飛ばなくても強い、青木瀬令奈のプレースタイル
飛ばなくても強い、青木瀬令奈のプレースタイル
配信日時:2018年9月1日 02時53分
飛ばなくても強い、青木瀬令奈のプレースタイル
飛ばし有利の時代に、異色の存在
原英莉花や三浦桃香など、170cm前後と体格に恵まれた選手も多い。彼女たちは、ドライバーで軽々と250ヤードを超えるショットを放つ。近年では、ダスティン・ジョンソンやローリー・マキロイ、ジャスティン・トーマスのように、350ヤードを超えるショットを苦もなく放つ、海外のトップ選手たちの飛距離アップが話題になっているが、その波は女子ツアーにも確実にきている。道具の進化やフィジカル面の向上で、ドライバーで大きな飛距離を放ってアドバンテージを取り、セカンドではショートアイアンやウェッジでバーディーを量産する選手が増えているのだ。
そんなパワー優位の雰囲気の中で、身長153cmと小柄でありながら、女子ツアーで存在感を見せているのが青木瀬令奈だ。昨年には、ツアー初優勝を遂げ、今年はサマンサタバサレディースで2位、北海道meijiカップで3位と最後まで優勝争いを演じながら勝利に肉薄している。
ジュニア時代は中学1年生ながら、大王製紙エリオールレディースの本戦に出場という天才少女ぶりで、数々の大会で優秀な成績を収めている。プロテストは一発合格したものの、プロ入り後の数年はなかなか結果が出せない時期が続いた。これは、大雑把に言えば、パープレーで良しとするアマチュアのゴルフと、積極的にバーディーを奪っていかないと上位にいけないプロゴルフとの差だろう。
飛距離の出ない選手は、どうしても試合運びが不利になりがちだ。飛距離の出る選手と比較すると、セカンドショットでウッドやユーティリティなど長い番手を持つことも多くなるので、バーディーチャンスにつけるチャンスは少なくなってしまう。飛ぶ選手なら2オンが可能なパー5でも、3打目勝負を強いらることになる。より多くのバーディーが必要なプロのトーナメントでは、ハンディを背負っていると言っていい。