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    女子プロに人気の三角ネック大研究。【青いTP】の新しい『ツアートラスヒール』ネックに注目!

    今年、女子ツアーで話題沸騰なのが、ネック部分が三角形のテーラーメイドの“やさしすぎる”ブレードパターだ。圧倒的な強さを見せる稲見萌寧をはじめ、多くの女子プロが使う理由をパター研究家・追分浩一プロが迫った。

    配信日時:2021年6月10日 22時00分

    • ギア
    目次 / index
    • 女子ツアーでトラスヒールネックのブレード型『トラスTB1』人気が爆発!
    • ダスティン・ジョンソンはツノ型の【青いTP】を投入していました
    • トミー・フリートウッドも【青いTP】の『バンドン』プロトタイプ!?
    • 稲見萌寧は黒っぽい旧『トラスTB1』。でも、活躍で売り切れてしまい、もう買えません……
    • そこに現れた、シルバーの【青いTP】。『ツアートラスヒール』ネックがシリーズに加わりました!
    • 若林舞衣子(左)、吉川桃(中)、松田鈴英(右)、純子らが既に新『TP』のトラスネックへ移行しています
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    ブレード型の操作性とマレット型の寛容性をいいとこ取り!

    女子ツアーでトラスヒールネックのブレード型『トラスTB1』人気が爆発!
    ダスティン・ジョンソンはツノ型の【青いTP】を投入していました
    トミー・フリートウッドも【青いTP】の『バンドン』プロトタイプ!?
    稲見萌寧は黒っぽい旧『トラスTB1』。でも、活躍で売り切れてしまい、もう買えません……
    そこに現れた、シルバーの【青いTP】。『ツアートラスヒール』ネックがシリーズに加わりました!
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    女子ツアーでトラスヒールネックのブレード型『トラスTB1』人気が爆発!
    永峰咲希に始まり、永井花奈、高橋彩華、有村智恵、松田鈴英………。そして、女子ツアーの誰より快進撃を続ける稲見萌寧。彼女たちが使う三角ネックのテーラーメイド『トラスTB-1』パターがツアーを席巻していることはご存知だろう。

    ▶▶▶D・ジョンソンが【青いTP】のシャープなツノ型へ。未発表プロトタイプか

    そんな中、D・ジョンソンやT・フリートウッドが【青ロゴのTP】新パターを使いだした。そう『TPコレクション』は『ハイドロブラスト』シリーズへと進化し、最新モデルはやさしさと操作性を兼ね備えた“距離感ピッタリ”のパターがズラリ。そこで、プロもアマも大注目の最新パターの実力検証を追分プロに依頼した。
    若林舞衣子(左)、吉川桃(中)、松田鈴英(右)、純子らが既に新『TP』のトラスネックへ移行しています

    若林舞衣子(左)、吉川桃(中)、松田鈴英(右)、純子らが既に新『TP』のトラスネックへ移行しています

    構えた見た目はシャープなブレード型だが、三角ネックでやさしい『トラスヒール』ネックのパター。新しい『TPコレクション ハイドロブラスト JUNO TB1ツアートラスヒール』は、ブレード型の操作性にマレット型の寛容性が加わった「いいとこ取りのパター」だという。見た目に三角形が少し縮小して見えるが、どんなフィーリングなのか?
    パター研究家・追分浩一プロが徹底チェック!

    パター研究家・追分浩一プロが徹底チェック!

    「プロや上級者が好むブレード型は、ストロークの自由度が高い半面、イメージ通りにフェースコントロールし、確実に芯で打たないと距離感が合いづらくなる。そこでシャープな形状はそのままに、打点ズレを軽減するのが三角ネックです。ヘッドとシャフトの接点を一軸から二軸に増やせばミスしてもネジレを抑え、ストローク中のフェースの向きを安定させられます。

    『TPコレクション ハイドロブラスト JUNO TB1ツアートラスヒール』は、ヘッド形状や重心バランスを『トラスTB-1』と大きく変えていないので、高い操作性はキープ。ブレード型を使っているけど距離感が合わない人や、マレット型や大型マレットを使っているけど、もっと自分の感覚を生かしたい人にピッタリだと感じます」(追分浩一プロ)
    この「トラス構造」はパターにおける新基軸。だが、そもそも橋やスタジアムの屋根などに広く利用されてきた、部材同士を三角形に接合した構造形式だ。外部からかかる力を3点で支えることで変形やたわみを抑え、強度を上げることができる。

    これを応用したのがテーラーメイドのパターに搭載された三角ネックというわけ。追分プロも「テニスのラケットも面を正確に支えるために昔から三角ネックになっているし物理的に理にかなっています」と話す。

    メリットとして「ミスヒットしてもヘッドがブレない」と言う。ヘッドとシャフト接点が一軸のクランクネックにこれまで疑問は無かったが、「打点がズレた時の衝撃でフェース向きが変わりやすい」と言われると少し心境は変わる。二軸で支える『ツアートラスヒール』の方がブレが小さいことは何となく想像できる。

    「ヘッドを二つの軸で支えるツアートラスヒールは、ストローク中にヘッドがネジれにくく、フェースの向きが安定しやすいです。振っていて右手のヒラの動きと同調しながら、スクエアにインパクトできる感じがしますね」。

    ロボット検証でも、打点ブレに強かった!

    これは追分プロや女子プロのストロークが元々優れているからではないのか? 人間には先入観も作用するため、排除するためにロボットによる検証を行った。追分プロが作成した人型パターロボット「バーディーくん3号」の出番である。

    パターのフェース向きをスクエアに合わせてロボットに固定、フェースの中心で打ったときの距離が5mになるように振り幅を設定。打点をトゥ側とヒール側に1センチずつずらして5球ずつ打ち、距離と方向性がどれくらい変わるかを計測してみた。(ボールはTP5)

    結果は、上記で一目瞭然。旧作の【赤いTP】こと、『TPコレクション パティーナ JUNO』はクランクネックで左右の方向ズレが9.3cmだったが、新作の【青いTP】こと、『TPコレクション ハイドロブラスト JUNO TB1ツアートラスヒール』だと、4.8cmに激減していた。追分プロは「1センチの打点ズレでもカップインが狙える」と驚く。

    「クランクネックはトゥ側もヒール側も距離のズレが10cm以上なのに対し、『ツアートラスヒール』はどちらも10センチ以下と安定していました。方向のズレも5cm以下で、打点が仮に1cmほど外れても十分にカップインが狙えることになりますね」(追分プロ)

    新『ツアートラスヒール』✕マレット型で、更にやさしく繊細なタッチを両立!

    ツノ型の『TPコレクション ハイドロブラスト BANDON TM1ツアートラスヒール』

    ツノ型の『TPコレクション ハイドロブラスト BANDON TM1ツアートラスヒール』

    新しい『ツアートラスヒール』は、女子プロに人気のブレード型の他にも、スイートエリアが広いマレット型もラインナップ。これらは操作性とさらなるやさしさを兼ね備えた、アマチュアにもピッタリのパターだとか。同じツノ型の新『ツアートラスヒール バンドンTM1』と旧『トラスTM1』を比較して、どう違うのか。

    まず、新しい『ツアートラスヒール 』のマレット型は「旧『トラス』パターの寛容性はそのままに明らかに操作性の高さが向上しています」と話す追分プロ。
    「新しい『ツアートラスヒール』は、前作より三角形の面積が小さくなってインパクトのフィーリングを繊細に感じられるのが特長。旧『トラス』よりトゥ・ヒールバランスの度合いが大きくなってフェースの開閉が使えるので、フックラインではアウトサイド・インの軌道でフェースを開いて打ったり、スライスラインではインサイド・アウトの軌道でフェースを被せて打つなど、芝目や傾斜によってヘッドの動きをコントロールできます。

    ロボットテストでは、ブレード型よりも距離と方向のズレが減少しました。さらなるやさしさと繊細なタッチを両立し、プロからアマチュアまで幅広いゴルファーが使えるパターになってますよ。細かな点では、新作は三角ネックの幅が1cmほど狭くなり、構えた時の視界も広い。『ツアートラスヒール』は、旧作よりもブレード部分が長く見えるのでスクエアに構えやすい。当然、打点エリアも広く見えるので、構えた時の安心感も段違いですね」(追分)

    『TPコレクション ハイドロブラスト』8機種のうち、トラスが多数派に!

    通常ネックの『デュページ』(左)、『ソト』(中)、『デルモンテ1』も3機種用意

    通常ネックの『デュページ』(左)、『ソト』(中)、『デルモンテ1』も3機種用意

    今作の【青いTP】こと、新『TPコレクション ハイドロブラスト』シリーズは、新しい『ツアートラス』ネック装着モデルを飲み込み、全8機種の一大ラインナップとなった。

    【ハイドロブラスト】とは、テーラーメイドが数年がかりで開発した、高圧の水を吹き付けて研磨する高級感ある光沢シルバー仕上げのこと。クランクネック・ブレードに『SOTO』と幅広の『DEL MONTE』の2種類を用意し、マレット型にはシングルベンドの『DUPAGE』。それ以外の5種類がトラスと、ラインナップの内訳的に多数派となった。
    もう一つのツノ型、『ARDMORE TM1』

    もう一つのツノ型、『ARDMORE TM1』

    『ツアートラスネック』の選択肢には、『JUNO TB1』『BANDON TM1』以外にタイガー・ウッズが過去に使用した人気の丸みを帯びたツノ型『ARDMORE TM1』も加わった。追分プロは「フェース以外の輪郭がすべて曲線で、芝目や傾斜によってフェースの向きやヘッドの軌道を変えても違和感がない。ヘッドの動きを気にせず自由にストロークしたい人向きですね」と話していた。

    また、トラスセンターネックのブレード型『JUNO TB2』については、「ストロークのスピードや軌道を自由にコントロールできるブレード型。トラス構造の三角ネックがヘッドのネジレを抑えて、多少のミスヒットをカバーしてくれます」と話す。
    同じくトラスセンターネックのツノ型『バンドンTM2』についても、「三角ネックがヘッド全体にかかっていて、打点がズレてもネジレない。また、グリップとフェースの向きが同調するので、安定してスクエアにインパクトできます」。

    TPコレクションの仲間入りをはたし、ラインナップを増やした『トラスネック』。旧作は稲見萌寧の活躍もあり、早々に売り切れてしまったが、今度は自分に最適なものを選べる上、シルバーでカッコ良さも増している。仲間には言わなくとも、内心「今度こそ、手に入れたい!」と狙っているゴルファーは多いだろう。2021年夏「トラス争奪戦」が再び起きそうな気配が漂っている。

    取材協力・武蔵丘ゴルフコース
    撮影・山代厚男、鈴木祥、GettyImages
    文・苔縄和裕

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