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    "地クラブ女子"が増えれば、プロの契約内容が変わる!?

    text by kazuhiro koyama

    配信日時:2017年3月15日 23時00分

    • ギア

    名器の誉れ高い『JBEAM FX BM-435』

    葭葉の新エース『CRAZY CRZ-435』は、Jビーム『JBEAM FX BM-435』をソールデザイン変更に施し、クレイジー社で販売しているモデル

    葭葉の新エース『CRAZY CRZ-435』は、Jビーム『JBEAM FX BM-435』をソールデザイン変更に施し、クレイジー社で販売しているモデル

     驚くのは葭葉だ。今季から導入されたドライビングディスタンスの計測で、「ダイキンオーキッドレディス」の4日間で平均飛距離262.125ヤードをマークし、全選手中トップにたった。昨季に比べて、大幅に飛距離が伸びたという。

     葭葉の使用する『CRAZY CRZ-435』は、そもそもJビームという地クラブメーカーの『JBEAM FX BM-435』というヘッドを、ソールデザインを変更するなどして、クレイジー社で販売しているモデルだ。この『JBEAM FX BM-435』は、2009年頃から口コミで話題になり、現在の地クラブメーカー隆盛のきっかけのひとつにあげられるほどのロングセラーとなった。

     今でも、この『JBEAM FX BM-435』が一番いいと言っているゴルファーは少なくない。発売からかなり長い時間が経過したにも関わらず、中古クラブ市場でも大きく値段が落ちていないという。1年で半額以下になる大手メーカーの商品もあるのに、といったら少し意地悪だろうか。ともかく、この日進月歩のクラブ進化の中で、決して少なくないゴルファーから、これだけ長期間「飛ぶ」と語り継がれ、愛好されているヘッドはなかなかない。現在のゴルフギアシーンの中でも、極めて特異な存在なのだ。

     『JBEAM FX BM-435』の特徴のひとつが、33.5mmとかなり短めの重心距離。現在のドライバーの主流は、重心距離が40mm前後で、基本的にはヘッドが返りにくく、緩やかな挙動になりやすいのが特徴だ。こうしたドライバーは、飛距離面でメリットがあり、ヘッドの寛容性も大きくなるのだが、操作性や振りやすさという点でデメリットに働く場合がある。例えば、アイアンが小ぶりなマッスルバックやハーフキャビティなどを使い、ヘッドスピードが速く、リストターンも強い、ゴルフ歴の長いゴルファーなどは、それらのドライバーを苦手にしがちだろう。

     『JBEAM FX BM-435』が、ハマっているのは、おそらくそうしたゴルファーだ。448ccと決して小さくないヘッドでありながら、クイックな操作感でリストターンもしやすい。シャープなアイアンとの操作性のマッチングも良い。振り切れるから、飛距離も出やすくなるわけだ。ちょうど、2009〜2012年くらいまでは、テーラーメイドバーナー』に代表されるような、重心距離が長く、操作性よりも飛距離と寛容性重視のモデルが隆盛だった。それらが、使いにくかったゴルファーの心を捉えたことは、想像に難くない。

     ヘッド重量は195〜197gと標準的で、シャフトも重くすることも長くすることもしやすく、フィッティングが行いやすい。弾き感の強いヘッドで、打っていて心地よさを感じるゴルファーも多いのではないだろうか。葭葉が大幅に飛距離を伸ばしたのは、オフでのトレーニングが要因だろうが、クラブのフィッティングが上手くいった点も見逃せないだろう。他にも数多くあるヘッドの中で、かなり旧モデルに属する『CRAZY CRZ-435』が採用されたのは、このヘッドにしかない良さがあったことを思わせる。
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