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    新生『B』はリスタート!? 秋発売のブリヂストン『TOUR B X』はどう変わるのか?

    未発表のBSの新作『TOUR B X』ドライバーを打つことが出来ました! 前作との違いは?

    配信日時:2020年7月28日 09時18分

    • ギア
    目次 / index
    • 前作の金属弦「筋金」の使い方が変わり、たわみ方向をコントロール。『JGR』にも入った「SPコア」も入っていて、反発が上がっています
    • 新作は左に行かなさそう!
    • 素直な顔の印象どおり? 全員フック系の球が減りました!
    • 純正シャフトは、新作の方が【元ゆる・先硬系】で、これも左に行かない理由かと…
    • ウェイトポートが後方外周に5つ。7gのウェイト可変ですが、けっこう効きます
    • 大MOIブームはここで終わったと思っていました…
    この記事の写真 8 枚を見る

    「ネジレナイ」。上級者が求める本質?

    前作の金属弦「筋金」の使い方が変わり、たわみ方向をコントロール。『JGR』にも入った「SPコア」も入っていて、反発が上がっています

    前作の金属弦「筋金」の使い方が変わり、たわみ方向をコントロール。『JGR』にも入った「SPコア」も入っていて、反発が上がっています

    BS担当者(以下、BS) 今回の新作のキーワードは「ねじれない球」です。上級者やプロがよく表現する【自分の思い通りに目標に運べるときの表現】ですね。そのために、クラウンのカーボン素材を見直して、前作とは違う形で「筋金」と呼ぶ金属弦でカーボン素材を補強しています。目標方向にはたわみますが、横方向にはたわまず、クラウン部のエネルギー伝達がよくなっています。

    筆者 いきなり何かと思ったら、「ねじれない球」ですか……。それ、球を曲げることにかけては世界ランキング上位のボクには、到底ムリに感じます……(泣)そもそも、ねじれない球なんて、ドライバーで打てたことがないもん……。アマチュアゴルファーにその言葉って伝わるのかなぁ……。

    UGS筒康博(以下、筒) ねじれない球。うん!分かります。っていうか、この言葉って、ねじれない球を見たことがあるか?で反応が分かれますよね。ボクは研修生時代からめちゃくちゃ使う表現です。

    UGS石塚昌広(以下、石塚) いや、分かるでしょ。「ねじれない球」とか、めちゃくちゃ使いますって! 性格も球もねじれ過ぎてる長岡さんには分からないかもしれませんけど。

    BS 弊社の調査でも、「ねじれない球」の大切さをゴルファーの皆さんがかなり認知していると出ていますよ。

    筆者 ………。(泣、そ、そんなもんかなぁ…。ねじれない球って、ストレート弾道のことじゃないの? ボールのスピン軸の傾きがゼロなんて、プロでも難しいし、アマチュアには不可能じゃん!と、言いつつもそこを目指してデシャンボースイングにトライしてますけど……)

     いや、ねじれない球の大切さを追求するとは……、相当楽しみです!

    筆者 ………。(どうせボクのネジレ球が直るはずなんてない…)

    構えると、フェース角がオープン! フラット化して外ブラ風味?

    新作は左に行かなさそう!

    新作は左に行かなさそう!

    石塚 おっ、構えるとけっこう素直ですね。パッと置いた印象ですごく外ブラ感を感じますよ。形状は同じ丸形ですけど、フェース角が2°くらい開いて見えます。左に行かなさそうだし、めちゃくちゃ目標方向を意識しやすいですね! なんか、でも、BSさんらしくない気もしますが……。

    BS そうなんですよ。今回は議論を重ねて競技者が求めるものを形にするため、ドライバーからFW、UTまで全体的にフェース角がオープンになっていますね。弊社としては挑戦というか、リスタートという位置づけのクラブとなります。

    筆者 石塚 ………。(ギラッと目つきが変わる)

    筆者 これ構えると、ライ角がフラット化して見えますよ。BSさんと言えば、『JGR』を代表に、歴代アップライト目なドライバーで、トゥ側もこんもり高くつかまりを意識させる形状が得意でしたよね? それとは逆で、今回はトゥが低くなって感じて、左にいかなさそうというか、すごくニュートラルな感じがします。個人的にはチーピンがこなさそうで、嬉しい!

    BS そうなんですよ。そこも議論を重ねましたが、リスタートです。ライ角は前作が58°で、今回は57°と確かにフラットになっていますが、それだけでなく、形状も仰る通りですね。

     なるほど………。ライ角フラットの流れは、テーラーメイドの『SIM』やミズノ『ST200』なんかと共通するキーワードですね!(これ、バルジとロールも前作よりフラット化してるなぁ…、やっぱりリスタートものは買いだわ…)

    石塚 おぉ〜〜これ、買います。(形状は外ブラ風味だし、デザインもカッコいい、今年は絶対に国産が来る。リスタートものだし…)

    打つと、前作より素直な球。たしかに「ネジレナイ」

    素直な顔の印象どおり? 全員フック系の球が減りました!

    素直な顔の印象どおり? 全員フック系の球が減りました!

    筆者 ちょっと、石塚さん! 打つ前に購入決めるの、やめてもらえます? しかも、発売日も値段もまだ発表前ですから! じゃあ、新旧比較ということで、筒さんから試打をお願いします。「ネジレナイ」が売りらしいので、フェアウェイ幅は30ヤードにして、枠内に入れてください。

    ―― 筒、石塚、筆者の順で新旧✕3球 ――

     前作『XD-3』はたしか重心距離が36mmだったと思いますけど、以前に打った印象どおり、少し巻き球傾向になりますね。ボクは中弾道ドローが持ち球ですけど、ターゲットを越えてつかまるイメージが強いですね。本当はもっとハイドローをイメージしてるので、その意味ではネジレてます……。

    筆者 前作、ネジレてますね〜〜!新作は打ち出しは右ですが、ネジレてないし飛んでますよ。平均で3〜5ヤードくらいは出てますね。
    純正シャフトは、新作の方が【元ゆる・先硬系】で、これも左に行かない理由かと…

    純正シャフトは、新作の方が【元ゆる・先硬系】で、これも左に行かない理由かと…

     新作は本当に素直というか、バランスがいいですよね。重心距離は37.8mmとのことですけど、すごく挙動がマイルドになりました。慣性モーメントも上がってそうに感じますけど?

    BS そうですね。
    前作より1000g・cm2以上上がっています。ウェイトポートが後方に付くので、その分後方外周が重くなっていますので。

    全員 !!!!! 1000以上!?

    BS はい。でも、今回弊社の開発は、「一般ゴルファーの試打データから、日本のゴルファーの傾向は右へミスする人が多く、その部分でもっと飛距離を伸ばせる余地がある」と話しています。皆さん、『SIM』や『MAVRIK』と比べてどう感じますか? 率直なところをお聞きしたいです。

    バック部に5つのウェイト可変ポート。これが効く!

    ウェイトポートが後方外周に5つ。7gのウェイト可変ですが、けっこう効きます

    ウェイトポートが後方外周に5つ。7gのウェイト可変ですが、けっこう効きます

    石塚 ボク『SIM MAX』も『MAVRIK』も買いましたけど、たしかに外ブラよりも右に滑らないですね。かといって、前作みたいにつかまり過ぎることもなく、構えた素直な顔どおり、素直な球が出る。めちゃくちゃちょうどいいんですけど? 今回は後方のウェイト可変も出来るじゃないですか。ノーマルはヒールから2個めの場所ですが、試しに一番遠いフェードポジションにしてみたら、ボクの場合はいい感じになりましたね。

    筆者 うん。打ち比べると分かりますね。大MOIの外ブラほど遅れる感じがなく、それでいて前作のチーピンやフックの印象もない。MAXフェードポジションが外ブラと同等のターン度合いで、そこから一つずつ内側にしていくと、何もしなくてもつかまるポジションが絶対見つかると思います。

     長岡さんの場合は、行きも帰りも自分の出力を際限なく開放するタイプなので、許容範囲を越えたヘッドだと、ど右へ行きがちですよね。ある種、反射や防衛本能が働かない。多くのアマチュアも出力やフェースコントロール、ヘッド挙動に鈍感なところがあるので似たような状況にあると思います。でも、石塚さんの場合はちょっと違うというか……。

    石塚さんは、長い重心距離やヘッドの存在をダウンで感じることで、無意識の反射が入って球がつかまるタイプ。長い重心距離の方がつかまるというか、無意識につかまえるスイッチが働くタイプ。こういう人は、元々大MOIの外ブラでも難なくつかまるんです。でも、そう器用に反射を毎回コントロールできる人も少ないので、BSさんの整えてきた新作のバランスはうまくハマる人が多いと思います。

    筆者 なんか小難しい説明ですけど、【外ブラよりつかまるけど、チーピンは出ない】じゃダメなんですか?

    筒 「大MOIヘッドを誤解する人が多い」

    大MOIブームはここで終わったと思っていました…

    大MOIブームはここで終わったと思っていました…

     もうちょっと踏み込みたいんですよ。この新作が狙っているのは、【大MOIを魔法の杖と誤解して失敗した人】向けだと思うので。

    筆者 なにそれ!? 気になる言い方ですね……。

     大MOI、つまり大きな慣性モーメントって、使うだけでヘッドが真っすぐ動いて、フェースが開かずに動く【魔法の杖】のように誤解する人が多いんです。実際は、ヘッドを動かすのに大きなエネルギーが必要で、一度動き始めたら一方方向に動きやすいのが本質です。操作が出来ずに挙動が安定する一方、ヘッド軌道やフェース角をコントロールできての真っすぐ弾道でもある。間違えた使い方をすれば、右にど真っすぐのOBや、左にど引っかけも当然出ます。

    筆者 ………。そ、それって、ボクに言ってます???

     いや………、一般論です……。ゴルファーって、魔法の杖のはずの大MOIで苦い経験をすると、どんどん振れなくなるんですよ。出力を落として振ると挙動の穏やかさでなんとなく助かるケースが増えるので。で、最大飛距離が犠牲になる。やっぱり、自分の出力を開放して、開閉を使って気持ちよく振ってドンピシャでフェースがスクエアに戻る方が飛ぶ人が大半です。
    「反射が入らないヘッドだと、思い切り振れますよね」(筒)

    「反射が入らないヘッドだと、思い切り振れますよね」(筒)

    石塚 そう。だからボクは小ぶりで重心距離が短めのヘッドが基本です。大MOIを使ってるお客さんも、「飛ばないけど、曲がらないからそれでいい」と飛びは諦めてる人がほとんど。でも、この新作は違って、アクセルを思い切り踏める。シャフトを『TPT』辺りにリシャフトしたら、相当いい感じで豪快にイケる感じがします。どんなシャフト、どんなゴルファーにも合わせやすい超バランス型ですよね。

     はい。それと、FWやUTの仕上がりも含めてなんですが、ドライバーからアイアンまで一つのスイング感覚、ターン感覚で揃うメリットですよね。やっぱり、BSさんが長い間、極端に長い重心距離のものを作ってこなかったこともそこに理由があると思うんです。許容範囲を越すヘッドは反射が入って、スイング感覚や出球の管理が狂う。そこまでのドライバーを作らないこと。その本質は貫いていく中で、【大MOIを誤解して失敗した人】の受け皿として完璧に機能すると思います。

    筆者 ちょっと、脳内がパンク気味です……。

    石塚 F1ドライバーですよ、長岡さん。天下のタイヤメーカー、ブリヂストンのカラーリングがF1スポーツの雰囲気をビンビン放ってるでしょ? いわば、大MOIはミニバンとか、大型バスです。そんな足回りと巨体でスピード出せるんですか? 正確にコーナリングできます? 出来ないでしょ? コントロール出来るからこそ、スピードは出せるんです。日本のゴルファーが、そのことを忘れてるから、このクラブをボクは買うってことです!!!

    筆者 分かりましたよ…、今日はもうギブです……。(未発表のクラブなのに、なんちゅう熱量だよ……)

    Text/Mikiro Nagaoka

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