にはポーンと高く打ち出されてから、コロコロとランで寄せていく『PHYZ』のほうが、スピン系ボールよりもアプローチのイメージが出しやすいという人が何人もいた。

    参加者の多くがギアへの関心が高く、普段からスピン系のボールを愛用している人が大半だったが、実際のラウンドではスピンがかかりすぎたりして、距離が合わない事が多いという声も聞かれた。ディスタンス系のほうが前に転がってくれる分、転がして寄せやすい場合もあるかもしれないから、先入観を捨てて試したいところだ。

    また同じディスタンス系でも『PHYZ』に比べると、『TOUR B JGR』は、ある程度のスピンを計算して止めることも出来る。もちろん、『TOUR B X』、『TOUR B XS』のスピン系ボールであれば、さらに強いスピンをかけて止めることが出来る。このあたりの弾道の違いを見極めて、好みのボールを選んでいくわけだ。参加したゴルファーたちは、皆熱心にアプローチして、その球質の違いを感じ取っていた。

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