異能のゴルフ科学者、ブライソン・デシャンボーが選んだボールとは?
text by kazuhiro koyama
配信日時:2016年9月13日 10時30分
“ゴルフの科学者”こと、デシャンボーが選んだボールは?
アイアンの長さが全て同じという、ワンレングスアイアンが示すように、常識にとらわれず、合理性を追求するのがデシャンボーのスタイルだ。今回の優勝は、彼のユニークなゴルフへのアプローチが、プロツアーでも十分に通用することを証明したと言えるだろう。
そんなデシャンボーが使用するのが、ブリヂストンのボール『TOUR B330S』だ。本来であれば、アマチュアでNO.1の実績を持つデシャンボーにとって、ボールの契約は、どのメーカーを選ぶにしても、有利な条件を引き出すことができたろう。
ところが、デシャンボーはアメリカの大手メーカーではなく、日本のメーカーであるブリヂストンを選択した。その理由は、ボール品質の確かさだ。普段から競技で使うボールを塩水に浮かべて回転させ、重心が真ん中にあるかをチェックしてから使用するというデシャンボーは、さまざまなメーカーのボールを検査したところ、ブリヂストンのボールがもっとも誤差が少なかったという。選択した理由が、契約条件ではなく品質、というのが清々しいほどに合理的だ。
もっとも、品質誤差の少なさだけでボールを語るのは不十分だろう。『TOUR B330S』は、前作から採用されている「スーパーハイドロコア」と呼ばれる中心は軟らかく外側は硬いコアを採用し、ボール初速の向上とドライバーでの低スピン化を実現している。ドライバーの飛距離が伸びているというのは、内外のボール使用プロから、少なからず聞こえてくる感想だ。
そんなデシャンボーが使用するのが、ブリヂストンのボール『TOUR B330S』だ。本来であれば、アマチュアでNO.1の実績を持つデシャンボーにとって、ボールの契約は、どのメーカーを選ぶにしても、有利な条件を引き出すことができたろう。
ところが、デシャンボーはアメリカの大手メーカーではなく、日本のメーカーであるブリヂストンを選択した。その理由は、ボール品質の確かさだ。普段から競技で使うボールを塩水に浮かべて回転させ、重心が真ん中にあるかをチェックしてから使用するというデシャンボーは、さまざまなメーカーのボールを検査したところ、ブリヂストンのボールがもっとも誤差が少なかったという。選択した理由が、契約条件ではなく品質、というのが清々しいほどに合理的だ。
もっとも、品質誤差の少なさだけでボールを語るのは不十分だろう。『TOUR B330S』は、前作から採用されている「スーパーハイドロコア」と呼ばれる中心は軟らかく外側は硬いコアを採用し、ボール初速の向上とドライバーでの低スピン化を実現している。ドライバーの飛距離が伸びているというのは、内外のボール使用プロから、少なからず聞こえてくる感想だ。
ボールが自己修復するコーティング技術
デシャンボーやリオ五輪で銅メダルを獲得したマット・クーチャーが使用する『TOUR B330S』や少ししっかりとした打感の『TOUR B330S』、さらにディスタンス系のウレタンカバーボールである『TOUR B V10』の3種のボールには、「スリップレスバイトコーティング」という新しい塗料が採用されている。
ボールを擦り合わせると、くっついてしまう程の強い摩擦力を持つ、このコーティングだが、ボールについた微細なキズであれば、自己修復機能によって元の状態に戻るという驚きの特徴を備えている。コーティングの材料が、非常に軟らかく高弾性のため、一度ついたキズが、外部からの圧によって押し戻されることでキズが修復されるという仕組みだ。
もっとも、コーティングは10数ミクロンの厚さのため、目視できるほど深い傷が入った場合は、修復するのは難しい。むしろ、ボールの耐久性が向上したのに加え、ラフからでもボールをコントロールしやすいのが、真のメリットと言えるだろう。悪条件で性能を発揮する特性は、厳しいツアーのセッティングでは大きな武器になる。
デシャンボーもまた、悪天候だった今回の試合で、「正確な飛距離とスピンコントロールを維持し、僕のプレーにものすごく優位にはたらいてくれた」とボールへの賞賛を惜しまなかった。非常にシンプルなプレースタイルのデシャンボーだけに、ボールがライや天候に左右されにくく、安定した性能を発揮してくれることが心強かったに違いない。
ボールを擦り合わせると、くっついてしまう程の強い摩擦力を持つ、このコーティングだが、ボールについた微細なキズであれば、自己修復機能によって元の状態に戻るという驚きの特徴を備えている。コーティングの材料が、非常に軟らかく高弾性のため、一度ついたキズが、外部からの圧によって押し戻されることでキズが修復されるという仕組みだ。
もっとも、コーティングは10数ミクロンの厚さのため、目視できるほど深い傷が入った場合は、修復するのは難しい。むしろ、ボールの耐久性が向上したのに加え、ラフからでもボールをコントロールしやすいのが、真のメリットと言えるだろう。悪条件で性能を発揮する特性は、厳しいツアーのセッティングでは大きな武器になる。
デシャンボーもまた、悪天候だった今回の試合で、「正確な飛距離とスピンコントロールを維持し、僕のプレーにものすごく優位にはたらいてくれた」とボールへの賞賛を惜しまなかった。非常にシンプルなプレースタイルのデシャンボーだけに、ボールがライや天候に左右されにくく、安定した性能を発揮してくれることが心強かったに違いない。