番手ごとの飛距離を把握してますか? ゴルフクラブの特徴と男女別飛距離の目安を解説
ゴルフを始めて間もない頃は、ゴルフのラウンド中に、「番手ごとの飛距離がよくわからなくて、どのクラブを使えばいいのか迷う」「自分はちゃんと飛距離が出せているのかな」そう思うことがあるかもしれません。しかし、ゴルフクラブの番手と飛距離を正確に把握することは、スコアメイクに直結する重要なポイントです。本記事では、男女別のゴルフクラブの飛距離の目安を紹介し、各クラブの飛距離を把握することがなぜ重要なのか、その理由を詳しく解説します。
配信日時:2024年6月17日 09時08分
1.番手ごとの飛距離を把握する理由
ゴルフはただ闇雲にクラブを振っていればいい、というわけではありません。ゴルフのスコアメイクにはコースマネジメントがとても重要になりますが、そのコースマネジメントは、番手ごとの飛距離の把握から始まります。
たとえば、フェアウェイ中央からピンまで150ヤードの距離がある場合。7番アイアンで自分が高確率でその距離を打てることを知っていれば、迷わず7番アイアンを選ぶことができます。シチュエーションごとに最適なクラブ選択ができれば、無駄なショットや大きなミスが減り、スコアメイクにつながるでしょう。
そもそもゴルフの飛距離とは?
ゴルフの飛距離は、「キャリー」と「ラン」に分かれます。キャリーはボールを打ってから空中を飛ぶ距離、ランはボールが地面に落ちてからコロがる距離のことを指します。
ゴルフの飛距離 = キャリー(空中を飛ぶ距離) + ラン(地面に落ちてからコロがる距離)
ゴルフでは、キャリーとランを合わせた総距離が飛距離になるので、たとえば、キャリーが200ヤードでランが30ヤードなら、飛距離は230ヤードとなります。
ゴルフの飛距離において、より重要なのはキャリーの方です。ゴルフのキャリーについては、「ゴルフのキャリーとは? 自分のキャリーを知るメリットや方法も解説」をご覧ください。
2.ゴルフの飛距離は「ボール初速」「打ち出し角」「スピン量」で決まる
ゴルフの飛距離を決定する要素は、「ボール初速」「打ち出し角」「スピン量」です。これら3つの要素を意識して練習することで、飛距離を伸ばし、安定したショットが打てるようになるでしょう。
ここからはゴルフの飛距離を決定する「ボール初速」「打ち出し角」「スピン量」について説明します。
ボール初速
ボール初速とは、クラブ(ヘッド)がボールに当たった瞬間に、ボールが発射される速度のことで、初速が速ければ速いほどボールは遠くに飛びます。
ボール初速には「ヘッドスピード」と「ミート率」が重要で、ヘッドスピードとミート率の掛け算から算出することできます。
ボール初速(m/s) = ヘッドスピード(m/s) × ミート率
ヘッドスピードとミート率をそれぞれ見ていきます。
ヘッドスピード
ヘッドスピードとは、クラブを振る速さのことです。ヘッドスピードが「1m/s」上昇すると、飛距離は「5.5ヤード」ほど伸びるとされています。諸条件により実際の飛距離は変動しますが、ドライバーのヘッドスピードが40m/sの人で例を挙げると、以下のような飛距離目安となります。
40m/s(ヘッドスピード) × 5.5ヤード = 約220ヤード(飛距離目安)
ヘッドスピードと飛距離の関係については、「ドライバーのヘッドスピードで目安の飛距離が分かる! 飛ばしの3要素とおすすめ練習法も解説」をご覧ください。
ミート率
一方のミート率とは、クラブをスイングした力が、ボールにどれだけうまく伝えることができたかを示す数値です。
ミート率が高ければ、それだけ効率よくボールにエネルギーを伝達できているということです。つまり、ミート率が高いとボール初速が伸び、飛距離も出るということになります。ミート率の計算式はシンプルで、以下の通りです。
ミート率 = ボール初速(m/s) ÷ ヘッドスピード(m/s)
ドライバーのミート率で、プロは1.5程度、アマチュアプレイヤーの場合、ドライバーのミート率は1.4を超えれば高いといえます。またミート率は「0.05」上がると、飛距離が約8ヤード伸びるとされています。
ゴルフのミート率については、「ゴルフでミート率を上げるには?練習法や役立つ器具、平均値も紹介」をご覧ください。
打ち出し角
打ち出し角とは、ゴルフクラブで打ったボールが飛び出す角度のことで、ボールが地面に対してどれくらいの角度で飛び出すかが飛距離に影響します。
打ち出し角が高いとボールが高く上がるため、キャリー(空中を飛ぶ距離)は長くなり、打ち出し角が低いとキャリーが短くなります。
打ち出し角の目安は、へッドスピードが42m/s前後の人で13~16度、30m/s台後半の人なら12~14度とされています。
打ち出し角はロフト角と密接な関係があります。ゴルフのロフト角については、「ゴルフクラブのロフト角とは? クラブ別のロフト角と飛距離目安を一覧で紹介」をご覧ください。
スピン量
スピン量とは、ボールが飛行中にバックスピン(逆回転)する量のことで、ボールの浮力のような働きをします。
適正なスピンがかかると、ボールは安定した放物線を描き、飛距離が最大化されます。
一方で、スピン量が多すぎるとボールが高く上がりすぎてしまいます。逆に、スピン量が少なすぎるとボールが浮き上がらなくなるため、飛距離が伸びず、すぐに地面に落ちてしまいます。
ヘッドスピード42m/s前後の人は、スピン量2,500~2,700回転程度、ヘッドスピード30台後半の人は、2,700~3,000回転程度が適正とされています。
ゴルフの飛距離については、「【ゴルフの飛距離が大幅アップ】効果絶大の練習方法&トレーニングで目指せプラス30ヤード!」をご覧ください。
3.【男女別】ゴルフクラブの種類と飛距離
ゴルフクラブは大きく分けて以下の6種類があります。
ドライバー
フェアウェイウッド
ユーティリティ
アイアン
ウェッジ
パター
ゴルフクラブは、シャフトの長さとロフト角によってボールの飛び方が変わります。
ドライバーはゴルフクラブの中で最もシャフトが長く、ロフト角も小さいので、ゴルフクラブの中で一番飛距離が出ます。逆に、サンドウェッジ(ないしロブウェッジ)は最もシャフトが短く、ロフト角も大きいので、ショットを目的としたゴルフクラブの中では一番飛距離が出ません。
ロフト角が小さい=ボールは低く飛び、飛距離は長い
ロフト角が大きい=ボールは高く上がり、飛距離は短い
以下、男性と女性の代表的なクラブセッティングを元に、各クラブの特徴と飛距離の目安を見ていきましょう。
ドライバーの特徴と飛距離
ドライバーは1打目に使うクラブで、最も飛距離の出るクラブです。ボールを遠くに飛ばすため、持ち手側(シャフト)が最も長く、重量も軽いのが特徴です。1番ウッド(1W)とも呼ばれます。
性別/ヘッドスピード | 番手 | ロフト角 | 飛距離 |
---|---|---|---|
男性/38~45m/s | ドライバ―(1W) | 8~10.5度 | 200~250ヤード |
女性/28~34m/s | ドライバ―(1W) | 10~13.5度 | 150~190ヤード |
フェアウェイウッドの特徴と飛距離
フェアウェイウッドは、ドライバーの仲間でドライバーと合わせてウッド系とも呼ばれます。ドライバーの次に飛距離が出せるクラブで、ロングホールのセカンドショットに使われることが多いクラブです。
性別/ヘッドスピード | 番手 | ロフト角 | 飛距離 |
---|---|---|---|
男性/38~45m/s | 3番ウッド(3W) | 15度 | 180~230ヤード |
5番ウッド(5W) | 18度 | 170~210ヤード | |
女性/28~34m/s | 3番ウッド(3W) | 15~18度 | 140~180ヤード |
5番ウッド(5W) | 18~21度 | 135~170ヤード | |
7番ウッド(7W) | 21~24度 | 130~160ヤード |
ユーティリティの特徴と飛距離
ユーティリティは、アイアンとウッドの中間的な性能を持つクラブです。アイアンとウッドのメリットが融合したクラブのため、距離を出したいシーンやボールを高く上げたいシーンなど、さまざまなシチュエーションに対応できます。
性別/ヘッドスピード | 番手 | ロフト角 | 飛距離 |
---|---|---|---|
男性/38~45m/s | 4番ユーティリティ(4UT) | 20~22度 | 160~190ヤード |
女性/28~34m/s | 5番ユーティリティ(5UT) | 25~26度 | 120~150ヤード |
6番ユーティリティ(6UT) | 28~30度 | 110~140ヤード | |
7番ユーティリティ(7UT) | 31~34度 | 100~130ヤード |
アイアンの特徴と飛距離
アイアンは、グリーンを狙うための中距離ショットやアプローチショットに使われます。クラブの中でも汎用性が高くさまざまなシーンで活用できます。
性別/ヘッドスピード | 番手 | ロフト角 | 飛距離 |
---|---|---|---|
男性/38~45m/s | 6番アイアン(6I) | 24~30度 | 135~165ヤード |
7番アイアン(7I) | 28~34度 | 125~155ヤード | |
8番アイアン(8I) | 32~38度 | 115~145ヤード | |
9番アイアン(9I) | 37~42度 | 105~135ヤード | |
女性/28~34m/s | 7番アイアン(7I) | 28~30度 | 90~120ヤード |
8番アイアン(8I) | 32~35度 | 80~110ヤード | |
9番アイアン(9I) | 37~41度 | 70~100ヤード |
ウェッジの特徴と飛距離
ウェッジは、主にボールをグリーンに正確に寄せる時や、バンカーショットなどで使用されるクラブです。以下の4種類があります。
ピッチングウェッジ(PW)
アプローチウェッジ(AW)
サンドウェッジ(SW)
ロブウェッジ(LW)
各ウェッジの主な違いは、アイアン同様、シャフトの長さとロフト角です。ロフト角が大きいとボールは高く上がりやすく飛距離が短くなり、ロフト角が小さいとボールは低く飛び、飛距離が長くなります。
ピッチングウェッジ、アプローチウェッジ、サンドウェッジ、ロブウェッジの順でロフト角が大きくなり、また、重量も下の番手ほど重くなります。
ウェッジの使い分けについては、「ウェッジをスマートに使い分けよう! ウェッジ基本の「き」を解説」をご覧ください。
性別/ヘッドスピード | 番手 | ロフト角 | 飛距離 |
---|---|---|---|
男性/38~45m/s | ピッチングウェッジ(PW) | 43~48度 | 95~120ヤード |
アプローチウェッジ(AW) | 50~54度 | 80~105ヤード | |
サンドウェッジ(SW) | 56~58度 | 70~90ヤード | |
女性/28~34m/s | ピッチングウェッジ(PW) | 43~46度 | 60~90ヤード |
アプローチウェッジ(AW) | 48~54度 | 55~80ヤード | |
サンドウェッジ(SW) | 56~58度 | 50~70ヤード |
パターの特徴と距離
パターは、原則として、グリーン上でボールをカップに入れるためのクラブです。パターで打ったボールがコロがる距離はカップまでの傾斜によっても異なりますが、数センチ単位からメートル単位まで、さまざまな距離において使用します。
パターのヘッド形状は主に3種類に分かれます。
ブレード型パター
プレート型パターは、見た目が細長いクラシックなデザインで、手に感覚が伝わりやすいクラブです。操作性に優れています。
マレット型パター
マレット型パターはヘッドが大きく重心が後ろにあるため、ボールが真っ直ぐに打ち出しやすいクラブです。また、ヘッドが重たい分、軽く打っただけでも距離が出やすくなっています。
ネオマレット型パター
ネオマレット型パターはマレット型よりもヘッドが大きく、パッティングが安定しやすいクラブです。パッティングが安定しやすいのは、マレット型よりもヘッドの形が長方形に近いため視覚的に方向を定めやすく、かつマレット型と同様、ヘッドの重さで距離が出やすいからです。
パター選びについては唯一の正解というものがなく、一度試打してみて自分が使いやすいと感じたものを使用してみてください。パターの種類については、「パターの種類を知って、自分に合った最高の一本を見つけよう!」をご覧ください。
4.まとめ
本記事では、ゴルフにおける飛距離の考え方を整理し、ゴルフクラブの番手別・男女別の飛距離目安をまとめました。各クラブの特徴を理解しつつ、飛距離を決定する「初速」「打ち出し角」「スピン量」を意識して練習すると、より安定したショットが打てるようになるでしょう。