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    ウェッジ恐怖症のアマが『ボーケイSM8』を体感、「バンス・イズ・フレンド」の考え方で全てが激変!

    ウェッジはドライバーなどと違って、試打して選び抜いて買うことが難しい。それなのに、ソールもバンスもロフトも種類が多い! 混乱するウェッジ難民のアマチュアが、ツアーNo.1ウェッジ「ボーケイ・デザイン」の担当者に話を聞き、新作『SM8』を試してみたところ、驚きの結果が待っていた。

    配信日時:2020年3月11日 22時17分

    • ギア
    目次 / index
    • アマチュア、藤田さんが使用するウェッジ。フェースのトゥ側に打痕、ソールのヒール側に傷があり、打点とソールの当たるところがズレていることを指摘された。ウェッジの特性が活かしきれていないという
    • 巨匠、ボブ・ボーケイ「バンス・イズ・フレンドだよ!」
    • 藤田さんの基本の構え方。超絶ハンドファースト…
    • シャフトを地面と垂直に構える=「バンス・イズ・フレンド」に向けた第一歩!
    • 手渡された『SM8』の54°がいきなり炸裂!
    • 安全策の自己流だったのに、手前で弾かれる手痛いミス…
    この記事の写真 18 枚を見る

    ウェッジ恐怖症のアマ・藤田さんが迫る!

    アマチュア、藤田さんが使用するウェッジ。フェースのトゥ側に打痕、ソールのヒール側に傷があり、打点とソールの当たるところがズレていることを指摘された。ウェッジの特性が活かしきれていないという

    アマチュア、藤田さんが使用するウェッジ。フェースのトゥ側に打痕、ソールのヒール側に傷があり、打点とソールの当たるところがズレていることを指摘された。ウェッジの特性が活かしきれていないという

    筆者はタイトリストボーケイSM8』を幾度となく記事にし、試打して非常に気に入っている。既報の通り、ネックが長くなった影響と、実効バンスの見直しによって、前作『SM7』より明確にインパクトの球乗り感、コントロール性が増したと感じている。が、「コントロール性が増した」と文字にすると、少し誤解が生じやすい。

    PGAツアープロの約60%近くが使う『ボーケイ』シリーズにとって、「操作性が上がった=プロ好み=アマには難しい」といった、マッスルバックと同様の印象を抱かれかねない。アベレージゴルファーの筆者が体感したのは、あくまで“球の”コントロール性アップ。「SM8はSM7より意のままに球を操れる=やさしい」と言いたい。これは全ての人に体感できるのか? ウェッジが苦手な人にも試してもらうことにした。

    平均スコア95のアマチュア・藤田さんは、平均80を目指して自らの成長の記録「へっぽこリーマンゴルファー上達の道」を綴る人気ブロガー。時間もお金もないサラリーマンだからこそ最短距離で上達する意欲は強い。そして、上達の一番のカベが【ウェッジ恐怖症】とあって、今回の企画に適任だ。

    指南役として、タイトリストの担当者にも来てもらった。対応してくれたのは、アクシネット ジャパン インクの『ボーケイ・デザイン』ウェッジ担当・黒野氏だ。巨匠、ボブ・ボーケイの哲学を踏襲する専門家だが、アマ藤田さんに「素朴な疑問でもいいので、何でも聞いてください。いまお使いのウェッジは、なるほど……」と、黒野氏は藤田さんのウェッジを見るなり言葉を失う。

    自分のウェッジはミスが怖くて、普段グリーン周りは7Iの転がしほぼ一択です。地面に弾かれてトップしてオーバーが多いんですよ……。本当は、プロみたいにフワッと上げたり、スピンの効いた球でカッコ良く寄せたいんですが、怖くて転がすしかなくて…」(藤田さん)
    巨匠、ボブ・ボーケイ「バンス・イズ・フレンドだよ!」

    巨匠、ボブ・ボーケイ「バンス・イズ・フレンドだよ!」

    「お使いのウェッジを見たところ、まず、フェースはトゥ寄りに打痕があり、ライ角が合っていない可能性があります。加えて、ソールはヒール側に傷があり、ソールの頂点である真ん中に当たっていないことがわかります。【ソールを地面に滑らせる、最も重要かつ、ウェッジが友だちになるカンタンな打ち方】が出来ていないようです。

    ボブ・ボーケイがいつも言うのは、【“Bounce is Your Friend”=バンスは友だち】だということ。ここからは、少しソールの使い方を含めてのアドバイスですが、一番大切かつ、全てをやさしくするポイントを言います。ハンドファーストではなく、地面に対してシャフトを垂直に近い状態で構えましょう。傾けていいのは【拳一つ分左くらい。約7度のハンドファーストまで】です。これだけで『SM8』ウェッジを十徳ナイフのように、様々な厳しい場面で活用できるようになりますよ。7Iの転がしだけに頼る必要はないです」(黒野氏)

    「えっ! ハンドファーストの方がスピンはかかるのでは?」

    藤田さんの基本の構え方。超絶ハンドファースト…

    藤田さんの基本の構え方。超絶ハンドファースト…

    突然の構え方変更に驚く藤田さん。「えっ!ハンドファーストに構えた方がスピンもかかるんじゃないんですか? プロは低い出球のスピンの効いた球を打ちますよね? そのためも、右足より外に球を置いて、ハンドファーストでロフトを立てて上からガツンと摩擦する方がいいと思ってたんですが?」と、疑問をぶつける。

    黒野氏が諭す。「ウェッジを含むゴルフクラブは、シャフトを垂直にした状態で本来の性能を発揮するように設計されています。つまり、ウェッジはその状態ではじめてバンスを活かし、ソールを滑らせ、適正なスピンをかけられる。藤田さんの構えは過度なハンドファーストで、ウェッジのロフト角が7Iよりも立ってしまっているような状態です。また、ソール後方が地面から浮いてしまい、すごく刃が刺さりやすい。

    接地は刃からボールの赤道をガツン!ではなく、ソールの後方から着陸するイメージ。飛行機が着陸するとき、機首を上げてやさしく後輪から降りますよね? あのイメージです。それに、この短い距離でウェッジとしてのスピンをかけるには、物理的に45度以上のロフト角が必要となります。最初は慣れないボール位置や構え方に違和感があると思いますが、【垂直に構えればソールが滑ることを体感できる】はずです」。
    シャフトを地面と垂直に構える=「バンス・イズ・フレンド」に向けた第一歩!

    シャフトを地面と垂直に構える=「バンス・イズ・フレンド」に向けた第一歩!

    構えを大幅変更し、違和感と戦いながらしばらく練習する藤田さん。自分のSWと『ボーケイSM8』の58度を打ち比べ、テストを行う。「!!! 今、初めてソールが滑る感覚がしました!」。フワッとゆっくり飛ぶ球は、落ちてから1、2バウンドでピタッと止まった。

    「すごく気持ちいい!ただ、ボクの以前の右足寄りに置く打ち方とSWではランも長く出ていたため、新しい打ち方と『SM8』の58度では、同じ振り幅でもだいぶ距離感が変わります。ピンをショートしました」(藤田さん)

    花道から45ヤード、黒野氏は「試しに今度は54度の『SM8』で同じ振り幅で打ってみてください」。手渡されて1球目、スピンのかかった球で、ワンピン手前に着弾した球がキュッとピン横についた。
    手渡された『SM8』の54°がいきなり炸裂!

    手渡された『SM8』の54°がいきなり炸裂!

    「うわぁ、カンタン! 54度でこの打ち方だと、転がりすぎとか、転がらなすぎとか、グリーンの傾斜も関係ないですね。すごくラクです!」と、藤田さんは驚きを隠せない。「ハンドレートに構えたのに、なぜプロみたいなスピンがかかるんですか? ボク、プロは特殊な技術と特殊なウェッジで猛烈なスピンをかけていると疑ってたんですが?」。

    ▶タイトリスト『ボーケイSM8』のフェースに球が激乗りする理由

    黒野氏はかぶりを振る。「そう思う方が多いです。プロは確かに熟練の技術をもっていますが、特殊なことはしていませんし、道具も市販のものと変わりません。スピンで大切なことは【ソールを滑らせて加速させ、ボールがフェースに乗っている時間を長くして、摩擦を増やす】こと。フェースにボールを長く乗せるには、適切な構えと自分に合ったソール選びが大切。特別な打ち方をしなくてもボールを止められるんです」。

    藤田さんは「てっきり、プロのスピンは、フェースをナナメに駆け上がらせている? とか想像していました…。たしかに、ソールが滑るとボクでもフェースにボールが長く乗る感じがしました。今までは弾いている感じだったのに…」と話す。

    「ベアグランドでも、ソールが滑れば怖くない」

    安全策の自己流だったのに、手前で弾かれる手痛いミス…

    安全策の自己流だったのに、手前で弾かれる手痛いミス…

    続いて、ベアグランドから約35ヤードの砲台グリーンのピンを指示する黒野氏。上級者でも過酷なシーンだ。「さすがにここは怖いです。自分のウェッジみたいに、刃が地面から浮かないものの方が安心だし、ハンドファーストに構えてコツンと転がす方が安全というか……」と、尻込みする藤田さん。自己流で打つと、地面に弾かれて砲台の手前に落ちるミスとなり「あぁ、やっぱり……」。
    手渡された『SM8』のKグラインド・58°が炸裂!

    手渡された『SM8』のKグラインド・58°が炸裂!

    黒野氏が促す。「もう1球、『SM8』のKグラインドの58度で打ってみましょう。構えはさっきと同じシャフト垂直で、少しフェースは開いてもいいですよ」。

    ところが、怖くてたまらない様子の藤田さん。「開くとさらに刃が浮きますよ? トップしませんか!?」と、怯えつつ打つ。結果、フワッと高く舞い上がった球がピン手前に着弾、少しランは出たがワンピン以内に。「えぇ〜〜、この厳しいライからあんな球って出るんですか? さっきの球がウソみたい!」と、信じられない様子。

    黒野氏が説明する。「ベアグランドは地面が硬いので、ソールが弾かれるのは事実。でも、ソールが滑ればライは関係ありません。それに、刃が浮くのは、ソールの出っ張り部分であるバンスが効いている証拠。バンスは地面に潜り込まずに滑らせる働きとして役立つもので、構えた時に刃が浮くことと、トップする結果はまったく無関係なことが分かると思います」。

    ▶トッププロたちは、『SM8』の第一印象をどう語った?
    左が『SM8』、右が藤田さんのウェッジ。たしかに、『SM8』の方が刃(リーディングエッジ)が浮いている

    左が『SM8』、右が藤田さんのウェッジ。たしかに、『SM8』の方が刃(リーディングエッジ)が浮いている

    藤田さんはこれまで、「トップする」結果を怖がるあまり、視覚的な刃の浮きをミスの原因と関連付けていた。黒野氏は「ソールが滑れば、本来、悪ライでもまったく恐れることなくウェッジの性能を引き出せます。そのために、バンスを活用することが重要なのです。『バンス・イズ・フレンド』は、リカバリークラブであるウェッジの性能を活かし、ゴルフをやさしくするための考えです」。シンプルで核心をついたボーケイの教えに、深く納得する藤田さんだった。

    『SM8』の特徴は?

    ウェッジで重心位置にここまでこだわるのはボーケイくらい!?

    ウェッジで重心位置にここまでこだわるのはボーケイくらい!?

    俄然、欲が出てきた藤田さんは「これは新作『SM8』だから結果が出るんですか?」と問う。「はい。たしかに新しい『SM8』は【インパクトの安定性を飛躍的に向上】させています。弾道と飛距離のコントロール性を高める【プログレッシブCGデザイン】を突き詰めて、今回は重心を同じ高さのまま前方に押し出した(浅重心にした)んです。それ以外にも、フェースの溝、ソールのグラインドなど、様々な細かな点をブラッシュアップさせています。全部を説明するには時間が足りませんが、一言で言うと【打ちやすさ】を突き詰めています」(黒野氏)

    ▶『SM7』と『SM8』の違いを藤田寛之はこう熱弁!

    聞きたがりの藤田さんだが、さすがに技術的なワードに若干混乱気味。やはり関心があるのは、【自分のプレーをどう改善してくれるか?】に尽きる。藤田さんは「ボクに最適なソール形状はどれですか?」と、既に『SM8』の購入意欲満々で、絞り込みに入った。次ページでは、一見難しいソール選びの過程をみてみよう。
    次ページ
    ⇒バンスは?ソール形状は?アマチュアならではの疑問が炸裂

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