今年のPGAツアーは、6年も王座不変だった、あるスタッツに変化が見られそうだ。それが「飛距離への影響度が7割」と言われるボール初速。キャメロン・チャンプが2018-19シーズンに平均「190.70mph(85.25m/s)」で1位になってから昨季まで6シーズン連続で1位に君臨してきたが、今季はコーン・フェリーツアーのため不在。新たに初速王に座るのは誰になるのか、現在のトップ5が下記となる。
【平均ボール初速上位】 ※2/9時点
1位/アルドリッチ・ポットギーター 190.78
2位/ミンウー・リー 187.83
3位/ラスムス・ホイガード 186.68
4位/ウィル・ゴードン 186.37
5位/ゲーリー・ウッドランド 185.13
1位のポットギーターは20歳と若く、下記のようにヘッドスピードでも1位になっているため、チャンプに代わる新たなキング濃厚と言えるだろうか。とはいえ、ヘッドスピードは初速よりも遥かに差が詰まっていることに驚く。では、この初速差がなぜ出てくるのか?と言えば、ショットのクオリティはもちろん、1Wヘッドの性能差も関係しているかもしれない。
【平均ヘッドスピード上位】 ※2/9時点
1位/アルドリッチ・ポットギーター 125.75
2位/ウィル・ゴードン 125.56
3位/ゲーリー・ウッドランド 125.00
4位/ミンウー・リー 124.60
5位/クリス・ゴッターアップ 124.24
そこでボール初速上位の使用ギアを見ると、1位のポットギーターがタイトリスト『GT3』で効率よく高初速を出していることが分かる。また、初速2~4位のキャロウェイ勢が特に目立っており、ミンウー・リーは『ELYTE◆◆◆』で先週の「WMフェニックス・オープン」でも平均335.30ydを記録し1位になっていた。
【初速上位の使用ギア】
1位/ポットギーター『GT3』✕『Pro V1x』
2位/リー『ELYTE◆◆◆』✕『クロムツアーX』
3位/ホイガード『Ai SMOKE◆◆◆』✕『クロムツアーX』
4位/ゴードン『ELYTE◆◆◆』✕『クロムツアー』
5位/ウッドランド『DS-ADAPT X』✕『Pro V1』
そして、23年に脳腫瘍の手術をしている40歳のウッドランドが、空力性能に優れたコブラ『DS-ADAPT X』で若い選手たちに全く引けを取らないスピードを出していることも注目に値する。新たな初速王候補が他からも上がってくるのか、引き続き注目したい。