タイガーの復帰は『TOUR B X』。共同開発の『XS』は「スピンを求めるならこれ以上はない」
レジェンド、タイガー・ウッズが半年以上ぶりに競技復帰。気になるそのギアの変更点は?
配信日時:2023年2月17日 11時30分
<ジェネシス招待 初日◇16日◇リビエラCC(米カリフォルニア州)◇7322ヤード・パー71>
PGAツアーはタイガー・ウッズがホストを務める「ジェネシス招待」が開幕。初日は日没のため順延となったが、ウッズは昨年7月の「全英オープン」以来となる実戦で5バーディ・3ボギーの「69」と2アンダー・暫定27位タイの滑り出しを見せた。ボール契約を結ぶブリヂストンがギア変更についてこう明かす。
「タイガーの使用球が『TOUR B XS』から『TOUR B X』になりました。変更の経緯をこう話しています。【一番の違いは初速が上がって距離が伸びたこと。XSの方がスピンは利くが、Xは短い番手でアプローチを打てる。コース状況でも変わるが、私のゲームと道具が進化していく上で、重要なのは使用ギアがフィットするかどうか。ブリヂストンの用具は、状況次第で違う選択肢を取れる。グリーン周りや操作性重視ならXS、距離を求めるならXがある】とのことです」(同社広報)
周知の通り、2016年にナイキが撤退した後、契約フリーとなったタイガーは、全てのメーカーの中からまず同社とボール契約を結んだ。ソフトでスピン量の多い『TOUR B330S』を選び、その後もこの特性を替えることなく『TOUR B XS』も同社と共同開発してきた。スピンタイプを選ぶ理由は、「スピン量はいくらでも増やしてくれ。減らすことは自分(の技術で)いくらでも出来る」というもの。
この流れが変わったのは、昨年11月に息子・チャーリー君と出場した親子で出場する大会「PCN選手権」だ。昨年7月以来の久々の大会では「飛距離が必要」と、珍しく『TOUR B X』へとスイッチ。この動きは「お試し」かと思われたが、今大会でもより飛距離の出る同ボールを選んだ。同社はこう話す。
「彼の道具変更は世界中で話題となりますが、これがテスト段階かどうかについて【多分、状況次第ですね。リビエラはXを試すのに丁度いい大会。このコースで何度もスピンタイプのボールでプレーしたので、違う飛距離タイプのテストは違う景色が見れて楽しい。距離を要求されるコースはXだし、操作性やスピンを要求されるコースではXS以上のボールは存在しません】と回答。次期モデルに関する協議も始めております」(同)
タイガーの使用球としてあまりに有名な『TOUR B XS』は、昨年の国内女子ツアーで38戦16勝をマークするなど、アマチュアゴルファーにも絶大な信頼のあるボール。起点を作ったタイガーの『X』への移行が、多くのツアー選手やアマチュアにも影響を与えるのだろうか。また、生けるレジェンドの今回のテストが、次作へどう影響を及ぼすのか、今後に注目が集まる。