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    タイガー・ウッズ、三菱『テンセイオレンジ』へ移行。「左を消すと右のミスも減る」って本当?

    「バルスパー選手権」で2位タイ、「アーノルド・パーマー招待」で5位タイ。勝利の近づきと共に、マスターズに向けてドライバーの方向性への課題を感じさせたタイガーでしたが、きっちりと対応してきた模様。ウッドシャフトが一変!

    配信日時:2018年4月4日 02時29分

    • ギア

    「ホワイトでも『M3 460』なら十分球が上がる」(平田)

    三菱ケミカルの米国仕様、『TENSEI』。PGAツアーで使用者が急激に増えています…

    三菱ケミカルの米国仕様、『TENSEI』。PGAツアーで使用者が急激に増えています…

    筆者 「この三菱ケミカル『テンセイCK PRO』シリーズですが、かなり種類がありますよね?『ホワイト』の他にも『ブルー』『レッド』があって、それに『オレンジ』と4種類があります。平田さんは『ホワイト』がロースピンだと言ってましたが、メーカー記載だと低打ち出しでもあるみたいですが…」

    筒 「確かに、そうなってますね。でも、メーカーの言うこともどうせ疑うんでしょう?」

    筆者 「いや、今回は信じるしかないんです。だって、米国仕様ですし…」
    タイガー、『M3 460』はヒール後方にウェイトを配置していますね…

    タイガー、『M3 460』はヒール後方にウェイトを配置していますね…

    平田 「そうですね。打ち出しは通常のヘッドなら下がると思いますが、私もタイガーも『M3 460』なので問題ないと思いますよ。『M3 460』はウェイトを後方にするとすごく上がりやすいヘッドなので、先端が硬い『ホワイト』でも打ち出しは確保できてスピンが減るので距離が伸びました

    筆者 「左に行かないというのは、『ホワイト』でもそう感じますか?」

    平田 「はい。でも、『オレンジ』はもっと左に行かないと思いますよ

    「剛性分布を見れば一目瞭然」(筒)

    『テンセイCK PRO』シリーズの剛性分布。目盛りの上に位置するほど、シャフト剛性が高くなります

    『テンセイCK PRO』シリーズの剛性分布。目盛りの上に位置するほど、シャフト剛性が高くなります

    筒 「長岡さん、三菱ケミカルは剛性分布をきっちりと開示する誠実なメーカーです。見てください、シャフトの性能が一目瞭然じゃないですか。タイガーの展望なので、この際『レッド』と『ブルー』は無視して、『ホワイト』と『オレンジ』を見比べてみて。どっちがTIP(先端)剛性が高いですか?」

    筆者 「本当だ、『オレンジ』の方がはるかに先端剛性が高いですね…。こりゃ、左に行かないわ…

    筒 「それに、BUTT(手元)剛性を見てください。『ホワイト』よりやや剛性が落ちていますが、先端ほどの差はありません。そして、『ホワイト』の方が手元からセンターまでの剛性が高いのに対して、『オレンジ』は手元が緩めで中元よりにしなりポイントが見て取れ、穏やかな挙動が想像できますね。『DGツアーイシュー』使いのタイガーにはとても扱いやすそうです」

    筆者 「筒さん、『ホワイト』よりもはるかにハードだということはよくわかりましたが、なぜ【大正解】だと言い切れるんですか?」

    筒 「ここからはボクの勝手な想像ですが、マトリックス『TPHDe』のしなり量が多すぎると指摘しましたよね?プロトタイプなので正確な中身はわかりませんが、重くて柔らかいことは間違いなさそうです。例えるなら、この剛性分布でいう『レッド』と『ブルー』のようなものに近かったんじゃないか?と。シャフト全体のしなり量が多すぎるために、左にも右にも曲がります。特に、最近のタイガーは強振するケースが多いので。

    『オレンジ』『ホワイト』と、『ブルー』『レッド』の大きな違いはセンター剛性の高さで、ここが柔らかい『ブルー』と『レッド』はシャフトのしなり量が増えます。それで復元のスピードがゆったりになることが想像できます。強振する人にとっては、遅れすぎたり、それを嫌がったら左に行き過ぎたりと安定しません。

    タイガーは度々ヘッドスピードが戻ってきたことがシャフトを替える理由と何度も話していますから、どのみち『ホワイト』以上の剛性のシャフトが必要だったことは間違いないんです。マトリックスの90gと重さの部分でのハードさを一時求めてしまったが、左右に曲がったことから、シャフトのしなり量を抑えることが素早く振るタイプの自分に必要だと気づいたのでしょうね」

    筆者 「…………。(っていうか、タイガーに【憑依試打】し過ぎじゃない?)」

    平田 「長岡さん、不満のようですが、答えは近日中に映像で明らかになりますよ!」

    筆者 「はい。筒さんと平田さんの見立てが正しいかどうか、しかと見届けさせてもらいます!」


    Text/Mikiro Nagaoka

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