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    大失敗の米国仕様『EPIC』再生計画。【2本の柱の間で打たなきゃダメ】って本当なの?

    2017年2月に発売されたキャロウェイ『GBB EPIC』シリーズのドライバーは、『STAR』『サブゼロ』ともに空前の大ヒット。そこで筆者は、「自分に合うスペックは米国仕様」と踏んで購入するも、大失敗。再生を期すため、いろいろ実験してみました。

    配信日時:2017年11月1日 00時52分

    • ギア

    筆者の米国仕様『GBB EPIC Sub Zero』は何が悪いのか?

    米国仕様の『GBB EPIC Sub Zero』。コイツがハーフで平均2〜3発の右OBを生むのです……

    米国仕様の『GBB EPIC Sub Zero』。コイツがハーフで平均2〜3発の右OBを生むのです……

    P筒 「そもそもギア担当のくせに、どうしてこんなに合わないシャフトになっちゃったんですか?」

    筆者 「いや、ご存知のとおりボクはフェース角が激しくブレるじゃないですか。なので、米国仕様の『クロカゲシルバーTiNi60』のXなら何とかなるかなぁと。総重量327gで中元調子系のこのシャフトなら、重さとシャフトの鈍感さで動きがもっさりしてくるはずで、フェース角のブレを軽減してくれるはずだと踏んだんですよ。でも、試打せずポチるのはホントに博打ですね。やっちゃいましたわ…」
    PCMの筒氏が米国仕様のシャフトの剛性値を詳細に調査!

    PCMの筒氏が米国仕様のシャフトの剛性値を詳細に調査!

    P筒 「狙いは分かるんですが、問題はこの米国仕様の『クロカゲシルバーTiNi60』のXがどういうシャフトか? まったく分からないということです。なぜ合わないのか? 剛性値を計測したら理由が見えてきましたよ」

    筆者 「動きがもっさり過ぎてしなり戻りが遅すぎてプッシュ連発なんですが、数値に出てますか?」

    P筒 「剛性分布のカーブとしては、長岡さんの読み通り、大きく間違ってはいないです。でも、典型的な米国仕様の純正カーボンにありがちなパターンで、重さに対するコシがないです。『クロカゲ』と書いてありますが、日本で販売されている三菱ケミカル『KUROKAGE XT/XM』とは全くの別物の挙動を感じたと思います。そもそも長岡さんのように好みと調子の波が激しく、シャフトに負荷をかける人のために作った純正シャフトじゃないと思います。日本仕様の『クロカゲ』とそもそも比べるまでもない。テスターをやり始めた長岡さんなら分かると思いますが、繊細な日本仕様と製法の差がモロに出てます」

    筆者 「はい、安いヤツなんです、米国仕様は…。なんというか、振っていて全く気持ちよくないし、反応が悪いし、復元も弱い。ただの棒というか、全く仕事しないんですよ。仕事をしなさすぎて悪さをするという…」

    P筒 「それ以上言わなくても分かります。それが米国ゴルファーの一般ニーズですから。結局、典型的な【安物買いの銭失い】じゃないですか、ギア担当のクセに。価格なんかで選ばずに、きちんとコストのかかっている質のいいシャフトに替えましょう。フジクラ『エボ4』の6Sを入れれば、別物になると思いますよ。ヘッドもスリーブ込みで207g近いですが、『エボ4』の6Sならしっかり耐えてくれると思います」

    筆者 「いや、価格で選んだわけじゃないですよ。日本仕様がボクのHSには軽すぎるからです。リシャフトの方向性は了解です、確かに『エボ4』なら良さそうですね」

    これなら日本仕様と勝負できる!『エボ4』にリシャフトした米国仕様『Sub Zero』

    『エボ4』にリシャフトすると、2本の柱の内側にしか当たらなくなりました!

    『エボ4』にリシャフトすると、2本の柱の内側にしか当たらなくなりました!

    P編 「私も米国仕様の『GBB EPIC』を調査済みだから分かるんだけど、君の米国仕様『Sub Zero』は本当に酷かったね。でも、『エボ4』に替えたら全然印象が違うね。きちんとしなり戻ってきてるじゃない。【6S】を選んだのも正解だったんじゃない? 『エボ4』の復元力の高さと剛性の高さで重い米国仕様のヘッドでもきちんと付いてきてくれるようになったね」

    筆者 「いや、ここまで再生するとは。『エボ4』はおっしゃる通りの復元力で、プッシュが全く出ませんし、曲がりません。何より、スイング中に扱いやすく、あれほど外していた打点が2本の柱の間に収まるのが不思議。打点を柱の外で打とうとしても、無理。柱の間で当たってしまうって、この事なんですね」

    P筒 「ベストではないですが、ベターを探せるドライバーだと思います。『Sub Zero』の良さはカチャカチャが出来ることですが、合わないシャフトが入っていて打点がズレる人には、カチャカチャの対応では収まり切りませんから。合うシャフトが入っていれば、それだけでゴルファーは芯に当たり出すものなんです。たとえ、長岡さん“でも!”」

    筆者 「ありがとうございます!」

    P編 「なんだよ、今回は2本の柱のウワサの検証がしたいって言ってたけど、結局自分のドライバーを何とかしたかっただけじゃない!」

    筆者 「あら、バレましたか。ありがとうございます!」

    P編 「工賃とシャフト代込みで5万円ですね。消費税分は負けときますよ」

    筆者 「グッ、高くついたなぁ、米国仕様……。(計11万もかかった)」


    Text/Mikiro Nagaoka

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