「楽だし、簡単」の真意は? 池田勇太がL字型パターを使う理由
text by Kazuhiro Koyama
配信日時:2019年7月12日 04時00分
L字型のメリットは、感覚が出しやすい操作性にあり
96年に『WOSS』パターを開発し、尾崎将司がL字からマレットへと変更するのに大きな役割を果したクラブデザイナー、増田雄二氏は、この10年余り、市場からL字型がほとんどなくなってしまってからも、クラシックな『IMG5』型のパターを販売し続けた人物だ。現在も、氏自らハンドメイドのL字を製作している。
前触れもなく男子ツアーに復活したL字型パターだが、今使ってみてもメリットはあるのだろうか? L字をよく知る増田氏にL字型の機能について聞いてみた。
「L字の良さは、操作性に尽きるんです。ボールの転がりをより操ることができるパターです。例えば、上りだから少し強めに、なんて言いますよね。その“強め”というのが感覚なんです。そういうのを振り幅で繊細に出すのは難しくて、人間の感性で距離感を出していくしかない。その感覚が出しやすいのがL字なんです」(増田氏)
L字型パターは、重心深度が浅く、フェースの開閉が起きやすい、クイックな操作感が特徴だ。アイアンのように打てると表現するゴルファーも多いが、この開閉するフェースをコントロールして、ボールをとらえる感じがアイアンやウェッジなど、他のクラブに近い感覚がある。
前触れもなく男子ツアーに復活したL字型パターだが、今使ってみてもメリットはあるのだろうか? L字をよく知る増田氏にL字型の機能について聞いてみた。
「L字の良さは、操作性に尽きるんです。ボールの転がりをより操ることができるパターです。例えば、上りだから少し強めに、なんて言いますよね。その“強め”というのが感覚なんです。そういうのを振り幅で繊細に出すのは難しくて、人間の感性で距離感を出していくしかない。その感覚が出しやすいのがL字なんです」(増田氏)
L字型パターは、重心深度が浅く、フェースの開閉が起きやすい、クイックな操作感が特徴だ。アイアンのように打てると表現するゴルファーも多いが、この開閉するフェースをコントロールして、ボールをとらえる感じがアイアンやウェッジなど、他のクラブに近い感覚がある。
フェースが開閉しやすいのは、フェース向きがブレやすい人にとっては難しくなるが、重心距離を操り、適切なフェースローテーションでボールを思った方向に打ち出していくイメージが生まれやすい。L字型をスポーツカーに例える人がいるが、うまい表現だと思う。パターが持つレスポンスの良さを活かして、ゴルファーの感覚をより出せるようになるのだ。池田勇太が評価する点もまさにこのあたりにあるのではないだろうか。
「L字型は使えば使うほど、その人間の能力を高めてくれます」と増田氏はいう。パターが苦手な人は、よりやさしいパターを求めて、どんどん大型化したり、グリップを太くしたりとより鈍感な方向に向かいがちだが、実は練習だけでもL字型で感覚を磨いてみるほうが、パター扱いが上手くなる可能性がある。
現在は、ツアープロでもクロウグリップや大型マレットなど、オートマチックなパッティングを行う傾向があるが、それは異常なプレッシャーの中でしのぎを削るプロたちのいわば次善の策であって、出来ることならなら、かつてL字型を愛用した名選手たちのように、ショットとパッティングがイメージとしてつながりやすい方が理想的だ。
L字型が優勝するのを見て、ちょっと使ってみたいと思ったゴルファーは少なくないだろう。あいにく、市場にはそれほどラインナップがないが、中古なら過去のモデルを安価に手に入れられる。L字マレットと呼ばれるトゥヒールバランスのものや、一昨年から流行しているショートスラントネックのモデルでも、多少はL字ライクなフィーリングを感じられるが、出来るならクラシックな形状に挑戦したいところだ。
「L字型は使えば使うほど、その人間の能力を高めてくれます」と増田氏はいう。パターが苦手な人は、よりやさしいパターを求めて、どんどん大型化したり、グリップを太くしたりとより鈍感な方向に向かいがちだが、実は練習だけでもL字型で感覚を磨いてみるほうが、パター扱いが上手くなる可能性がある。
現在は、ツアープロでもクロウグリップや大型マレットなど、オートマチックなパッティングを行う傾向があるが、それは異常なプレッシャーの中でしのぎを削るプロたちのいわば次善の策であって、出来ることならなら、かつてL字型を愛用した名選手たちのように、ショットとパッティングがイメージとしてつながりやすい方が理想的だ。
L字型が優勝するのを見て、ちょっと使ってみたいと思ったゴルファーは少なくないだろう。あいにく、市場にはそれほどラインナップがないが、中古なら過去のモデルを安価に手に入れられる。L字マレットと呼ばれるトゥヒールバランスのものや、一昨年から流行しているショートスラントネックのモデルでも、多少はL字ライクなフィーリングを感じられるが、出来るならクラシックな形状に挑戦したいところだ。