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    2年間でなんと10モデル! 松山英樹のドライバー遍歴

    text by Kazuhiro Koyama photo by Getty Images

    配信日時:2020年2月5日 03時00分

    • ギア
    目次 / index
    松山英樹が2020年初戦に選んだドライバー『SIM MAX』
    松山英樹が2020年初戦に選んだドライバー『SIM MAX』
    • 松山の躍進を支えたキャロウェイ『グレートビッグバーサ』 
    • 松山がプロ入り前から8年間愛用した『SRIXON ZR30』 最近の使用モデルでは『M5 TOUR』が近い特性だ
    • 昨年終盤から使用、WMフェニックス・オープンでも急遽出番が訪れた『M5 TOUR』
    この記事の写真 4 枚を見る

    2020年シーズン初戦から、新ドライバーを投入

    松山英樹の2020年初戦、「ソニーオープンinハワイ」では、早速、ファンを驚かせる出来事があった。発表されたばかりのテーラーメイドの新製品、『SIM MAX』ドライバーを早くも実戦投入したのだ。松山は2戦目の「ファーマーズ・インシュランスオープン」でもこのドライバーを使っている。

    意外だったのは、松山は昨年の9月に同社の『M5 TOUR』に変えたばかりだったことだ。しかも、このドライバーに変えてから、「ザ・CJカップ」で3位、日本で行われた「ZOZOチャンピオンシップ」はタイガー・ウッズと優勝争いの末に2位と、調子は上向きだったため、この好調な流れを継続するのではないかと思われていた。

    ここ1,2年の課題となっていたドライバーショットの不安定さが徐々に解消されてきていた矢先、ドライバーを変えるのは少しリスクのある選択に見えたが、「ソニーオープンinハワイ」では、苦手のワイアラエCCで12位とまずまずの成績を挙げた。

    2018年の初頭、松山はキャロウェイの『グレートビッグバーサ』を使用していた。一時は世界ランキング2位まで上り詰めた躍進の原動力となったドライバーだ。驚くべきことに、松山はそれからの2年間でなんと10モデルものドライバーを試合で使用している。世界のトップ選手で短期間にこれだけエースドライバーを変更した選手は過去にも存在しないだろう。

    松山が使用したドライバーは以下の10モデルだ。使用を開始した順に並べてみた。


    ▼2018年
    キャロウェイ『グレートビッグバーサ
    テーラーメイド『M3 440』
    PING『G400 LST』
    テーラーメイド『M3 460』
    キャロウェイXR SPEED』(※欧州限定モデル)

    ▼2019年
    キャロウェイ『EPIC FLASH』(※ノーマルモデル)
    キャロウェイ『EPIC FLASH SUBZERO』
    テーラーメイド『M5』
    テーラーメイド『M5 TOUR』

    ▼2020年
    テーラーメイド『SIM MAX』


    これらの10モデルに共通する要素を考えてみたが、まったくないと言っていいほど特性はバラバラだ。打感・打音すらまちまちで、松山の好みがどういうものなのか、正直、見当がつかないレベルだといっていい。

    これだけ異なったドライバーを使っている理由を推測してみると、その時々で松山がドライバーに求めていることが異なっていること、そして、松山のスイングもまた大きく変化していることが要因ではないだろうか。

    松山のスイングで特徴的なのは、弓を引き絞るように上半身を捻ったトップから、少し静止して振り抜くこと。しかし、「ソニーオープンinハワイ」で見た松山のスイングは、トップでの静止が短くなり、スムーズに左サイドに振り抜いていた。全体的にスイングは滑らかになり、素人目にもわかるほど、スイングに違いが感じられる。現時点で取り組んでいるスイングと相性が良かったのが、『SIM MAX』ドライバーだったと言えそうだ。
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    左を恐れず叩けるドライバーから、よりつかまるドライバーへ

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