『iクロスオーバー』は、ヘッドが締まって見えて、集中しやすいです。アイアンが好きなゴルファーには、確実に武器になってくれます。

実際にコースで打って感心したのは、ソールが良く出来ている、ということでした。打ち込めば、しっかり跳ねてくれますし、滑らせても見事に抜けます。ソールは、まあまあの厚みがありますが、それ以上に機能してくれます。

さらに、『iクロスオーバー』は、振りやすいのです。ウッドが苦手なゴルファーが注目していると思いますが、考え方としては、ウッド基準ではなくて、アイアンが得意なゴルファーに『iクロスオーバー』はオススメです。

残念ですが、無条件にやさしいクラブではありません。ある程度ボールをちゃんと打てるゴルファーであることが求められますが、それをクリアできていれば、鬼に金棒です。

長い距離を打つクラブは、ゴルファーとの信頼感がなければ、コースでは機能しないものだと僕は考えています。『iクロスオーバー』は、そういう感性に刺激を与えてくれるクラブとして、高い完成度を誇っています。

例えば、長いパー3での使用や、長いホールでの2打目の使用や、レイアップするティーショットの使用や、『iクロスオーバー』を打っていることを想定でき　　　　　　るゴルファーであれば、打ってみる価値があります。秘密兵器風にバッグに入れるという楽しみもあります。

長いクラブを打つのを苦にしないゴルファーが、狙い通りに打って、静かに微笑むシーンが似合うのが『iクロスオーバー』の渋い使用法です。パワーヒッターも、案外と非力なゴルファーも、打てるというところも大いなる魅力になっています。

『iクロスオーバー』

ヘッド素材　　　17-4ステンレススチール
フェース素材　　FORGEDマレージング鋼C300
ロフト　　　　　#2/18度、#3/20度、#4/22.5度
シャフト　　　　ALTA J CB BLACK（S）

ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学１年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員