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    【バケモノたちの使用ギア】タイガーの1Wシャフトは90g!【重・短・柔】でなぜHSが最速になる?

    勝利こそないものの、復活を印象づけるタイガー・ウッズ。覇王の帰還にゴルフ熱も上がりますが、使用するドライバーシャフトに衝撃の情報が!でも、これがヘッドスピードアップの理由ではないとも…。

    配信日時:2018年3月20日 09時01分

    • ギア

    平田「タイガーはマン振りだと【右足スケーティング打法】に変わってきた」

    ヘッドスピードが戻っているのは事実ですが、マン振り回数も加味しなきゃ…

    ヘッドスピードが戻っているのは事実ですが、マン振り回数も加味しなきゃ…

    平田 「ここ数試合を見ていても、タイガーはかなりロングホールのドライバーのティショットで強振しますよね?ほぼマン振りに近い状態まで振りちぎっています。これがタイガーのヘッドスピードが速く計時されている理由(現在ランク3位タイ)であり、昨日の16番でOBしたシーンもそうでしたが、そこで起きている足元の動きに私は注目しています

    筒 「確かに、マン振りするから平均ヘッドスピード54.49m/sと速く出るのはあるでしょうね。90gのシャフトをやや短く44.5インチ台で使っているとはいえ、80g強はゆうにあるはずです。この重く短いクラブ、しかも手術明けの体でツアー最速(FASTEST SPEED)の129.20マイル(57.76m/s)も出すのは、マン振りとはいえちょっと考えられないです。クラブも短いわけですし…」

    筆者 「でも、16番は左にOBしたんですから、結果的には悪いスイングだったんじゃないんですか?」
    平田「マン振りだと、黄色方向に右足が滑る」(岩本芳弘)

    平田「マン振りだと、黄色方向に右足が滑る」(岩本芳弘)

    平田 「あのホールの結果の話をしていません。16番だけじゃなくて、タイガーのドライバーを振った時に右足がどうなっているか?見ていてわかりませんか?内側に滑るように右足がズレるんです。昔のグレッグ・ノーマンと同じです。まるでスピードスケートでカーブしていく際の右足のように内側に滑ります。この動きを私は【タイガーの右足スケーティング打法】と名付けることにしました
    筒「ノーマンはアイアンでも右足が内側に滑りますよ」(GettyImages)

    筒「ノーマンはアイアンでも右足が内側に滑りますよ」(GettyImages)

    筒 「平田さん、ノーマンだけじゃないですよ。この動きは、イアン・ウーズナムやジャック・ニクラスなど、過去の名手にも見られる共通点です。ノーマンはほぼすべてのショットでこの動きが見られましたよね、アイアンショットでも」

    平田 「そうそう、グレッグ・ノーマンこそ、【右足スケーティング打法】の開祖かもしれませんね!」

    筆者 「……。(勝手に盛り上がってるけど、右足が滑るのは正しいの???)打法と言われると、何となく怪しいニオイがしますが、大丈夫ですか?」

    平田「マキロイも両ヒザを曲げて切り返し、インパクトでは伸ばす」

    平田「マキロイは両足の屈伸が大きいですが、タイガーと兄弟のよう」(GettyImages)

    平田「マキロイは両足の屈伸が大きいですが、タイガーと兄弟のよう」(GettyImages)

    平田 「筒さんしかご理解頂けないのが残念ですが、ローリー・マキロイとタイガーの下半身の動きを比較しました。私の目から見れば、この2人は全く同じ下半身使いです。ローリーは足を引きずりませんが、2人を見ているとまるで兄弟のような足さばきです。

    飛びの秘訣にはやはり共通点が多いですね。リッキー・ファウラーも似ているのですが、タイガーは元々こういった右足のカカトを内側にスライドする動きじゃなかったんです。それが、ケガから復帰後の最近の試合では右足の動きにはっきりと変化が表れました。今どきの若手トッププロたちと同じような右足の使い方に変化しているのは好材料でしょう」

    筆者 「平田さん、それって無意識ですか?あと、マキロイと違ってタイガーが引きずる理由は?」
    ベタ足には見えますが、左ヒザの曲げ伸ばしは健在ですね…(岩本芳弘)

    ベタ足には見えますが、左ヒザの曲げ伸ばしは健在ですね…(岩本芳弘)

    平田 「もちろん、無意識でしょう。あと、タイガーの新しいスイングで上下動が減ったため床反力を使わなくなったと観るのはナンセンス。私からするとすごく正しく床反力を使って見えます。タイガーの場合は、左脚の曲げ伸ばしがメインであって、右足はあくまで脱力しています。だから、このように内側に引きずる形になるのでしょう。マキロイは右足の屈伸を行うタイプなので、似た動きでもタイガーがマン振りで見せるような引きずりはないですね。

    あと、右くるぶしを地面に押し付けるような使い方をしますがここもポイントで、この右足の形だと腰は切れきって、それ以上腰がムダにターンしません。プレインパクトから、腰のポジションが変わってないことが画像に表れています。ところが、右足が早く離れて前に出ると、腰は途端に回りすぎたりスピンアウトの原因にもなってしまいます」
    確かに、プレインパクトとフォローでほとんど腰の向きが変わりません!(岩本芳弘)

    確かに、プレインパクトとフォローでほとんど腰の向きが変わりません!(岩本芳弘)

    筒 「平田さん、この右足の使い方は、あくまでも右ヒザと左ヒザを近づけて絞るような形になるため、腰の切れやスピードは増しますよね?あと、右足の使い方を変えた目的はボクも同感で、絶対に切り返しで体が前に出ないようにする技術とつながっていると思いますよ」

    平田 「やっぱり、筒さんは話がわかりますね。そうなんです。切り返しで体、特に右足が前に出ると終わりですから。昔のタイガーは少し右サイドが前に出る感じもありましたが、復帰後の最近はまったくこの動きがありません。沈み込む量が減ったから【ダイナミックさがなくなった】【床反力を使わなくなった】との解説はナンセンスで、【正しい脚さばきに変わった】と観るべきです」

    筒 「同感です。むしろ、上下動が減ったのにヘッドスピードが速くなった点に着目すべきですよね。動きとしてのダイナミックさが減って見えて、結果スピードが出るということが、いかに凄いことか

    平田 「そうです!マキロイもそうなのですが、私が以前に紹介した【カカト軸ジャンプ】というドリルもそうなのですが、右足がベタ足の中に、しっかり伸展の動作を伴った床反力の使い方があります。現象としてカカトが浮くことが重要なわけではない。足の使い方は穏やかに見えて、内実床反力を使っているというのが、タイガーとマキロイだけじゃなく、現代的なスイングの共通点で、多くのプロが実際に効率よく飛距離を生む体の使い方です」

    筒 「概ね同感です」

    筆者 「クゥ〜、今回もまたマニアックだなぁ…。ちょっと、マキロイの復活についても語りたいのですが、長くなるので、今回はタイガーの話しで締めて、次回にしましょう」

    筒&平田 「了解しました」


    Text/Mikiro Nagaoka

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