アナタは『スピーダーNX』派?それとも新『NX GREEN』派?女子プロ佐久間姉妹はどっち?
昨年登場するや否や、瞬く間に女子ツアーを席巻した、フジクラの青い『スピーダーNX』(以下、NX)を使用中の方も多いはず。その『NX』に追加された『スピーダーNX GREEN』(以下NXグリーン)とはどんなシャフトか?女子プロ姉妹が検証した。
配信日時:2022年9月28日 00時00分
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佐久間綾女(姉)、夏美(妹)はどっちを選ぶ?
姉の佐久間綾女(スターツ所属)は、フジクラ『スピーダーNX』を昨年から使用中。女子プロの中でも珍しく弾道計測機「トラックマン」の細かなデータ各種の分析に長け、シャフトの動きや性能に鋭い感性を発揮するドローヒッターである。
そして、『スピーダーNX』と言えば、昨秋の登場以来、女子プロの人気ナンバーワンとなり、アマチュアにも大人気。姉・綾女は、使用感について「去年『NX』を試していきなり、少し初速が上がって右のミスが出なくなった。かといって左に大きく曲がる球も出ず、打ち出しが高くなってキャリーが伸びたんです」と話す。
そして、『スピーダーNX』と言えば、昨秋の登場以来、女子プロの人気ナンバーワンとなり、アマチュアにも大人気。姉・綾女は、使用感について「去年『NX』を試していきなり、少し初速が上がって右のミスが出なくなった。かといって左に大きく曲がる球も出ず、打ち出しが高くなってキャリーが伸びたんです」と話す。
かたや、妹の夏美(ディライトワークス所属)は姉の綾女を追いかけ、今年のプロテスト合格を目指すフェードヒッター。女子選手の中でも最軽量帯のフジクラ『スピーダー351エボリューション7』(SR)を長く愛用しており、「軽くてしなりが大きな『エボ7』がずっと替えられないんですよ」と話す。
姉はキャロウェイ『ローグST◆◆◆LS』でドローヒッター、妹はテーラーメイド『SIM MAX』でフェードヒッターと、真逆なスイングタイプの2人だが、新作『NX GREEN』をどう評価するのか? その前に『NX GREEN』に精通する鹿又芳典が新作の説明を2人にする。
姉はキャロウェイ『ローグST◆◆◆LS』でドローヒッター、妹はテーラーメイド『SIM MAX』でフェードヒッターと、真逆なスイングタイプの2人だが、新作『NX GREEN』をどう評価するのか? その前に『NX GREEN』に精通する鹿又芳典が新作の説明を2人にする。
「新作のVTCは、とにかくスピードUPできます」
「ゴルファー万人にタイミングの取りやすい中調子でありながら、【3次元設計】かつトルクを部分制御する【VTC】という新機軸を打ち出したのが『NX』ですよね。オートマチックな振り感でヘッドがアッパーに動きやすくてハイドローが出やすいため、女子ツアーに限らずアマチュアにも大人気だし、そこは綾女プロもよく知ってますよね。
そして、今回の『NX GREEN』はその『NX』をベースに開発されていています。簡単に言うと、【VTC】をアップデートして『スピードアップ』がテーマ。(笑)細かい話ですが、手元のネジレ剛性を上げると、切り返しでタメをキープした状態でスムーズに下ろせる上、インパクト付近のしなり量が大きくなって鋭く戻るのが特徴です。
しかも、先端剛性が上がって強い球が打ちやすいのに、走るフィールと押せる要素が同居して、打ち手にはしなり量の大きさを感じることなく、勝手に速く振れちゃうのが不思議です。これも3D動作解析【enso】を使った3次元設計の成果だと思いますよ」(鹿又)
そして、今回の『NX GREEN』はその『NX』をベースに開発されていています。簡単に言うと、【VTC】をアップデートして『スピードアップ』がテーマ。(笑)細かい話ですが、手元のネジレ剛性を上げると、切り返しでタメをキープした状態でスムーズに下ろせる上、インパクト付近のしなり量が大きくなって鋭く戻るのが特徴です。
しかも、先端剛性が上がって強い球が打ちやすいのに、走るフィールと押せる要素が同居して、打ち手にはしなり量の大きさを感じることなく、勝手に速く振れちゃうのが不思議です。これも3D動作解析【enso】を使った3次元設計の成果だと思いますよ」(鹿又)
男女ツアーで『NX GREEN』の人気上昇
ところで、フジクラといえば『ベンタス』シリーズも日米男子ツアーで大人気だが、「NX GREENはベンタスを少しハードに感じていた人でも打てるし、かなり幅広いゴルファーにフィットするはず」と言う。その言葉どおり、直近の男子ツアーで『NX GREEN』使用者が6人と、フジクラのモデル別人気ランクで『ベンタス7ブラック』に次ぐ2位に上がってきた。
また、国内女子ツアー第20戦から投入された『NX GREEN』は、わずか1 ヶ月後の第25戦で『NX』の使用者を上回った。現在の面々は、永峰咲希、吉田優利、西村優菜、鶴岡果恋、大出瑞月、上野菜々子、脇元華ら常時17〜18人もの大軍団になっており、15〜16人前後の『NX』と人気を2分する。
まずは、『NX』を愛用するドローヒッターの姉・綾女から『NX GREEN』の試打を勧める鹿又だが、結果はどうなるだろうか?
また、国内女子ツアー第20戦から投入された『NX GREEN』は、わずか1 ヶ月後の第25戦で『NX』の使用者を上回った。現在の面々は、永峰咲希、吉田優利、西村優菜、鶴岡果恋、大出瑞月、上野菜々子、脇元華ら常時17〜18人もの大軍団になっており、15〜16人前後の『NX』と人気を2分する。
まずは、『NX』を愛用するドローヒッターの姉・綾女から『NX GREEN』の試打を勧める鹿又だが、結果はどうなるだろうか?
姉の綾女「意外にシンプルな動き。インパクト前で一気に復元する」
まずは現状のエース『NX』の50SRで打つと、綺麗なハイドローがフェアウェイを捉える。地面へのランディング角が大きく見え、キャリーは209ヤードで、トータル232.6ヤードを記録し「いつもの球っていう感じですね」と姉妹は頷く。次に『NX GREEN』の50SRを試して慣れた3球目が凄かった。鹿又も「えっ、こんなに!?」と驚きのデータとなった。
初速が60.7m/sを記録したライナーフェードはキャリー216.2ヤード、ランを稼いだ球はトータル250.1ヤード。綾女自身「前の『NX』よりもしなるポイントが『NX GREEN』はインパクトに近づいて、バーンと一気に復元するので初速が上がります。つかまりも穏やかで強い球になりますね」と笑顔いっぱい。
初速が60.7m/sを記録したライナーフェードはキャリー216.2ヤード、ランを稼いだ球はトータル250.1ヤード。綾女自身「前の『NX』よりもしなるポイントが『NX GREEN』はインパクトに近づいて、バーンと一気に復元するので初速が上がります。つかまりも穏やかで強い球になりますね」と笑顔いっぱい。
「意外にシンプルな動きですね。復元のタイミングが『NX』と違って、グッと負荷をかけてしなり戻ろうとするポイントが『NX』は切り返し直後というか、もっと高い位置だからつかまる感じがします。反対に『NX GREEN』はインパクト前でしなりがバーンと復元するからスピードが出るのに左に行かない感じ」(綾女)
鹿又は「NXがベースの新作だから綾女プロはスムーズに移行できて、初速が2.3m/sもアップしましたね。スピン量が強烈に減ったライナーで、ランの出方も凄いことになってます!」と驚いていた。次は、問題の「超軽量でしなりも多め派」のフェードヒッター妹・夏美である。
鹿又は「NXがベースの新作だから綾女プロはスムーズに移行できて、初速が2.3m/sもアップしましたね。スピン量が強烈に減ったライナーで、ランの出方も凄いことになってます!」と驚いていた。次は、問題の「超軽量でしなりも多め派」のフェードヒッター妹・夏美である。
まさかの姉妹で『NX GREEN』!
エースの『351エボ7』のSRでキャリー203.8ヤード、トータル224ヤードのフェードを放つ夏美。鹿又は「NX GREENには30g台の設定がないので40Rでいきましょう。実はしなるNX GREENだから大丈夫だと思いますよ(笑)」と、「軽くてしなり多めしか使えない」派の夏美に手渡した。
初球から「重くなったのに普通に振りやすいですね」と話す夏美が慣れてきた4球目、ヘッドスピードが38.6から39.5に上がり、ボールスピードも56.7から59.2m/sにアップした球は、キャリー218.1ヤード、トータル241.1ヤードを記録。夏美は「初めて打つ時の印象って大事ですけど、全く違和感なく振れたし距離が伸びて凄く嬉しい!」と大喜び。
初球から「重くなったのに普通に振りやすいですね」と話す夏美が慣れてきた4球目、ヘッドスピードが38.6から39.5に上がり、ボールスピードも56.7から59.2m/sにアップした球は、キャリー218.1ヤード、トータル241.1ヤードを記録。夏美は「初めて打つ時の印象って大事ですけど、全く違和感なく振れたし距離が伸びて凄く嬉しい!」と大喜び。
妹の結果を見て驚いた姉の綾女がこう話す。「妹はいつも打ち出しが高くて約3,000回転とスピンも多めでしたが、抑えられて前にいく感じでランも出ました。今まで好みが違って一度も同じモノを使ったことがなかったのに、妹と同じシャフトで結果が出たのは初めてですね」。
鹿又も「シャフトって、しならせたものがインパクトでちょうど一直線に戻ると距離が出ますよね。どちらのシャフトもその状態を自然に作りやすいですが、『NX』よりしなりが大きいのに、それを打ち手に感じさせず、インパクト直前で素早く戻る『NX GREEN』の方がスピードを上げやすい」と解説。
異なるシャフト遍歴の姉妹が、まさかの『NXグリーン』。女子プロ人気1位の『NX』から大量移行する理由は「もっと、スピードを!」の一言に尽きそうだ。
取材協力・横浜カントリークラブ
撮影・山代厚男
鹿又も「シャフトって、しならせたものがインパクトでちょうど一直線に戻ると距離が出ますよね。どちらのシャフトもその状態を自然に作りやすいですが、『NX』よりしなりが大きいのに、それを打ち手に感じさせず、インパクト直前で素早く戻る『NX GREEN』の方がスピードを上げやすい」と解説。
異なるシャフト遍歴の姉妹が、まさかの『NXグリーン』。女子プロ人気1位の『NX』から大量移行する理由は「もっと、スピードを!」の一言に尽きそうだ。
取材協力・横浜カントリークラブ
撮影・山代厚男