スタートから10数年で撤退!タイガーの栄光とともにあったナイキゴルフ
text by kazuhiro koyama
配信日時:2016年8月8日 08時00分
タイガーの栄光とともにあったナイキゴルフ
タイガーは2000年からナイキ『ツアーアキュラシー』という、ウレタンカバーを採用したボールを使いはじめた。幼少の頃より愛用している糸巻きバラタボールからのスイッチは並大抵の決断ではなかったろう。
2002年以降、タイガーはクラブもナイキを使用し続けた。タイガーとナイキの契約には、「気に入らなければ使わなくてもいい」という条項があるという。タイガーは、2010年までスコッティ・キャメロンのパターを使っていたが、それ以外のクラブは、ナイキを使用し続けた。タイガーの栄光の戦歴は、ナイキゴルフとともにあったのだ。
巷で言われているように、ナイキのプロダクトになにかシリアスゴルファーの使用を妨げるような問題があるとするなら、タイガーのような卓越したプレーヤーが、その選手生活の大半を捧げるだろうか。競技での栄光を渇望するマキロイをはじめとする、他のナイキアスリートたちが愛用するだろうか。
2016年の8月4日に、ナイキゴルフがクラブ、ボール、バッグなどの用品類からの撤退を発表した。メーカーからの発表は、「成長機会実現の加速とイノベーションの推進のための戦略ビジョンを提示」という、なんとなく意図を測りかねるものだった。そうとでも言うほかなかったのかも知れない。
ナイキのゴルフ事業は、グローバルでは年商700億強で、他のゴルフ専業のメーカーの半分程度だが、それほど悪い数字ではないと見ることも出来る。一方で、世界最大のスポーツ企業のひとつであるナイキの中で、ゴルフの存在感は希薄で、ナンバーワンを目指す企業の中で心許ないのも事実だった。3年連続の減収と、何よりも今後、売上が回復し、シェアを劇的に拡大出来るような見込みが見られないという判断があったであろうことは想像に難くない。業界大手の一角、テーラーメイドにも身売りの話が出ているように、アメリカも日本も、ゴルフの市況は厳しく、将来への見通しも芳しいものではない。
2002年以降、タイガーはクラブもナイキを使用し続けた。タイガーとナイキの契約には、「気に入らなければ使わなくてもいい」という条項があるという。タイガーは、2010年までスコッティ・キャメロンのパターを使っていたが、それ以外のクラブは、ナイキを使用し続けた。タイガーの栄光の戦歴は、ナイキゴルフとともにあったのだ。
巷で言われているように、ナイキのプロダクトになにかシリアスゴルファーの使用を妨げるような問題があるとするなら、タイガーのような卓越したプレーヤーが、その選手生活の大半を捧げるだろうか。競技での栄光を渇望するマキロイをはじめとする、他のナイキアスリートたちが愛用するだろうか。
2016年の8月4日に、ナイキゴルフがクラブ、ボール、バッグなどの用品類からの撤退を発表した。メーカーからの発表は、「成長機会実現の加速とイノベーションの推進のための戦略ビジョンを提示」という、なんとなく意図を測りかねるものだった。そうとでも言うほかなかったのかも知れない。
ナイキのゴルフ事業は、グローバルでは年商700億強で、他のゴルフ専業のメーカーの半分程度だが、それほど悪い数字ではないと見ることも出来る。一方で、世界最大のスポーツ企業のひとつであるナイキの中で、ゴルフの存在感は希薄で、ナンバーワンを目指す企業の中で心許ないのも事実だった。3年連続の減収と、何よりも今後、売上が回復し、シェアを劇的に拡大出来るような見込みが見られないという判断があったであろうことは想像に難くない。業界大手の一角、テーラーメイドにも身売りの話が出ているように、アメリカも日本も、ゴルフの市況は厳しく、将来への見通しも芳しいものではない。