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    テーラーメイド『M3 460』、米国仕様の超マニアック試打レポ by Toshi HIRATA

    アメリカ在住のALBA.net特派員、Toshi HIRATA氏から、テーラーメイド『M3 460』ドライバーの超マニアック試打レポが!元プロならではの視点ですが、中・上級者かつ、ある程度振れる方はぜひご参考ください。

    配信日時:2018年2月9日 15時31分

    • ギア

    「Yトラックはスピン量に注意が必要」(平田)

    確かに、ダブルフロントウェイト(一番上)だとスピン量が少なく、飛んでます…

    確かに、ダブルフロントウェイト(一番上)だとスピン量が少なく、飛んでます…

    筆者 「平田さん、すっごく『M3 460』が気に入っているのは事実だと思うんですが、ボクが疑いの眼を向けたように、多くの読者も平田さんが褒めすぎだと思う人が多いと思うんですよ。だから、『M3 460』の悪い所も本音で言ってほしいなと」

    平田 「分かりました。【Yトラック】ですが、最初は最も慣性モーメントが高いとされるウエイト配置、後方2つに振り分けました。この位置ではスピン量が増加して飛距離が伸びませんでした。コースボールでトラックマンの飛距離が出ていなかった原因でもあります。次にドロー設定ですが、ここでもスピン量に改善が見られませんでした

    筆者 「なるほど、フォローで20ヤード飛距離が伸びたというのは、ポジションによって多めのスピン量の可能性があるということですね…」

    平田 「何度も言いますが、最後まで聞いてください。そこで最後にローリー・マキロイやジャスティン・ローズと同じポジション、フェース側に2つウェイトを並べたところ、スピン量が減ってランも飛距離も伸びました。ボールフライトに大きな変化はなく、どのポジションでも高弾道を維持出来ました。ということで、『M1 440』など、いつものテーラーのクラブのようにポジションを変化させても弾道に大きな変化は見られませんでした。多分……、私自身の打ち方が知らず知らず変化しているものと思われますが…」

    筆者 「ポジションを変えたのに、全部高い球になってしまったと…」
    左右対称の一番後方が最高なんですって。“打球音”が特に!筆者なら迷わず飛距離優先ですけど…

    左右対称の一番後方が最高なんですって。“打球音”が特に!筆者なら迷わず飛距離優先ですけど…

    平田 「はい。ただし、今日のラウンドで実感したのは、自分のポジションを見つけると、高い球が打てる分、飛距離アップにつながることです。画像のように、後方に左右対称のポジションが私にとって最も振りやすく、まったく曲がらないポジションです。基本弾道が高く、スピン量はやや多めで安定してキャリーが伸ばしやすいため、フォローで歴然たる飛距離の差が出ました

    筆者 「深い重心が振りやすい……。っていうか、何か違和感があるなぁと思ったら、平田さんの『M1 440』って、フロントウェイトを外して2つとも一番後方に付けてるじゃないですか!ホント、マニアックな人だなぁ〜」

    平田 「マイクラブを自分の振りやすい位置に調整するのは、プレーヤーとして当然です」

    「Yトラックは音も激変します」(平田)

    やっぱり、プロゴルファーは分かるんですね。ローズもマキロイも、このポジションなのはそこかぁ〜

    やっぱり、プロゴルファーは分かるんですね。ローズもマキロイも、このポジションなのはそこかぁ〜

    筆者 「でも、平田さん、一番スピン量が減って飛距離が出る、マキロイと同じフロントダブルポジションを捨てちゃうのはもったいなくないですか?

    平田 「振りやすさには勝てません。それに、一番スピン量が減って飛ぶとはいえ、フロントダブルだと、打球音が一気に金属音になってしまうんです。これは『M1 440』の時も同じで、それが嫌で後方ダブルに変えた経緯もあります。『M3 460』は後方ウェイトにすればするほど、マイルドで喰いつくような大人しい打球音になるので、私にとってそれは何者にも代えがたい部分ですね。それに、『M1 440』よりこのポジションで飛距離も方向性も勝っているので、十分過ぎる結果ですから」

    筆者 「ちなみに、これ、シャフトは純正のままで打ったんですよね?」

    平田 「…………。そこ、詳しく話しますか?」

    筆者 「なんで急にトーンダウンするんですか?さっきまでとまったく違うじゃないですか!」

    「う〜ん、米国仕様の純正シャフトは…」(平田)

    平田 「クローズドFBには本音で思うことを書いたのですが、さすがにALBA.netで公開してはマズイと思います…」

    筆者 「……。公開できる範囲で語りましょう!」

    平田 「はい…。私はリシャフトも自分でやりますし、シャフトの振動数計も所有しているので、いつもクラブを購入するたび詳しくいろんな方向から負荷をかけてシャフトの動きや製品精度を見極めますが、今回の『M3 460』の米国仕様の純正シャフトには疑問が…。詳細については触れたくないです」

    筆者 「ぐぬぬぬ……そこかぁ〜、いま、去年キャロウェイ『GBBエピックサブゼロ』の米国仕様を買って純正シャフトで大失敗して枕を濡らした記憶が一気にフラッシュバックしてきました……。え〜〜、じゃあ今まで『M3 460』がさんざん“イイ!”と平田さんが言ってきたのは何だったんですか?シャフトは何を挿して打った評価なんですか?」

    平田 「実は、幸いなことにエースの『M1 440』とスリーブの互換性があるので、エースシャフトのグラファイトデザイン『DI-7S』を打っていました

    筆者 「なんだ、そうだったのかぁ〜。【それさぁ、早く言ってよぉ〜】って、どこかのCMみたいなセリフが出てきちゃいますよ…。てっきり、米国仕様の純正シャフトで打たれたと思っていたので、【そこまで米国仕様の『M3 460』は完成度が高いのか】と、本気で検討しちゃったじゃないですか!平田さん、最後の最後まで大事なところをバラさないなんて、ひどいですよ!」

    平田 「え?シャフトについて何も聞かれなかったですし、それなら最初に聞くべきですよね?そもそも、人の話しをすぐ遮って最後まできちんと聞かずに早合点する悪いクセがありますよ、長岡さん。だから、打たずに米国仕様の純正シャフトも早合点して枕を濡らすことになったんじゃないですか?」

    筆者 「……。(切っ先鋭すぎるナイフだぜ、この61歳、只者じゃないな…)そ、そうでしたね、ボクの早合点でした、すみません…。まぁでも、平田さんのおかげで助かりました!去年の『GBBエピックサブゼロ』(米国仕様)の二の舞いにならなくて済んだので。去年の教訓を活かして、ボクは打って性能も質も動きも把握できている三菱ケミカル『KUROKAGE TM-5』の入った日本仕様を買いますし、いずれにせよ、ヘッドスピード的にリシャフトは決定していますので。カスタム対応で選べない三菱ケミカル『KUROKAGE XD』に」

    平田 「おっ、奇遇ですね。私ももうオーダーして15日に届くのですが、『M3 460』は三菱ケミカルの『テンセイCKホワイト』を入れることにしました。ここまで高弾道なヘッドなので、スピン量を抑える目論見ですね。長岡さん、同じ『M3 460』ユーザーとして、今年のゴルフを薔薇色にしましょうね!」

    筆者 「はい!余程のことがない限り、そうなると思います!!!」


    Text/Mikiro Nagaoka

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