謎に包まれたHONMA『NX PROTO』。鹿又芳典の評価は「今までに無かった全く新しいクラブ」
8月に入ってHONMA契約プロがテストを開始した『NX PROTO』。未だ詳細についての発表はされていないが、一般ユーザーに向けた「プロトタイプドライバーモニターキャンペーン」を行うなど、大きな話題となっている。ALBA.Net編集部では、発表に先駆けて『NX PROTO』の入手に成功。クラブコーディネーター鹿又芳典氏にヘッドの評価をしてもらった。 <br><br> 取材協力／ジャパンゴルフスクール 写真・構成／田辺直喜
配信日時：2022年9月20日 01時00分
似たモデルは存在しない!? かつてないドライバーが生まれた
そこで今回は、クラブコーディネーターとして年間数千本もの試打を行う鹿又芳典氏に『NX PROTO』のテストを依頼。『NX PROTO』と相性の良いゴルファー像や既存のどのモデルに近い性能を持っているかを聞いてみた。
鹿又芳典。千葉県のジャパンゴルフスクール内にある「ゴルフショップ マジック」の代表を務めるクラブコーディネーター。的確かつ分かりやすい最新クラブのインプレッションにはファンも多い
これまで数え切れないほどのクラブを試打してきた鹿又氏ですら、“今までにない”と話す『NX PROTO』。一体どのような点が新しいのだろう？
軽量なのに叩けるドライバーはありそうで無かった
ソールデザインを見ただけでも、さまざまなテクノロジーが搭載されていることが分かる『NX PROTO』
「今回テストしたクラブは、プロトタイプシャフトのフレックスSが挿さっていますし、スイングして感じた重量感からするとHS35〜40m/s台前半くらいのゴルファーに合う印象でした。つまり、ジャンル的には軽量帯に属するドライバーになるわけですけど、『NX PROTO』にはしっかり叩けるという特徴も備わっています。軽くて叩けるって性能だけを聞くと、似たモデルがありそうに聞こえるかもしれませんが、本当の意味でそれを実現したドライバーは、今までありそうで無かったんですよ」
“軽量なのに叩ける”。それが『NX PROTO』の今までに無かった点だと話す鹿又氏
トゥ側から見た『NX PROTO』。網目状にデザインされたクラウンやソールの大きな溝が存在感を放っている
自然とボールを押すようなインパクトが作れると鹿又氏。ただアスリートライクなだけでなく、高い飛距離性能も『NX PROTO』の魅力だ
シャフトが走りすぎないからコントロールできる
プロトタイプと刻印された『NX PROTO』用の『VIZARD』シャフト。果たしてどんな性能に仕上がっているのか？
「シャフトについては、手元側がややしっかりしていて、中間から先端にかけて動くタイプですね。その上で先端剛性が高くなっているので、軽量帯のシャフトにありがちな走りすぎる感じがありません。ニュートラルなヘッドにほどよいつかまりをプラスしつつ、インパクト時のヘッドスピードを高めることを目的としたシャフトですね。非常に当てやすいというか、安定したインパクトを作れる性能に仕上がっています。ボールを自分でコントロールしたいゴルファーや競技志向のゴルファーが満足できるシャフトだと言えますね。ヘッドが走りながらも、シャフト自体のしっかり感もあるのでこのスペックのまま使える女子プロもいるでしょうね」
ボールを押せるヘッドと走りながらも先端がしっかりしたシャフトの組み合わせは抜群にいいと鹿又氏
自分の持ち球のまま飛ぶ弾道が作れるドライバー
使い込むほどボールを叩けるようになると鹿又氏。弾道計測を行うと驚愕の数値が出ていた
「一言で言うならボールに当てやすくて飛ぶ弾道が作りやすいドライバーですね。ヘッドとシャフトを組み合わせたトータルで見た時に、ボールがつかまりすぎることもなく、自分の持ち球をしっかり出せる印象です。その上で強烈なボール初速と低スピン、高い打ち出しで飛距離を伸ばすことができる。特にボール初速はすごいですよ。芯を外しても普段の数字が出て、良いあたりの時は2m/sくらい速くなっていました。ジャパンゴルフセンターの『トップトレーサー』で飛距離を測ったらボール初速67m/sで、284ヤードを記録しましたよ。正直驚きでした」（鹿又氏）
ジャパンゴルフスクールに設置された『トップトレーサー』で弾道測定。鹿又氏の実際の数値がこちら
クラウンの奇抜なデザインに目が行きがちだが、本間ゴルフならではの顔の良さも『NX PROTO』の魅力
乗り感がありつつ、強烈な初速性能も備えた『NX PROTO』のフェース
知れば知るほど、深い作り込みに興味を惹かれる『NX PROTO』。編集部では引き続き、このクラブの検証を進めていく。
