PGAツアーの人気が逆流! フジクラ『ベンタス』が、渋野日向子とパワーヒッターに力を与える
新型コロナウイルスの影響で、開幕が遅れる国内女子ツアー。そんな中、渋野日向子が『ベンタス』にシャフト変更との情報が! 気になるこのシャフト、実際の仕上がりは!?
配信日時:2020年4月8日 08時18分
『ベンタス』とは、どんな設計なのか?
そもそも、なぜ、貞包氏は渋野日向子のスイングを見て「ベンタスなら間違いなくイケる!」と思ったのだろうか。『ベンタス』の設計や特徴について、フジクラ広報・飯田氏はこう話す。
「元々、弊社の製品には日本で企画し製造しているものと、アメリカで企画しているもの、大きく2つの流れがあります。『スピーダーエボリューション』は日本が企画する商品ですが、今回の『ベンタス』はアメリカ企画のものですね。やはり、体格やパワーが異なるため、シャフトに求めるものはどうしても違いが出てきます。今回の『ベンタス』はPGAツアー選手が求める高い要求が背景にはあります。
製品特長は、【VeloCore Technology(ベロコア テクノロジー)】と呼ぶ、今までにない安定感と叩けるフィーリングを実現するための【マルチバイアス構造】ですね。フルレングス超高弾性70tカーボンと高弾性カーボンから構成していて、特に、【オフセンター時のヘッドのねじれを抑制して】、優れたボールコントロール性能を狙っています。さらに、シャフト先端剛性を高めているので、生み出したパワーを逃さずボール初速の最大化を生み出します」(飯田氏)
なるほど、やはり、貞包氏が言うように、【パワーヒッターが作り出したエネルギーを、ロスなく伝達しやすくする設計】のょうだ。出力の上がった渋野日向子にとって、より先端剛性の高い『ベンタス』だと、エネルギー効率がさらに良くなるということか。
「元々、弊社の製品には日本で企画し製造しているものと、アメリカで企画しているもの、大きく2つの流れがあります。『スピーダーエボリューション』は日本が企画する商品ですが、今回の『ベンタス』はアメリカ企画のものですね。やはり、体格やパワーが異なるため、シャフトに求めるものはどうしても違いが出てきます。今回の『ベンタス』はPGAツアー選手が求める高い要求が背景にはあります。
製品特長は、【VeloCore Technology(ベロコア テクノロジー)】と呼ぶ、今までにない安定感と叩けるフィーリングを実現するための【マルチバイアス構造】ですね。フルレングス超高弾性70tカーボンと高弾性カーボンから構成していて、特に、【オフセンター時のヘッドのねじれを抑制して】、優れたボールコントロール性能を狙っています。さらに、シャフト先端剛性を高めているので、生み出したパワーを逃さずボール初速の最大化を生み出します」(飯田氏)
なるほど、やはり、貞包氏が言うように、【パワーヒッターが作り出したエネルギーを、ロスなく伝達しやすくする設計】のょうだ。出力の上がった渋野日向子にとって、より先端剛性の高い『ベンタス』だと、エネルギー効率がさらに良くなるということか。
ヘッドMOIが高まり続ける中で、必須の進化
もう一つ、筆者にはどうしても気になることがあった。フジクラといえば、『スピーダーエボリューション』を代表に、“弾き”や“走り”のいい、復元感の速さを特徴としたモデルが多く、実際に女子プロやアマチュアゴルファーに大人気となってきた印象がある。今回のアメリカ企画の『ベンタス』はそれとは真逆に感じたのだ。飯田氏はこう話す。
「おっしゃるように、弊社の日本企画の『スピーダー』は、これまで様々なモデルで復元スピードの速い飛距離重視のモデルをご用意してきました。ですが、国内男子ツアーで使用実績の高い『スピーダーTR』のように、先端剛性が高く、叩けるモデルも少ないながらご用意してきました。そして、一概に先端剛性が高いと、復元感がなくなる、走らないというわけではありません。
今回の『ベンタス』で言えば、一番大切なポイントは【ベロコアテクノロジー】による、ねじれの抑制。走る、走らないのフィーリングよりも、【ミスヒットしてもヘッドの挙動を抑える】ことをまず第一優先していることがあります。昨今は、慣性モーメントが極大なヘッドが各社から増えていることもあり、まずそこに対応した点に注目いただけると有り難いですね」(飯田氏)
なるほど。たしかに大MOIヘッドが、世の流れである。そして、同時にこんなことも思った。「デカヘッドほどミスヒット時にヘッドの挙動が大きく暴れるから、それも当然の方向だなぁ」。インパクトをスーパースロー撮影するとよく分かるのだが、デカヘッドで芯を外した際のヘッドの暴れは、一瞬、目を疑うほど酷いものである。そこに対応した方がいいに決まっている。そこで激しく芯を外しがちな筆者も、実際に『ベンタス』を試してみることにした。
「おっしゃるように、弊社の日本企画の『スピーダー』は、これまで様々なモデルで復元スピードの速い飛距離重視のモデルをご用意してきました。ですが、国内男子ツアーで使用実績の高い『スピーダーTR』のように、先端剛性が高く、叩けるモデルも少ないながらご用意してきました。そして、一概に先端剛性が高いと、復元感がなくなる、走らないというわけではありません。
今回の『ベンタス』で言えば、一番大切なポイントは【ベロコアテクノロジー】による、ねじれの抑制。走る、走らないのフィーリングよりも、【ミスヒットしてもヘッドの挙動を抑える】ことをまず第一優先していることがあります。昨今は、慣性モーメントが極大なヘッドが各社から増えていることもあり、まずそこに対応した点に注目いただけると有り難いですね」(飯田氏)
なるほど。たしかに大MOIヘッドが、世の流れである。そして、同時にこんなことも思った。「デカヘッドほどミスヒット時にヘッドの挙動が大きく暴れるから、それも当然の方向だなぁ」。インパクトをスーパースロー撮影するとよく分かるのだが、デカヘッドで芯を外した際のヘッドの暴れは、一瞬、目を疑うほど酷いものである。そこに対応した方がいいに決まっている。そこで激しく芯を外しがちな筆者も、実際に『ベンタス』を試してみることにした。
常人の倍以上芯を外す筆者でも大丈夫!
試したのは、いまもプロに使用者がいる、ピン『G400LST』。これに『ベンタス』の6Xを挿し、45.25インチで組み上げたものをコースで打ってみた。『G400LST』が大きな慣性モーメントで元々ミスに強いことは、名器なので当然分かっている。加えて、『ベンタス』が常人よりも遥かに芯を外す筆者のミスを救ってくれるのかどうか…。
結論として、とてもFWに置きやすい組み合わせであることは、一瞬で理解できた。スピンの少ない『G400LST』でも筆者は吹き上げてしまうことが多々あったが、先端剛性の高さ故か、そういった球が一切出ない。加えて、『ベンタス』のねじれ抑制の効果なのか、特にトゥ側に外した際の当たり負けの類が収まったように感じた。
加えて、ヒールヒット時の、スライスも少なく感じた。これは当然『G400LST』が持つ元々のミスへの強さもあるのだろうが、『ベンタス』がそのヘッド特性を増幅し、より安定して距離を出す方向に動いていると想像がつく。あとは、「PGAツアーのバケモノたちが使用するだけあって、ハードすぎるのでは?」という想像について。
結論として、とてもFWに置きやすい組み合わせであることは、一瞬で理解できた。スピンの少ない『G400LST』でも筆者は吹き上げてしまうことが多々あったが、先端剛性の高さ故か、そういった球が一切出ない。加えて、『ベンタス』のねじれ抑制の効果なのか、特にトゥ側に外した際の当たり負けの類が収まったように感じた。
加えて、ヒールヒット時の、スライスも少なく感じた。これは当然『G400LST』が持つ元々のミスへの強さもあるのだろうが、『ベンタス』がそのヘッド特性を増幅し、より安定して距離を出す方向に動いていると想像がつく。あとは、「PGAツアーのバケモノたちが使用するだけあって、ハードすぎるのでは?」という想像について。
特に、6Xはジョーダン・スピースと同じスペックだけあって、事前にその心配をしていたが、1球目のつかまったドローで不安は霧散した。よくUSモデルにありがちな、【ガチガチの棒っきれのようなハードさ】は全然なく、むしろ、しなやかなしなりを感じつつ、スピードを落としたライン出しにも、振った分なりにほどよく復元してくれた。
ただし、つかまりや左右のブレは減ったものの、『G400LST』の8.5度を、途中でロフトを足す必要は感じた。スピンが減り、弾道が少し強くなったため、ロフトで見栄を張る必要は一切ないシャフトだと言えるかもしれない。
Text/Mikiro Nagaoka
ただし、つかまりや左右のブレは減ったものの、『G400LST』の8.5度を、途中でロフトを足す必要は感じた。スピンが減り、弾道が少し強くなったため、ロフトで見栄を張る必要は一切ないシャフトだと言えるかもしれない。
Text/Mikiro Nagaoka