筆者　筒さん、『RZN』ボールって覚えてますよね？ 去年、横田真一プロのYoutubeチャンネルですごくいい結果が出てて気になっていて、三觜喜一プロや今年Sho-Time Golfさんも同様に高評価。たまらず取り寄せたんですが、テストしてみませんか？



筒康博（以下、筒）　『RZN』って、懐かしいですねぇ〜〜。おっ、パッケージも本格的だし、ボクは『RZNプラチナム』ユーザーだったので、あの頃とどう違うのか、凄く興味ありますよ。たしかに、動画を観ると横田真一プロもベタ褒めじゃないですか！ 三觜喜一プロも「球が上がる」と言ってますね。これはでも当たり前というか、『RZN』素材なら当然ですよね？


筆者　いや、でも『RZN』がどれほど革命的だったのか？ 今のゴルファーは知らない人もいると思うんですよ。

筒　まぁ、コロナ以後にゴルフを始めた人も増えてますしね。噛み砕いて言えば、ゴルフボールの素材って、すべてのメーカーが基本的にゴムなんです。で、『RZN』は、平たくいえばプラスチック系の樹脂です。ゴムより軽くて強度のあるプラスチックをボールに使うアイデア自体が画期的でしたが、当時は「ちょっと硬い」と言う人もいました。『RZN』素材だと「プラスチック的なクリック音がする」との評価が多かったというか。

筆者　ボクも『RZNブラック』が好きで使ってましたが、たしかに一番ハードでしたね。でも、硬い分、爆速で一番飛んでたので気に入ってました。その辺りがどうなったか？ まずは黒いダース箱の『RZN HS-TOUR』からチェックしてみましょう。

筒　1球打ってすぐ分かりましたけど、打感と音が良くなってます。これなら以前の「クリック音」が気になる人はいないでしょうね。それと、圧倒的な初速感です。テーラーメイド『TP5x』やタイトリスト『プロV1x』、ブリヂストン『TOUR B X』など、硬い方のツアーボールたち引けを取る感じは一切ない。ちょっと小坂支配人にもチェックしてもらいましょう。

小坂支配人　おっ、『RZN』ですね。めちゃくちゃ気になっていました！ Sho-Time Golfの動画でも、すごく結果が出ていましたし、ずっと試してみたかったんですよ。じゃあ、アイアンとドライバーでチェックしますね。

筆者　支配人のエースボールはテーラーメイド『TP5x』ですよね。そことの比較？

小坂支配人　！！！ ナニコレ、前の『RZN』とは比べ物にならないくらいフィーリングいいですね。ちゃんと芯があって、しっかり球を押せるフィーリングがあるから、ボールコントロールが効くタイプです。それに、初速がかなり出ますね。今、7Wなのに、72m/s近く出てますよ。

筆者　………。（なにこの初速……。まさか、計測器の故障！？）

筒　やっぱり、『RZN』素材は初速を出しやすいし、外側を重くできるので、曲がりづらさも感じます。若干、低スピン感も影響しているとは思いますが、曲がりも減らしつつ、ぶっ飛ばしたいなら『RZN HS-TOUR』はアリ。ちょっと昔の『RZNプラチナム』に似てる気もしますね。

小坂支配人　でも、ある程度ヘッドスピードがある人の方がコアまで潰せるのでこのボールを使うメリットが出てくると思います。45m/s以上は欲しいというか……。そういう意味では、他の『RZN』の方が、一般ゴルファーにはメリットがあるのかな？

筆者　では、赤い箱の『RZN MS-TOUR』をチェックしましょうか。これ、黒い『RZN HS-TOUR』とは断面図がまったく違いますね。

筒　なるほどね。コレは、全くターゲットが違うと予想します。支配人から打って。

小坂支配人　うわっ！！！ めっちゃソフト。今までの『RZN』のイメージが覆ります。こんなにソフトに出来るんだ……。ボールを中まで潰せない、ヘッドスピード遅めの人にピッタリですよ。球もつかまりやすいし、低スピンの棒球で球も上がりますね。

筒　どれどれ、コンプッションも「57」※ だった通り、めちゃソフトですね。これなら、ヘッドスピード30台の人でもラクにボールを潰せますし、それでいて『RZN』の初速感もある。打っていて、クラブの芯が広がるような、ミスの吸収力を感じるツアーボールですね。ちょっとキャロウェイの『クロムソフト』にも近いものがあるかも。

筆者　お二人とも、ツアーボールの新作は全部チェック済みだと思うんですが、ここまで硬さに差のあるパターンって珍しくないですか？ 各社のツアーボールって、性能がハードな方とソフトな方が寄ってるものが多いじゃないですか。

筒　一つ言えるのは、『RZN』はアベレージゴルファーが使いやすいように、少し目線を寄せていると思います。他の大手メーカーは、まずプロ有りきでツアーボールを設計しますよね。前の『RZN』もそういう宿命だったんですが、今回の『RZN』は両方とも明らかにアマチュアを救う方向に寄せていると感じます。変にアプローチでショートしたり、ティショットで曲がりが大きくなったりしないウレタンカバーボールです。

小坂支配人　同感。シリアス過ぎる人向けじゃないので、いい意味で大手メーカーと棲み分けできてますよね。

筆者　なるほどねぇ〜。では、3つめの青い箱の『RZN SPEED』もテストしましょう。まず、支配人から。

小坂支配人　これ、硬さ的には3つのちょうど真ん中ですけど、球離れは速い。ディスタンス系ボールに感じますけど？ やっぱり、3機種とも全般に球離れが速く、初速が出ますよ。赤い『RZN MS-TOUR』も黒い『RZN HS-TOUR』も球離れは比較的速めですけど、コレが一番ディスタンス系っぽいハジキ方に感じますね。

筆者　正解。これだけアイオノマーカバーです！

筒　おっ、でも支配人、フルショットはディスタンス系っぽくても、今パターを転がしてみたら、めちゃくちゃ静かなフィーリングですよ？

小坂支配人　本当だ。アプローチの球乗りはしないけど、コレが一番安いんですよね？ コスパを求める人にはいいんじゃないですか？

筆者　ええ、たしかに。青い『RZN SPEED』はAmazonでダース2,280円です。あと『RZN』素材が入っているのは表のように黒い『RZN HS-TOUR』だけですね。

筒　安ッ！ っていうか、長岡さん、ツアーボールの2つは値段どれくらい？ アマ向けにとはいえ、RZNの復活なわけですし、けっこうするんじゃないの？？？ 特に黒い『RZN HS-TOUR』はアプローチも今すぐ使えそうな感じでしたけど？

筆者　と、思うのが普通ですよね？ 意外や意外、4ピースの黒い『RZN HS-TOUR』がAmazonでダース4,980円。3ピースの赤い『RZN MS-TOUR』が3,980円です！

▶▶▶『RZN』ボールの公式サイト「テックウインド」のHPはコチラ
▶▶▶『RZN』ボールのAmazon特設サイトはコチラ

小坂支配人　安ッ！！！！！ かなり飛ぶ方のツアーボールなのにイイんですか！？

筒　日本人って価格が安いと性能を疑ったりする人もいると思います。でも『RZN』シリーズは他社に全く似たもののない、最高峰のウレタンボールですよ。

筆者　廉価版と思ってくれるなと？

筒　そりゃね。『RZN』はオンリーワンです！

Text/Mikiro Nagaoka