PGAツアートッププロが迷わずツアー投入。石坂友宏も10Yアップ!
「SIM」の後継、「SIM2」を使うダスティン・ジョンソンは、「見た目も打感も素晴らしく、ボクが求める飛距離と安定感を備えている」と高評価。「SIM MAX」の後継、「SIM2 MAX」を使うコリン・モリカワは、「これまでよりもフェードの曲がり幅が小さくなって飛距離が伸びた」とコメントしている。
また、国内では今季テーラーメイドと総合契約を結んだ石坂友宏が、下記のように新ドライバーで今季ツアーを戦うことを明言。多くのトッププロが迷わずツアーに投入している「SIM2」シリーズ。今後、世界中のツアーと市場を席巻すること間違いなしだ。
また、前作よりもクラウンの色が黒く締まって、トップラインの白い部分が強調。ターゲットラインに対してスクエアに構えやすいですし、後方の青いエッジもカッコいいですね。高機能クラブとして評価の高かった『SIM』よりも、さらに機能性とデザイン性が向上した『SIM2』。一体どんなテクノロジーが搭載されているのか興味津々です(石坂)
ここからは、テーラーメイド契約プロの石坂、そして同社のハードグッズプロダクト担当・高橋伸忠氏と共に「SIM2」シリーズ共通のテクノロジーを見てみよう。
4つのパーツだけでできている『SIM2』。何がすごいのか、石坂が直撃!
高橋 「SIM2」は、ツイストフェースやスピードインジェクションといった「SIM」のテクノロジーを継承しつつ、これまでにない画期的な構造で、さらなるやさしさを追求しています。
石坂 どんな構造なんですか?
高橋 まず、ボディ一体型のフェースとアルミリングでヘッドのフレームを作ります。そして、クラウンとソールを100%カーボンにしてヘッドの中央を軽量化。重量を前後に振り分けることで慣性モーメントを高めているのです。アルミリングは鍛造加工したあと、コンピューターミーリングで成型。反発性能が高いボディ一体型フェースとワンタッチで合体できます。
そして、軽量のリングの後ろには16〜24グラムものウェイトを装着し、重量のほとんどをフェースと後方に分散することで慣性モーメントがアップ。前作よりもスイートエリアが大幅に広がっています。また、ヘッドの周辺を金属のリングでつなげることで、打球音はカーボンの多いヘッドにありがちな軽い音ではなく、心地よく響く金属音になっています。
石坂 確かに今まで見たことのない構造ですが、青いリングにはそんな役割があったんですね。ボディとフェースの一体化にはどんなメリットがあるんですか?
「SIM2」のフェースは一見カップフェースに見えますが、実はフェースとボディの一体成型になっています。フェースの板材やカップフェースをボディに溶接すると、どうしても接続部分に厚みができ、周辺の反発性能が低下しますが、「SIM2」は一切溶接を施していないので、フェース周辺の反発性能が落ちていないんです。
石坂 『SIM』についていたフェースの青いポートはなくなったんですか?
高橋 「SIM」にも搭載されているテクノロジー「スピードインジェクション」は、いったんルール上限を超える高反発フェースを作り、フェース裏側の2か所のポートに樹脂を入れることでルールギリギリの反発性能を実現していました。そのため、フェースに2か所の穴を開けて樹脂を注入し、ポートで穴を塞いでいましたが、どうしてもポート周辺の反発が低下していました。そこで「SIM2」はトゥ側から1か所のポートに樹脂を注入。フェースのポートを取り外し、フェース全面の反発性能を上げています。
石坂友宏のエースになるのは『SIM2 MAX』だった!
石坂 最初は「SIM2」かなと思ったのですが、実際に打ってよかったのは「SIM2 MAX」でした。
高橋 「SIM2 MAX」は一番ニュートラルで万人向けのモデルですが、プロにも使えると?
石坂 ボクはもともと球が低いのですが、「SIM2 MAX」はボクが理想とする中弾道ボールで、もっとも飛距離が出ました。フェードボールなのにスピン量は2200回転前後と少なく、風の影響を受けにくいのもいいですね。打感もクラウンとソールがカーボンとは思えないほど力強い金属音で、しかも嫌な響きがないので気持ちよく打てました。
石坂 少しヒールに当たったときでも飛距離と方向性が変わらないし、スクエアに構えられるので、狭いホールやプレッシャーがかかる場面でも安心して打てます。また、すごくラクに打てるのに強い球になるので、幅広いゴルファーの方が使えると思います。
石坂 つかまりがよくて、球が上がりやすいですね。ボクはフェースがやや左を向いているのが気になりましたが、コスリ球で飛距離をロスしている人や、球が上がらない人は飛距離を伸ばせると思います。
高橋 3モデルとも基本的にやさしさを追求しているので、自分が打ちたい弾道に合わせて、ベストなモデルを選んでいただきたいですね。
石坂 ボクも「SIM2 MAX」を武器に、ツアー2勝、賞金王を目指して頑張ります!
ギアマニアの横田真一が前作と比較。最も飛ぶのはどれ?
「『SIM2』シリーズに共通するのは飛距離と直進性の高さ。前作と比べると、やさしく高弾道が打てる『SIM MAX』は、直進性が高い中高弾道で飛ばせる『SIM2 MAX』に。打感が柔らかく操作性が高い『SIM』は、強弾道で飛ばせる『SIM2』に。つかまり重視の『SIM MAX-D』は、力強いドローが打てる『SIM2 MAX-D』になっています。また、前作より全体的にシャフトがしっかりしていて、球の強さと安定感をサポート。見た目はシャープですが、打ってみると前作を超える“飛んで曲がらない”クラブに仕上がっています」(横田真一)
さらに詳しく「SIM2 MAX」の寸評を聞いてみよう。
旧作「SIM MAX」の同じ純正S、9.5°とも打ち比べたが、ナイスショット5球の平均飛距離は「SIM2 MAX」が280ヤード、「SIM MAX」が272ヤードと平均的に上回る結果に。弾道は圧倒的に「SIM2 MAX」の方が高く、打点の寛容性が大幅に増し、それでいてスピン量が比較的少ない新作がキャリーを大幅に引き上げる結果となっていた。
また、前作「SIM MAX-D」と比較して「新作はウェイトがヒール側にあってヘッドが返りやすい。ただ、前作のほうがつかまりがよく、曲がり幅も大きめ。新モデルはつかまりと直進性のバランスがいいですね」と話していた。
最後に、横田が2021年の中でも「一番気になるというか、お気に入りというか、自分のシャフトで改めてもっとテストしてみたいと思うクラブ」と言うのが、セレクトフィットストアでのみ購入ができる「SIM2」だった。
「SIM2 MAX」「SIM2 MAX-D」の純正シャフト「TENSEI BLUE TM50」とは違い、このモデルのシャフトはしっかりとした「TENSEI SILVER TM50」が入っている。そのため、元々スピン量が多めの横田が叩いてもスピンが増えず、ボールが前へ前へと飛ぶ。「このクラブは本気にさせてくれる」とハードヒットして大台の300ヤードに迫る打球をまったく同じ弾道で繰り返すなど、自身の今年のエースドライバー選びに没頭する横田だった。
取材協力・武蔵丘ゴルフコース
撮影・相田克己
文・苔縄和裕