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    「ドライバー・イズ・マネー」化する世界のツアーで、なぜ『ベンタスBK』が急加速する?

    飛ばし屋・マキロイが思わずSNSに投稿するほどの高初速。昨年『ベンタスBK』に変更、今年『SIM2』に替え、また飛びに磨きがかかっているが、マキロイだけでなく、他のプロたちも続々乗り換え中。なぜこのシャフトが今アツいのか?

    配信日時:2021年3月18日 08時00分

    • ギア
    目次 / index
    • 昨年10月から『ベンタスBK』6Xのマキロイ(GettyImages)
    • PGA、LPGA、チャンピオンズでトリプル勝利(GettyImages)
    • 大型ヘッドは打点を左右に外すと暴れやすい。【VeroCore】テクノロジーでコレを防ぐ
    • PGAツアーのトレンドをいち早くキャッチし、既に『BK』の6Xをエースシャフトにしていた谷口拓也
    • 谷口のアイアンシャフトは『DG AMT』
    • 「体を開いて回転速度を上げる最先端スイングに合う」(谷口)
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    テーラーメイド、キャロウェイの最新1W使用者が次々に!

    昨年10月から『ベンタスBK』6Xのマキロイ(GettyImages)

    昨年10月から『ベンタスBK』6Xのマキロイ(GettyImages)

    ブライソン・デシャンボーの肉体改造に端を発し、かつてない飛距離戦争となっているPGAツアー。昨年起きたこの変化と軌を一にして、フジクラ『ベンタス』シリーズ使用者が激増する流れが今年も続いている。代表者は、なんと言ってもローリー・マキロイになるだろう。

    2017、2018年のドライビングディスタンス王のマキロイも、デシャンボーの“ハルク化”で差を付けられていたが、昨年10月から『ベンタスBK』6Xに切り替え、ボール初速を引き上げた。マキロイのInstagram動画や、ヨーロピアンツアーのTwitter投稿でも明らかなように、『ベンタスBK』の6Xと、テーラーメイドの最新作『SIM2』の組み合わせになって以来、また一段と飛距離を引き上げたように見える。

    また、契約フリーのダニエル・バーガーもテーラーメイド『SIM』に6Xの組み合わせで勝利。キャロウェイ勢でもフィル・ミケルソンが47.5インチ(MAVRIK Sub Zero)、ジム・フューリク(EPIC SPEED PROTO)も47インチと『ベンタスBK』で長尺化して飛距離アップに成功。ブランデン・グレイス(EPIC SPEED PROTO)も6Xを選び、PGAツアーで復活勝利をはたしている。
    PGA、LPGA、チャンピオンズでトリプル勝利(GettyImages)

    PGA、LPGA、チャンピオンズでトリプル勝利(GettyImages)

    一方、渋野日向子も使用する『ベンタスBLUE』使用者も負けていない。6Xを使うPGAツアーのキム・シウー(EPIC SPEED PROTO)や6Sを使うLPGAツアーのジェシカ・コルダ(TSi4)が優勝。同一週にはチャンピオンズツアーで『ベンタスBK』6Xを使うダレン・クラーク(SIM)も勝利し、世界3大ツアーでトリプル勝利を飾った。

    このように、『BK』だけではなく、『BLUE』を含めた『ベンタス』シリーズがPGAツアーを中心に、世界中のツアーで加速していることが分かる。ツアーもヘッドもスイングも全く違っているプロたち。一体、なぜこのシャフトが選ばれるのか?

    先端部の【VeroCore】テクノロジーがブレに強い

    大型ヘッドは打点を左右に外すと暴れやすい。【VeroCore】テクノロジーでコレを防ぐ

    大型ヘッドは打点を左右に外すと暴れやすい。【VeroCore】テクノロジーでコレを防ぐ

    答えの一つが『ベンタス』シリーズ全体に採用される、先端補強の「ベロコア」テクノロジーにある。大型&高MOIヘッドに起きがちな、芯を外した時のヘッドの暴れを抑える先端補強技術に加え、『ベンタスBK』は中間部から先端までしなり量が少なく“低スピン”化も図られている。

    先端が強くて当たり負けを防げると、必然的にボール初速も出やすくなる。しかも、軽量化しても低スピンを保てるなら、長尺化のみならず、ヘッドのロフト選択で自在に望むフライトを作りやすくなる。

    もはや、“パット・イズ・マネー”だけではなく、“ドライバー・イズ・マネー”も加速する世界のツアー。これらの場所でトップを目指すには、従来の“置きにいく安定”より、ハードに振っても【スピードアップ+安定】を得られるものを選ぶ。その目的に『ベンタスBK』が合致すると選手たちはよく知っているのである。

    取材前から『BK』がエースの谷口拓也が全スペック試打!

    PGAツアーのトレンドをいち早くキャッチし、既に『BK』の6Xをエースシャフトにしていた谷口拓也

    PGAツアーのトレンドをいち早くキャッチし、既に『BK』の6Xをエースシャフトにしていた谷口拓也

    このPGAツアーの「ベンタス人気」の影響で、発表前から『ベンタスBK』の6Xと7Xを試して6Xをエースシャフトにしていたのが谷口拓也だ。全フレックスを改めて『SIM2 MAX』の10.5°でテストすると、その全貌が見えてきた。「やっぱりアイアンと流れが整いますよ。超シンプル!」と歓喜する。

    「ボクら男子プロに近い中・上級者は、シャフトに余計なことをして欲しくない人が多いです。基本的に、どんなシャフトでもタイミングを合わせて真っすぐ飛ばせますし。『ベンタスBK』は、その点、アイアンで『DG』系を使う人が同じ流れで振れる感じ。アイアンで『DG』を使っている人は、慣れているし、打つ時に何も考えないでしょ? そういうのって、選手にとってはけっこう大事な部分なんですよ。
    谷口のアイアンシャフトは『DG AMT』

    谷口のアイアンシャフトは『DG AMT』

    アマチュアの方でも、1Wとアイアンでタイミングが同じになるのは、2つのスイングを使い分けるよりシンプルで嬉しいですよね? しかも、【ベロコア】の先端の強さで、トゥダウンしてトゥに打点が外れるようなミスでもヘッドが負けづらい。中間部も締まって球が暴れないから、シンプルに出力を上げて振っていけますよね」(谷口拓也)

    これは【打てる人限定】の話しにも聞こえるが、一般アマチュアにはどうなのか?
    「体を開いて回転速度を上げる最先端スイングに合う」(谷口)

    「体を開いて回転速度を上げる最先端スイングに合う」(谷口)

    「もちろん、一般的なゴルファーには、しなり量が大きくて切り返し以降の“間”が長い『ベンタスBLUE』の方が遥かにラクですよ。でも、軽量の5Sや5Xでも低スピンで締まった『ベンタスBK』は目的が合えば化けますよ。これだけ暴れないなら長尺化もしやすいし、最新ドライバーは各社、高MOIヘッドが増えているので、その影響もありますよね。

    『BK』は最新ヘッドと最先端スイングに合いますよ。どんどん体を開いて回転速度を上げるPGAツアー選手のようなハンドファーストに捉えて飛ばす打ち方というか。そういう最先端スイングやクラブに敏感な人は、初速を増して飛びと安定の両立を狙えると思います。今まで他の6Sを使っていた人も、重量帯やフレックスを落としてぜひ5Sや5Xを試してほしいです」(同)

    『BK』全スペック試打! 『BLUE』との違いは?

    黒線が『BK』の6X、青線が『BLUE』の6X。かなり中間部の剛性が違います
    色味は似ていますが、上の2本が『ベンタスBLUE』。「全然『BK』の方がしっかり。ワンフレックスは確実に違うね」(谷口)
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    黒線が『BK』の6X、青線が『BLUE』の6X。かなり中間部の剛性が違います
    谷口が「ワンフレックスくらい違う」と語る、この『BLUE』と『BK』の差は、同じ6X比較の剛性分布で見ると、違いが明らかだ。『BLUE』が中元調子、『BK』が元調子となっているが、記載された“調子”で全ては判断できない。

    『BK』の剛性分布が直線に近い素直なものなのに対し、『BLUE』と手元剛性はさほど変わらないが、手元よりから真ん中まで、大きくグラフが落ち込んでいることが分かる。素材や補強の仕方の違いにもよるが、端的に言えば、「BLUEの方がはるかにしなり量が大きく、動きもマイルド」だと言える。

    シャフトに疎い人には「より純正シャフトに近い万人向けの仕上がりが『BLUE』」と言うと分かりやすいかもしれない。素直でクセがないが、強い負荷をかけた時の戻りや反応は『BK』の方がはるかに良いことが判断できるだろうか。では、改めて各スペックを試打した谷口のコメントを聞いてみよう。まずは、50g台の【5S】と【5X】から。
    同じ【5S】比較でも、『BLUE』と『BK』のしなり量は遥かに『BK』の方が少ないとのこと。これを利用するなら、現在6Sを使用している人でも、【5X】に下げて少し長めに組むなどの“プチ長尺化”もアリかもしれない。次は、60g台の【6S】と【6X】を見てみよう。
    この重量がヘッドスピード50m/s前後の谷口が選ぶゾーンとあって、強烈な弾道と飛距離を記録していた。マキロイはじめ、多くのPGAツアープロたちも【6X】ユーザーが多いことからも、腕に覚えがある人は注目したい重量帯である。

    いずれにせよ、PGAツアー選手たちがこぞって使うだけあり、同じ『ベンタス』でも『BLUE』と『BK』は別モノと認識して選びたい。なお、谷口が言う「どのスペックでも『BK』は球が暴れない」こともあるが、下記の試打結果のように、シャフトとしてもかなり低スピン。自身のヘッドや傾向に合わせて、適切に選びたい。
    谷口がどのスペックを打っても2000rpm前後の低スピンだった『ベンタスBK』

    谷口がどのスペックを打っても2000rpm前後の低スピンだった『ベンタスBK』

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