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    肉体改造によって大幅飛距離アップしたブライソン・デシャンボー。超人的なパワーを受け止めるギアとは?

    大胆な筋肉増量によって、短期間で驚異的な飛距離アップを実現した、“ゴルフの科学者”ブライソン・デシャンボー。肉体改造後は成績も大きく向上し、「ロケットモーゲージ・クラシック」では、圧巻の優勝を果たしたデシャンボーのボールに注目してみた。<br> text by Kazuhiro Koyama photo by Getty Images

    配信日時:2020年7月10日 05時15分

    • ギア

    超人的なパワーを飛距離に変えるボールの存在

    ブリヂストンゴルフは公式サイトでデシャンボーの優勝を祝福

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    このとんでもない飛距離アップには、肉体改造やスイングのマイナーチェンジのほか、ドラコン選手顔負けのロフト角5.5度のドライバーを選ぶなど、ギア選びも要因だろう。そのなかで、ボールの貢献度は一見するとそれほど大きくないように思える。

    しかし、考えてみてほしい。平均飛距離が230〜250yの女子プロとは、なんと100yの飛距離差があるデシャンボーとが、同じボールを使用しているという事実は、驚くべきことだと言って良いのではないだろうか。

    本来、ゴルフボールはその人にあったヘッドスピードで、コアの潰れ方やスピン量などが適正にならないと、良いパフォーマンスを出すことは出来ない。以前レポートしたブリヂストンのボールフィッティングでは、同じボール初速であってもスピン量の差によって、30yの飛距離差が出ることもあったほどだ。

    ボールの違いで、ドライバー飛距離が最大30ヤード以上も変わった! ブリヂストンボールフィッティング (2)

    現在、地球上に存在するボールで、デシャンボーのような規格外のパワーヒッターが使用することを想定したボールはないだろう。大抵のボールでは、強烈なスピンやエネルギーロスで、十分な飛距離を出すことが出来ないはずだ。

    しかし、彼の使用球『TOUR B X』は、あの超人的なパワーを受け止めて、吹け上がることもなく、より強い弾道で前に飛ぶ力となっている。かつて、ブリヂストンのボールでは『NEWING』が、ゴルファー全領域に対応を謳っていたのが思い出されるが、現代においても『TOUR B X』の性能は、超人的なパワーを持つデシャンボーのゴルフに欠かせないものになっている。デシャンボーと女子プロ、平均飛距離に100yの差があっても、同じように優れたパフォーマンスを出せることに、驚嘆せざるを得ない。また、飛距離性能に加え彼がこだわる「高品質」なボールでなければ、それを実現することが難しいことは容易に想像できる。
    この週、デシャンボーのヘッドスピードは最大61.2m/sを記録。シャフトが悲鳴を上げていそう……!

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    そして、飛距離だけでなく、デシャンボーはショートゲームも冴え渡った。パー4では、ティショットがグリーン近くまで届くこともしばしばで、ウェッジで軽く打つだけでピンに近づけることが出来る。そのウェッジショットの距離感が良かった。6番アイアンと同じ長さの37.5インチのウェッジで、器用に距離を打ち分けていて、スピンコントロールも適正だった。

    パッティングも群を抜いて良い。「ロケットモーゲージ・クラシック」では、ストローク・ゲインド・パッティングが+7.83(1位)という驚異的な数字で、これは、平均よりも7.83打もパッティングが良かったということだ。もちろん平均飛距離もストローク・ゲインド・オフ・ザ・ティー(ティショットの貢献度合い)も堂々の1位という圧倒的なパフォーマンスだ。

    【Twitter】米ブリヂストンゴルフがデシャンボーの超人的スタッツを一覧化。デシャンボーは「最高のボールだ」と賞賛

    超人的なドライバーショットのパワーを受け止め、ショートゲームではスピン性能とフィーリングの良さを発揮する『TOUR B X』。どちらかというと、ロフト角5.5度のドライバーやワンレングスアイアンに目がいきがちだが、ボールの貢献度も見逃せないものがあるのではないだろうか。デシャンボーも優勝後に「新しい『TOUR B X』をとても気に入っていて、ドライバーからパターまで、あらゆる番手、あらゆるシチュエーションで思い通りの弾道、飛距離、スピンをコントロールすることが出来る」とコメントしている。

    今後、デシャンボーに追随する選手が続々と現れ、さらなるパワーゴルフの時代がやってきそうな気配だ。ファンはその雰囲気を敏感に感じ取っていて、デシャンボーのパフォーマンスにざわつきを隠せない。そのとき、ボール選びはプロにとってさらに重要なものになるだろう。

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