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    タイガー・ウッズ、三菱『テンセイオレンジ』へ移行。「左を消すと右のミスも減る」って本当?

    「バルスパー選手権」で2位タイ、「アーノルド・パーマー招待」で5位タイ。勝利の近づきと共に、マスターズに向けてドライバーの方向性への課題を感じさせたタイガーでしたが、きっちりと対応してきた模様。ウッドシャフトが一変!

    配信日時:2018年4月4日 02時29分

    • ギア

    「マトリックスはしなり量が多すぎた。左を消せると、右へのミスも減る」(平田&筒)

    マトリックス『OZIK TP6HDe』だと、確かにしなり量は多く見えました…(岩本芳弘)

    マトリックス『OZIK TP6HDe』だと、確かにしなり量は多く見えました…(岩本芳弘)

    筆者 「普通、先端が硬いと普通は左へのミスが減ると思うんですが、それでいえば右へのミスも増えるはずですよね?なぜプッシュアウトが減るんですか?」

    平田 「いやいや。重くて柔らかいマトリックス『TPHDe』で出ていた右に出る球筋が改善されるはずです。『オレンジ』はタイガーが以前使用していた『ホワイト』よりもロートルク(2.8)で、先端にタングステンを採用、左への打球を防ぐのがまず目的でしょう。でも、左へのミスが減れば右へのミスも減りますから

    筒 「すっごく同感です。マトリックス『TPHDe』は、タイガーにはそもそもしなり量が多すぎたんだと思いますよ。長岡さん、タイガーのスタッツ的にはどうなっているんですか?」
    細かいスタッツを見ると、左へも曲がってますが、右へのミスの方が多くなってました…

    細かいスタッツを見ると、左へも曲がってますが、右へのミスの方が多くなってました…

    筆者 「はい、スタッツでは右へのミスが20.87%(188位)、左へのミスが14.78%(113位)ですね。フェアウェイキープ率が51.61%(201位)と最下位レベルなので、どちらにもかなり曲げているほうだと言えますが、右への傾向が強い結果です」

    筒 「長岡さん、はっきり言って右にも左にも曲がっているというのは、一番始末に悪くて対応ができない状態なんです。プロにとって。これをどう読み解くか?というと、マトリックス『TPHDe』はヘッドスピードの上がっているタイガーにとって、しなり量が多すぎて左にいきやすい。そして、左にいきたくないから嫌がって右にいく。これが右のミスの方が多く出ている証拠だと思います。

    上級者がなぜ左へのミスを嫌うか?というのはここに理由があるんです。左へのミスを消すことができれば、そういった左を嫌がった反応での右へのミスが減り、思い切り振っていくことができます。そうすれば、ミスは右方向だけに集約されてくるので、コースへのライン取りもはっきりするし、ミスの範囲が狭くなってくるので安定するんです。だから、『テンセイオレンジ』への移行は大正解でしょう」

    「ドローが有利なのではなく、左に曲げないのが鉄則」(平田&筒)

    13番ホール「アゼリア」。左傾斜のフェアウェイで、左ドッグレッグ

    13番ホール「アゼリア」。左傾斜のフェアウェイで、左ドッグレッグ

    平田 「まったくの同感ですね。左に行かないシャフトはコースを広く使うことができます。それに…、オーガスタ・ナショナルがそういったコースですから。右打ちの人のドローが有利だと言われますが、確かにそういうホールロケーションは多い。

    でも、左に大きく曲げると取り返しがつかない
    ミスになります。例えば13番のロングが顕著ですが、右にややプッシュして抜ける分にはリカバーできますが、左に曲げてブッシュに入ると出すだけでボギー以上が確定してしまいます。マスターズでは、右打ちのプッシュは許容範囲なんですよ
    筒 「はい。10番もそうだし、11番もそう、1番のスタートホールもそうです。とにかく、左に大きく曲がるドライバーではトラブル多発で、戦えるコースじゃないですね。タイガーが出場する誰よりもマスターズ攻略法を分かっているわけですから、まず左を消しにいったことが大正解です。

    それによって思い切り振れますし、低スピンなので結果的には飛距離も伸びるでしょう。ちょっと抑えて振るとシャフトが勝ってストレートフェード傾向、しっかり振りにいくとストレートドロー。マン振りしても左に曲がることはないでしょう。『ホワイト』よりも『オレンジ』の方がロースピンで左に行かないなことが剛性分布で明らかですから」

    筆者 「ホントにぃ〜???さっきから、大正解、大正解だと断言しすぎでしょ!」
    次ページ
    ⇒『オレンジ』の特性はどうなっている?

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