高桑記者　「長岡さん、タイトリストの新作と思しき『TS3』と『TS2』ドライバーをシネコックヒルズで契約プロたちがテストしています。既にジミー・ウォーカーやジャスティン・トーマスほか、有力プロがガンガン打ってテストしてます。でも……、ピリピリしてて、【明日発表だから、写真を出すな！】って、きつく現地の怖そうなタイトリストの関係者に言われました…」

筆者　「前々からジミー・ウォーカーが新作をテストしてたのは分かってたんですけど、タイトリストの本国サイトでもついに発表しましたね。【TS DRIVERS, TOUR LAUNCH】って。【最新のドライバーはニューヨークのサウスハンプトンにある118回目の全米オープンで厳しい検証プロセスを開始しました】ってアナウンスがありますよ。もう、情報オープンでしょ、コレ。

っていうか、ちょっと前までてっきり『919D2』と『D3』で来ると思ってたんですが、まさかの91Xシリーズの終了ですよ…。タイトリストのドライバーって、今まで頭文字が【9】で始まり、それ以下の2文字は発売年を示すのが当たり前でしたからね。現行の『917』は2016年末発売の2017年モデルです。なので、今年の秋には来年の2019年モデルが出るはずだと思ってたのに……」

PCM編集長（以下、P編）　「私もそう思ってたよ。タイトリストのドライバーの歴史って、意外に新しくて1984年の『オリジナルメタル』に始まり、1994年の『PTMメタル』『DTRミッドサイズメタル』、95年の『DCIスターシップ』と来て、転機となったのが1998年。

タイガーが使った、かの名器『975D』だよ。このモデルは2001年まで3年半も売られたロングセラーで、ここから頭文字が【9】になったんだ。最初は下二桁は年の数字じゃなかったけど、以後、タイトリストの過去のクラブでも年表になっているとおりで、ずっと例外なく【9】シリーズはここ20年間続いてきた。アレっ？この年表『907』が抜けてないか？おかしいなぁ…、2年に一度ずっと出してきてたはずだが…」

PCM筒康博（以下、筒）　「村田さん、タイトリストの中ではおそらく『907』は消したい記憶なんじゃないですか？だって、本当にズッコケたのって、あの慣性モーメント戦争が起きた異形ドライバー時代の『907』くらしか記憶にないですもん。タイトリストファン心理をずっと捕まえ続けてきたのに、三角形のおにぎりを出しましたからね…。

三角形で売れたドライバーは1モデルもないですから、四角はあっても三角形だけは売れない。そうそう、あの『907』から『D1』『D2』という名称のモデル分けが始まったんですよ。それ以前の『983』は『K』と『E』がありましたし、『905』は『S』『R』『T』と、アルファベット分けでしたから」

筆者　「いやぁ〜、この20年がボクのゴルフの歴史だったし、タイトリストのドライバーと言えば『9○○』というネーミングが当たり前だったので、ちょっと今回の決定はボクにとってはショッキングです。タイトリストとしても、清水の舞台から飛び降りるくらいの決定じゃないですか？

実際、今回タイトリストは【TS project】として、厳格なテストを全米オープンで行うとしています。ツアープロからフィードバックをもらって、それを最終的な製品に活かすというのは、彼らのいつものやり方ですけど、今までは【917プロジェクト】とか言ってなかったですしね。しかし、『919D2』じゃなく、『TS2』とは…」

筒　「長岡さん、いつものアレ、当然今回もやるでしょ？」