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    経験豊かなスタッフが、ツアープロのようなボール選びをサポート ブリヂストンボールフィッティング (4)

    text by Kazuhiro Koyama/photo by Yasufumi Sakagami

    配信日時:2019年5月23日 05時55分

    • ギア

    飛距離だけでなく、トータルの性能を考慮してボールを推奨

    その名前が表しているように、一般的には、スピン系がアプローチでのスピン性能を重視し、ディスタンス系は飛距離を重視していると認識されている。実際、ボールフィッティングの参加者もディスタンス系である『JGR』や『PHYZ』を使用したときのほうが、飛距離面で優位になる人が多かった。

    その理由は、スピン量の違いが大きい。一回目で紹介したように、スピン量が2000回転/分と4000回転/分だと、他の条件が同じでも20ヤードもの飛距離差が生まれた。そして、多くのアマチュアゴルファーがスピン過多で飛距離をロスしているケースが多いのだ。

    スピン量をスイングで減らすのはなかなか大変だ。かつてプロゴルファーたちはいかに技術でスピンを減らすかに腐心したものだった。しかし、現代はボールを変えるだけで効率よく適正スピンを得ることが出来る。

    我々アマチュアは、4種類のボールのうち「どれが飛ぶの?」と気になってしまうものだ。他のゴルファーから飛ぶという噂を聞くと、自分も試したくなる。しかし、どれが飛ぶのかはその人次第だという他はない。

    ボールフィッティングの意義もまさにこの点にある。弾道計測器トラックマンで、飛距離はもちろん、精密に弾道データを計測するのは、ボールによる弾道の違いをより可視化するためだ。そして、ツアープロのフィッティングやテストも担当する経験豊かなスタッフたちが、最適なボールを推奨してくれる。
    フィッティング体験者は、その日の試打データとスタッフが推奨するボールが記載されたカルテが渡される

    フィッティング体験者は、その日の試打データとスタッフが推奨するボールが記載されたカルテが渡される

    参加者とスタッフとのやり取りは、単に計測上、飛距離が出ているだけでなく、ゴルフをする上でトータルな性能を考慮しながら行われる。

    例えば、ヘッドスピードが速いものの、ドライバーのスピン量の少ないSさんの場合、トラックマンで最も飛距離を叩き出したのは『JGR』だった。しかし、スタッフはスピン量が2000回転/分前後とやや少なく、弾道の安定感が不足する可能性を指摘。推奨したのは2400〜2500回転/分のスピン量を確保できる『TOUR B X』だった。

    担当したスタッフは「計測上は飛んでいたとしても、実際のコースでのプレーで、風などの条件の違いで弾道が失速したり、曲がりが大きくなってしまっては、ゴルフが難しくなります。飛距離はもちろん重要ですが、ショートゲームも含めトータルの性能でボールを推奨しています」と説明する。一発の飛びに一喜一憂せず、よりゴルフが優位になるようなボールを勧めてくれるわけだ。

    打感や打音といったフィーリングまで含め、参加者とスタッフとの細かなやり取りは、まるでプロの道具選びのようだった。腕前の差はあれど、プロと同じようなボールフィッティングが受けられるのが、このイベントの最大の魅力だろう。

    4回に渡って、ブリヂストンのボールフィッティングを紹介してきたが、よりボールの性能の違いに興味を持ってもらえたのではないだろうか。フィッティングを担当するブリヂストンスポーツ・ボール企画部の宮川直之氏は、「スポーツの中でボールが選べるのはゴルフとボーリングくらいしかありません。だからこそ、ご自身に合ったボールを選んで欲しい。そんな思いでこのボールフィッティングをはじめました」と話す。機会があれば、ぜひボールフィッティングに参加して欲しい。ボールが変われば、弾道もまた大きく変わることを実感できるはずだ。

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