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    ミズノ『JPX921』シリーズのアマ試打レポ。『ホットメタル』ヤバ過ぎ! ゲ、ゲームチェンジャー…

    ミズノの『JPX921』シリーズアイアン3機種をコースでチェックしてきました! 近年でいうと、タイトリスト『T』シリーズ以来の衝撃が!

    配信日時:2020年9月25日 10時00分

    • ギア
    目次 / index
    • 『フォージド』(一番左)と『ホットメタル』(真ん中)はデザインがそっくり……
    • 左から『ツアー』『フォージド』『ホットメタル』
    • 左から『ホットメタル』『フォージド』『ツアー』
    • ボールをコンコン当てる跳ね返りチェックで、カンタンに芯の広さが確認できます。『ホットメタル』、ヤバ過ぎる芯の広さ…
    • 7IでMAX210yを記録した還暦間近のP編…
    • ラフからの球の高さは『JPX921フォージド』の方が勝ります
    この記事の写真 13 枚を見る

    ぱっと見は『フォージド』と『ホットメタル』の見分けがつかない…

    『フォージド』(一番左)と『ホットメタル』(真ん中)はデザインがそっくり……

    『フォージド』(一番左)と『ホットメタル』(真ん中)はデザインがそっくり……

    筆者 今日はミズノの最新作『JPX921』シリーズを打ち比べましょう。前回、発表会の後に議論した通り、今作はなんと、軟鉄鍛造は『JPX921ツアー』だけ。その他の『JPX921フォージド』がフェースネック一体成型の【クロモリ鍛造】になっていて、『JPX921ホットメタル』がクロモリ鋳造のJPX史上最速フェースです。

    ⇒軟鉄鍛造のその先へ。ミズノ『JPX921』シリーズが切り拓く、【クロモリ鍛造】の新世界

    P編 そこ、おさらいする必要ある? お勉強はいいから、早く打とうぜ!

     うぉ〜〜、これが実物ですかぁ〜〜。うわっ、『JPX921ツアー』いい顔してますねぇ〜。これがケプカ選手の好みを具現化しているというわけですね! あれっ!? これ『JPX921フォージド』なのか、『JPX921ホットメタル』なのか、どっちなんですかね? バックフェースがそっくりだから、どっちがどっちか分かりませんよ!
    左から『ツアー』『フォージド』『ホットメタル』

    左から『ツアー』『フォージド』『ホットメタル』

    筆者 ………。(バックフェースに書いてあるじゃん……)っていうか、筒さん、サイズで大体判断できるでしょ! 大きい方が『ホットメタル』に決まってるじゃないですか。何年この仕事してるんですか!

     いやいや、『ホットメタル』って7Iのフェース長が85.4mmと言ってましたよね? これ、構えると普通のサイズというか、そこまで大きく見えないですよ?

    P編 ん? どれどれ……。ホントだ! 『ホットメタル』ってソールはかなり幅広で大きく見えるのに、構えると全然ボテッとしてないじゃん! それに、やさしいアイアンにありがちな、オフセットも全然控えめだよ??? これなら、筒さんも間違うはずだよ。だって、ピン『G710』とか、ダンロップゼクシオイレブン』とか、フェースがめちゃくちゃ長く見えるし、オフセットも大きいけど、これなら中・上級者も使えるはずだよ。大きいのに、大きく見えないって最高じゃん!
    左から『ホットメタル』『フォージド』『ツアー』

    左から『ホットメタル』『フォージド』『ツアー』

    筆者 えっ、ちょっと貸して。あら、ホントですね。たしかに85.4mmもあるようには全然見えないです。なんだろう、やさしさもあるけど、オフセットが少ないからか、顔のバランス的には長く使えそうな感じがしますね。バックフェースのデザインも控えめだし。うん、いいかも……。(でも、これ『フォージド』とバックフェース似過ぎでしょ……)

    P編 これ、顔のバランスがいいから、大きいのに、大きく見えない。いい!

    『ホットメタル』の芯が広過ぎ! 『フォージド』もサイズの割に寛容性◎

    ボールをコンコン当てる跳ね返りチェックで、カンタンに芯の広さが確認できます。『ホットメタル』、ヤバ過ぎる芯の広さ…

    ボールをコンコン当てる跳ね返りチェックで、カンタンに芯の広さが確認できます。『ホットメタル』、ヤバ過ぎる芯の広さ…

     じゃあ、ボクから打ちますよ! 『ホットメタル』の7Iはロフト29°ですから、ボクのヘッドスピード(1Wで41〜43m/s)的には最低でも160ヤードくらいは飛んでくれると嬉しいですけどね……。

    ―― パシーンとグリーンやや左へ中・高弾道ドロー ――

    P編 さすが、筒さん。ちょっと左に巻いたけど、いいドローだね。じゃあ、私も打つよ!

    筆者 村田さん、ピンまで230ヤードもあるのに、けっこう行っちゃいましたね。ボクは少しダフリ気味でかなり打点が上だったのに195ヤードくらい行ってましたよ、7Iで……。これ、芯くったら+15くらい行きそう。
    7IでMAX210yを記録した還暦間近のP編…

    7IでMAX210yを記録した還暦間近のP編…

    P編 私も打点は少しトゥに外れたよ? でも、210くらい飛んでたね。還暦間近でスイング改造中なのに、この飛距離は有り難い。というか、コレ、本当にウッドみたいだね。アイアン型UTみたいな打感と初速だよ。

     これ、原英莉花プロが言ってた通りです。アイアンらしい形なのに、打つとウッドみたいに高初速でぶっ飛んでいきますね。ボク、完璧な当たりにはほど遠い先っぽに当たったんですが、行ってみたら185ヤードも飛んでました!!! それに、『JPX921フォージド』も打ちましたが、このサイズではかなり芯の広い方だと思います。それに、さっきみんなで深めのラフからも2機種を打ったじゃないですか。

    全米オープンのデシャンボー選手じゃないですけど、そういうラフでも初速が速いからか、打ち出し角は低めなんですけど、草が戻る前に出射してしっかり距離を出せますね。っていうか、早く5Dのラボに戻って、GEARSで動き確認したいです。これ、『フォージド』もそうなんですけど【特に『ホットメタル』がネバーフリップ動作を感じる】というか……。
    ラフからの球の高さは『JPX921フォージド』の方が勝ります

    ラフからの球の高さは『JPX921フォージド』の方が勝ります

    筆者 それ分かる。特に『JPX921ホットメタル』の方は、ラフから高速で飛び出していってちょっと飛び過ぎちゃいました……。けっこう深いラフから抑えめに振ったのに、キャリー165ヤード+ラン25ヤードって感じの球が出ましたね。そういう意味じゃ、『JPX921フォージド』の方がランも少なめでキャリーが増えるから、ラフなら『フォージド』かな。

    P編 っていうか、「ネバーフリップ」って何!? また、筒さん独特の表現が来たね。ちょっと私にはスイングの細かいことは分からないから、その話は長岡として。せっかくだから、ケプカ選手が使う可能性の高い『JPX921ツアー』もチェックしたいしさ。

    落ち着いた打感でちょっと飛ぶ。『JPX921ツアー』

    筆者 ………。(ネバーフリップってたしかに気になるけど、後で確認するか…) じゃ、150ヤード前後の距離を中心に、『JPX921ツアー』を確認しましょう。ボク、このアイアン、超構えやすくて顔が好きなんですよ。時松隆光も「弾道がブレない」と言ってますし、手嶋多一も「ちょっと飛ぶ」と言ってます。

    ―― 『JPX921ツアー』✕3人 ――

     もう、これは鉄板ですよね。さすが、ミズノ、さすがケプカ選手!って感じで言うことないです。打感もモチッと落ち着いた感じで球が乗りますし、『プロV1』との打感の相性がバツグンにイイですねぇ〜〜。これ、顔つきもちょっと今までの『MizunoPro』とはちょっと違いますよ。

    ちょっとフェース長が長くなって見えるというか、プル角も減って見えるので、すごく素直な弾道になりやすい。リーディングエッジのラインも『MizunoPro』より丸みがなくて、包み込むイメージというより、切れ味がシャープな印象が強くなった感じ。
    筆者 そうそう、時松隆光も『MP-66』の方が顔が好きで、『JPX921ツアー』の方が顔が細く見えるそう。でも、弾道のブレは明らかにこっちが少なくて替えたそうですね。フェース長はほとんど同じなのに、『JPX919ツアー』より重心距離も少し短くなっているそう。操作性や切れは増している印象は打ってて感じますね。

    P編 コレ、むちゃくちゃ球が上がる。私でも8割スイングで7Iで160ヤード弱カンタンに打てたね。顔はシャープだけど、すごく球が上がる。球のくっつく時間が長いからか、方向もいいよね。時松プロの言うことも、ヘタな私でもなんとなく分かるよ。

    筆者 まぁ、でも7Iのロフトは34°もありますからね。ロフト31°の『JPX921フォージド』や29°の『JPX921ホットメタル』より球が上がるのは当然かなと。ね、筒さん?

     ………。いや、う〜ん……。

    球の強さは「ネバーフリップ」と関連する!?

    【ネバーフリップ】ってこういうこと…

    【ネバーフリップ】ってこういうこと…

    筆者 あれ? 筒さん?

     5Dゴルフのラボに戻りましょう。球の高さの議論については、GEARSとフライトスコープでチェックしたいですから。

    ―― 筒、ラボでチェック作業を終える ――

     長岡さん、やっぱり感じた通りでした! これ、JPX921ホットメタル』も『JPX921フォージド』も、やっぱり【ネバーフリップ系のアイアン】だと言えますよ!!! 上下MOIがデカイというか、インパクトロフトをすごく安定させやすいです! だから、球を押しやすくて、距離の落ち込みが少ないというか。フェースの弾きと打点エリアの広さも相まって、この2つは、間違いなく【かなりショートしづらいアイアン】だと言えますね!

    P編 筒さん、小難しい話はやめて!!! そもそも【ネバーフリップ】ってどういう意味なの? なんのことだか、全然分からないよ!(怒)

     フリップというのは、右手を手のひら側に折るような動きがインパクトで入ってしまうことです。こうなると、インパクトロフトが付きすぎてしまって、弱い球で飛びません。よく「7Iと6Iの距離がほとんど変わらない」という方がいますが、そういう人はフリップ癖を必ず持ってますね。アマチュアの8割くらいが多かれ少なかれ、フリップ動作が入ってしまっていると思います。
    【フリップ癖】ってこういうこと…(泣)

    【フリップ癖】ってこういうこと…(泣)

    P編 ネバーということは、そういうフリップが入らないってこと? なんで?

     ミズノのアイアンってプル角の付いたモデルも多かったんですが、今回の『JPX921』シリーズはそこが少ない。プル角って、スクエアフェースの状態で構えた時に、ネック軸が目標側に倒れる角度ですが、つかまりやすさを生みますよね。でも、プル角の大きいものだと自分でつかまえられる人は、いい顔の位置を探して、無意識にハンドファーストに構えすぎちゃう傾向もあります。それだとどんどんロフトが立っちゃうので、今度は動きの中で球を無意識に上げようとして、フリップ癖がついちゃう。そういうのがない、素直なネック設計です。

    筆者 たしかに、『JPX921ホットメタル』って、このサイズのアイアンにしては、すごくオフセットも少ないし、ネックも素直ですよね。でも、フリップが減ると、球は上がりづらくなりませんか?

    筒 「さすがツアー本場のアメリカとの共同開発。当て方がよくなる」

     はい、球は強くなります。でも、フリップ癖って、中々頑固でカンタンに直せるものでもないんですよ。でも、『JPX921ホットメタル』は特にこの【ネバーフリップ効果】が強いというか、上下MOIが高いというか、ハンドファーストで球をターゲットに押すようなインパクトになりやすい。

    やっぱりPGAツアーの本場・アメリカと共同設計されたからか、ハンドファーストで真っすぐ球を押して飛ばせる【PGAツアー選手のインパクト】に導いてくれる気がします。ロフト29°で普通の長さなのに、長岡さんも村田さんもMAX210ヤードくらい飛んだでしょう? ボクのヘッドスピードでも185ヤードくらい打てたんですが、これってよく考えると、ロフト25、26°くらいの超ぶっ飛び系アイアンの飛距離ですよね?

    P編筆者 !!!(た、たしかに…)
     ミズノの発表会の時に「アメリカではJPX919ホットメタルがベストセラー」だと言ってたらしいですけど、それもよく分かるというか。アメリカでは、ゲーム改善アイアンとこの手のモデルを呼びますけど、まさにそんな感じ。ウッドのように弾きが強く、芯がめちゃくちゃ広い上にネバーフリップ系で当て方まで良くなってくる。球は強めになりますが、打点がブレても全然ショートしないから、武器になると思いますよ!

    P編 そういえば、今日コースで一度もショートしなかったね! 60歳間近の私でもこんなにラクに飛距離が出ると嬉しいよ。気分的にはPGAツアープロになったみたい。デシャンボー選手の7Iがキャリー205ヤードだっけ? そこまではいかないにしても、近い距離がこの歳で打てるなんて夢があるじゃない。コレ、全番手アイアン型UTだよ!

    筆者 はい。これ、初速もヤバいし芯が広すぎ。ここまでの驚きって、記憶にあるとするならタイトリスト『T』シリーズの時くらいですよね? 筒さん。

     はい、ミスの強さで言うなら、『T』シリーズの時以上です。JPX921ホットメタル』は間違いなく【ゲームチェンジャー】ですね。これは本当にズルい飛び系アイアンです……。ピンのような中空構造にもしてないのに、ここまで中空のウッド的な性能が出せるとは………。

    Text/Mikiro Nagaoka

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